将来安泰!? 国家公務員試験の倍率と人気の職種とは??

国家公務員は、1府12省庁・税務署・ハローワーク・裁判所・国会などの国家機関に勤務する公務員です。

2022年度の国家公務員試験があり、第1次試験の発表が行われました。最終合格者の発表は8月16日となります。この記事では今回の国家公務員の倍率と昨年の倍率、国家公務員の種類と人気の理由について紹介します。

今回の国家公務員の倍率

2022年7月6日国家公務員採用試験実施状況について、人事院より発表がありました。それによると2022年度の国家公務員採用試験におけるすべての受験者数は55,174人。第1次試験での合格者は28,913人、受験倍率は約1.9倍となっています(※1)。

また採用試験を、第1次試験の大卒程度で比較したものが以下の表です。

採用試験の種類受験者数合格者数倍率
一般職試験20,788人11,490人1.81倍
総合職試験10,897人2,488人4.38倍

※総合職試験「教養区分」を含めず

総合職(国家公務員採用総合職試験)、キャリアと呼ばれる職の倍率は4.3倍、10人の受験者のうち合格できるのは約2人。このあと第2次、第3次と試験がおこなわれていくため、最終合格者数はさらに絞られます。

2021年度の最終合格者は一般職2.74倍・総合職8.61倍

2021年度におこなわれた採用試験では、全ての受験者数82,297人のうち第2次、第3次を経た最終合格者数は24,029人となり、倍率は3.42倍でした。

また大卒程度での一般職の受験者数20,718人のうち、最終合格者数は7,553人となり倍率は2.74倍。そして総合職の受験者数10,504人のうち最終合格者数は1,220人、倍率は8.61倍となりました(※2)。

国家公務員の種類

国家公務員は、特別職公務員と一般職公務員に分かれています。ふだん国家公務員と呼ばれるのは、1府12省庁で働く人や、外交官や税務職員などの一般職公務員です。また一般職公務員は、さらに4つの国家公務員に分かれています。

  • 総合職
  • 一般職
  • 専門職
  • 経験者採用

総合職とは

総合職とは、政策の企画立案、技術や経験などを必要とする業務を専門とする職員。おもな採用先は、本府省や地方出先機関です。

中央省庁の幹部候補(将来の官僚、キャリア)として省内の移動を繰り返し、政策立案や法案作成、予算編成などに携わっていきます。幅広い専門知識を身に付けるため、毎年120名以上が諸外国の大学院に研究員として国費留学しています。

一般職とは

一般職は、政策の実行や企画立案のための補助など、事務などの実務を支える業務です。職場は本府省と地方出先機関です。

内定は各府省から、内定先の府省の職員となります。また府省をまたいだ移動はありません。

専門職とは

専門職は、国税専門官や労働監督官など、特定の分野で職務をおこなうスペシャリストです。

それぞれの専門分野に特化した職務があり、海上保安官や労働基準監督官は逮捕権を持っています。このように職務によって特別な権限が認められているケースもあります。

皇宮護衛官・食品衛生監視員・航空管制官・海上保安官など国家公務員専門職(大卒程度)では、あわせて9つの国家専門職があります。

経験採用とは

複雑になる行政の課題に対応できる、幅広い経験やさまざまな視点を持った人材を採用することを目的としています。民間企業などの職務経験を一定年数おこなった人が対象となっています。

人気な理由

国家公務員のうち、移動が少なく総合職や専門職のような高い知識や技術を求められないのが一般職でしょう。

国家機関に勤めるため、一般企業のように不況に影響されることが少なく収入も安定しているため、安心して勤務できます。

国家公務員一般職が人気の理由

一般職が人気なのは、以下5つの理由からと考えられます。

  • 総合職と比較すると合格率が高い
  • 転勤や移動が少ないため落ち着いて勤務できる
  • 身分保障や福利厚生などの待遇が良い
  • 手当が充実している
  • 不況でも安定した生活が送れる

いわゆるキャリアと呼ばれる総合職は、将来の幹部候補として期待されるため、学ぶべきことも多く出張や留学の機会が多いでしょう。

また定年まで働くという環境ではなく、官僚を経験した後に政界や企業へ再就職する道を選ぶ人もいるのが現状です。安定して働きたいと考える人向きの職業ではないといえるかもしれません。

特定の技術が必要な専門職や経験採用と比べると、一般職は比較的狙いやすい国家公務員です。また安定した生活を望む人にとって国家公務員一般職は、魅力のある職業の一つといえるのでしょう。

まとめ

2022年の国家公務員採用試験がおこなわれ、第1次試験合格の発表がありました。第2次・第3次試験を経て、2022年度の最終合格発表が行われるのは、8月16日となります。

総合職の第1次試験での倍率は4.38倍、一般職が1.81倍となっています。昨年の最終倍率は総合職が8.61倍、一般職が2.74倍のため、試験は決して簡単ではありません。

しかし総合職や専門職と比較すると一般職は狙いやすい国家公務員となります。不況の影響を受けにくく、安定した収入があり、転勤の少ない一般職は安心して仕事をしたいと考える人にとって魅力ある職業のひとつとなるでしょう。

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