日本の食料自給率はカロリーベースで何%?世界と比べてみます

はじめに

あなたは日本の食料自給率がどの程度か知っていますか?
現在農林水産省が発表しているデータによると、2019年度の日本の食料自給率は38%です。
この38%という数値は戦後の日本において、過去最低レベルの数値になります。
 
しかしこの食料自給率はなぜこんなにも低いのでしょうか。
それは農林水産省の計算方法が、少し特殊な方法を採用していることが関係しています。
今回の記事では日本の食料自給率について、以下のポイントを中心にご紹介します。
 

  • 日本の食料自給率について
  • 海外の食料自給率はどの程度なのか

 
ぜひ最後までご覧ください。
 

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食料自給率とは


そもそも食料自給率とはどのようなものなのでしょうか。
日本と世界の食料自給率の捉え方をそれぞれご紹介します。

日本の食料自給率

日本の食料自給率はすでに記載している通りに、38%程度です。
つまり約60%近くの食料を輸入品でまかなっていることになります。
ではそのような状況はいつから始まったのでしょうか。
 
戦後直後(1946年度)の日本の食料自給率は88%でした。
しかしこの記録を皮切りに、次第に食料自給率は低下していきます。
 
1965年度には73%を記録し、2000年代になるとほぼ40%付近で数値が推移するようになります。
この結果の背景には、食文化の発達が影響しています。
 
かつての日本人がメインに食べるものといえば、米がほとんどでしたが、時代が進むにつれて肉やパンの需要が増えて、欧米風に食生活が変化していきました。
 
その結果、米の食料自給率は主食用においては100%近い数値を出していますが、その他の食材の牛肉は36%、豚肉は49%という数値です。
 
つまり農産物や畜産物をはじめ、今や現代の食生活を維持するには輸入物に頼るしかないというのが現状です。

海外の食料自給率との比較

では海外の食料自給率が、どのようになっているのか気になるところです。
農林水産省が発表した2017年のデータによると、世界を代表するアメリカの食料自給率は、カロリーベースで131%になっています。
 
さらに世界基準である生産額ベースでの食料自給率は、90%近い数値を叩き出しています。
これらの数値を日本と比べると、さすがとしか言いようがありません。
 
ですが、アメリカよりさらに驚異的な数値を出している国があります。
それがカナダです。
 
カナダのカロリーベースでの食料自給率はなんと255%。
さらに生産額ベースで見ても、120%を記録しています。
 
このように世界のトップクラスと、日本の食料自給率の差は歴然です。
しかし先まであげていた日本の食料自給率は、あくまでもカロリーベースでの話です。
 
生産額ベースであればどうなるのでしょうか。
そのことについてこの後記載していきます。
 

実は日本の食料自給率は世界で見劣りしないレベル


主な国の食料自給率の計算方法は、生産額をベースとしています。
つまり日本のようにカロリーベースで食料自給率を考えている国は、いわゆるイレギュラーと言えるでしょう。
 
では日本の生産額ベースの食料自給率はどの程度なのでしょうか。
ズバリ、2019年度の数値は66%です。
 
この数値は高いとも言えませんが、低いとも言えません。
つまり平均的ということです。
生産額ベースで計算すれば、諸外国と比べても見劣りしません。
 

カロリーベースで計算している国は珍しい?

そもそもカロリーベースで計算する国は珍しく、基本的には生産額ベースで計算するのが一般的です。
カロリーベースでの計算の場合、輸入されたエサで育った牛や豚や鶏、卵などは、国内で育てられたものだとしても算入しません。
 
つまり国産の牛や鶏肉を食べていたとしても、外国のエサを使用して育てた畜産物はカウントしないということです。
 
さらにカロリーベースで食料自給率を計算している国は、日本を含めて台湾や韓国などの一部の国でしか採用されていません。
そのため国際基準にならないため、諸外国に指摘されることも少なくないです。
 
では、なぜこのようにカロリーベースでの食料自給率をスタンダードにしているのか。
それは、国民の危機感を煽るためと言っても過言ではないでしょう。
国民の危機感を煽ることにより、日本の食生活の現状を知ってもらいたいのです。
 
さらに将来的にはカロリーベースでの食料自給率を45%まであげたいという農林水産省がかかげる目標もあります。
我々が地産地消を心がけることによって、日本の食生活が豊かになるのかもしれませんね。
 

まとめ

今回の記事では食料自給率についての情報を中心に記載しました。
 
この記事のポイントは以下の通りです。

  • 日本の食料自給率(2019年)はカロリーベースで38%、生産額ベースで66%であること
  • 海外の中には、カロリーベースで200%を超える食料自給率を記録する国があること
  • 日本の生産額ベースの食料自給率は、世界と比べてもそれほど低くはないこと
  • カロリーベースで計算している国は数少ないこと

 
これらの情報があなたのお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。

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