医療費控除の対象は意外と沢山ある?知っておくと損しない確定申告のコツ

はじめに

医療費控除の対象になるものを、全て把握している人は少ないですよね。
意外と忘れやすいものがたくさんあるので、なるべく気にしておきたい部分です。
 
とくに病気で入院した場合や、ケガの治療などを受けた年は、医療費の領収書はきちんと保管しておかないと、申告の際に慌ててしまうかもしれません。
ではいつも元気な人も知っておきたい、医療費控除の対象になるものについて詳しくご解説していきましょう。
 

健康祝い金付きの医療保険とは?こちらをチェック。

https://research-online.jp/property/3163/
 

労災保険に加入するメリットや適用範囲はこちらをチェック。

https://research-online.jp/property/2772/
 

医療費控除について


「税金のことは詳しくわからないので苦手」という人はとても多いのではないでしょうか。
医療費はとても身近なもので、確定申告にも関係する出費です。ではまず医療費控除とは何かをご説明しましょう。
 

医療費控除という制度について

医療費控除とは、1年間で支払った医療費合計が一定額を超えた場合に、所得控除を受けられるとの制度です。
所得控除とは、課税対象になる所得に含めなくてよいということ。
医療費控除は、確定申告の時に申請すると課税所得が少なくなるので、最終的に税金が安くなるという仕組みです。
 
確定申告は、サラリーマンと違い会社が年末調整をやらない個人事業主が、源泉徴収された税金などの過不足を清算する手続き。
サラリーマンの場合は、納めすぎの所得税を「還付申告」により受けることが可能です。
この還付申告の所得税控除のひとつに、医療費控除が含まれています。
 

医療費控除額はいくら?

所得申告する人と生計を共にする家族のため、1年間に支払った医療費がある時は、所得金額から差し引くことができます。
この医療費控除は(その年に払った医療費総額-保険金などで補填される額)-10万円=医療費控除額という計算式に。
 
ここで注意したいのは10万円という金額ですが、所得合計額200万円までの場合は、所得合計額の5%までとなります。
また医療費控除の最高額も、200万円になっています。
 

医療費控除するには?

入院や長い通院などで、普段の年よりも医療費が多くかかるということは、誰にでも起こり得ることでしょう。
医療費控除を受けるには、所得税の確定申告書に「医療費控除の明細書」を添付して、所轄の税務署に提出してください。
 
平成29年分の確定申告より、医療費の領収書の代わりとしてこの明細書の提出が必要となっています。
また医療費の領収書は、5年間自分で保管する必要がありますので、判断できない場合もとりあえずは手元に残しておきましょう。
また医療費控除の明細書に関しては、国税庁のホームページで作成できますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
 

医療費控除の対象になるもの


年間で10万円以上の医療費を払うのはかなり高額に感じますが、医療費控除の対象になるものの中には、意外と知られていないものがたくさんあります。
かき集めると、医療費控除に見合う金額に達する可能性もあるので、どのような出費が含まれるか医療費控除の対象について見ていきましょう。
 
ちなみに医療控除の対象になるのは、その年の1月1日~12月31日となります。
 

診療・治療・療養費

医療費というと、まずイメージされるものがこの診療費です。
内科、外科などあらゆる診療科がありますが、医療費控除の対象になるものは「医師または歯科医師による診療や治療費用」「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術費用」「出産費用」「レーシック手術」「不正咬合の歯列矯正等」「人間ドッグの健康診断費用」など、多様にわたるものが含まれています。
 
あん摩マッサージに関しては、治療と無関係のものは対象になりませんのでご注意ください。
 

交通費

医療費控除の対象になるもので、意外と知られていないのが「交通費」です。
専門的な治療を行うクリニックが遠方にある場合など、長い期間通っていると交通費もかなり負担になりますよね。
 
また緊急性がある場合や、公共交通機関が利用できない時のタクシー代も、医療費控除の対象になります。
 

ドラッグストアの買い物

医療費控除の対象になるものは、ドラッグストアで購入した一部の商品も含まれます。
基本的に医師の処方によるものは対象になりますが、それ以外にも市販の風邪薬や下痢止め薬は控除対象になるでしょう。
 
ただし栄養ドリンクやビタミン剤など、疲労回復や健康増進に関するもの、腰痛の湿布薬、市販の漢方薬、市販の目薬などは対象になりません。
ドラッグストアでの出費は、あくまでも治療や療養に必要な医薬品、医療器具の購入とされています。
 

医療器具やその他

骨折した時の松葉杖、義手、義足、補聴器などの購入費は、医療費控除の対象になります。
またその他の出費として、一部の療養費や世話の費用などは、治療を担当する医師が発行した証明書が必要です。
 

セルフメディケーション税制について

医療費控除の対象になるものは色々とありますが、もうひとつの選択師の医療費控除の特例として、セルフメディケーション税制と呼ばれるものがあります。
どのような税制なのか、大切なポイントをご説明しましょう。
 

セルフメディケーション税制とは

この制度は通常に行う医療費控除、もしくはセルフメディケーション税制の選択適用が可能です。
従来の医療費控除と同時には利用できないので、申告者がどちらかを選択してください。
 
この税制は健康の保持増進、および疾病予防として「一定の取り組みを行っている方」が自分または生計を共にする配偶者とその他の親族のため、12,000円以上の対象になる医薬品を購入した場合に受け取ることが可能です。
 
この特例は、2017年確定申告~令和3年12月31日までが対象期間。具体的には定期健診や特定成分を含む医薬品を年間12,000円以上購入した場合で、所得控除の対象になる上限は88,000円です。
 

対象になるもの

セルフメディケーション税制を使う場合は、基本的に適切な健康管理を行い、所得税や住民税を納税していることが条件。
 
対象になる健診には「メタボ健診または特定保健指導」「インフルエンザなどの予防接種」「事業主検診」「市町村などが実施する保険者の健康診断」「市町村が実施するがん検診」「市町村が実施する健康診査」となります。
 

対象医薬品

セルフメディケーション税制は、ドラッグストアで購入する特定医薬品の費用も含まれています。
わかりやすいものとしては、対象商品に「セルフメディケーション控除対象」のマークがついているもの。
この対象品を年間12,000円以上購入した場合は、セルフメディケーション税制の利用が可能なので、必ずレシートの保管をしておきましょう。
 
対象になる医薬品は「スイッチOTC」と呼ばれ、医師の診断や処方に基づいて使用するものです。
要指導医薬品、もしくは一般用医薬品に分類されるものが対象。
たとえば薬剤師と対面で販売される医薬品、自己の判断によりドラッグストアで購入する一般医薬品があります。
鎮痛薬のイブプロフェン、禁煙補助剤のニコチンガムなども含まれるでしょう。
 
具体的なスイッチOTC医薬品は、厚生労働省のホームページでも確認できるので参考にしてくださいね。
セルフメディケーション税制の適用を受けるには、セルフメディケーション税制を適用して計算した確定申告書、明細書、検診の結果通知表などの書類が必要になります。
詳しい手続き方法は、国税庁のホームページでご確認ください。
 

まとめ

医療費控除の対象になるものやならないものなど、判断が難しい場合は税務署の相談窓口などでアドバイスしてもらうことをオススメします。
確定申告がきちんと終わるまでは、とりあえず対象になりそうな医療費に関するレシートなどは保管しておきましょう。
 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Xでフォローしよう

おすすめの記事