貸し剥がしとは?コロナ禍で急速に加速している問題について語る

年金対策/資産運用

貸し剥がしとは?

 貸し剥がしという言葉を聞いたことがある人・ない人両方いるかと思います。貸し剥がしというのは、銀行が融資をした企業から理由をつけて最初に約束した期間よりも早くお金を回収しようとする行為のことを指します。

 

実際企業が銀行を利用してお金を借りる際には最初に返済期限に関する約束を取り決めるのが普通です。

 

お金を借りた企業側からすると、決められた期限までに返済をするという意識で経営を行いますが、実際に約束した期限よりも早く銀行からお金の回収をされるという事態になってしまうと、会社の運営資金自体がショートしてしまうという事態にもなりかねません。

 

そのため、貸し剥がしの影響によって倒産をしてしまうという会社も少なくないのが現状です。

 

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貸し剥がしが起こる時代背景  

貸し剥がしというのは銀行が自己資本率を上げる目的で行われます。

それが行われるのは融資先の経営状況によるものというイメージもありますが、銀行が自己資本率を上げようと動き出すとこの貸し剥がしが多くみられるようになります。実際にその傾向がみられたのが1992年のバーゼル合意の日本適応時のことでした。

 

バーゼル合意というのは銀行の経営を健全化するために決められた取り決めのことで、貸出総額に対して自己資本を常に8%にするという目安を定めたことです。実際日本国内ではバブルの時期にたくさんのお金を貸出ており、このバーゼル合意に合致するためには融資の回収をしなければいけない状況が生み出されてしまったことが背景にあります。

 

貸し剥がしは債務者が優位な立場にある状態 

貸し剥がしは債務者にとってはとても怖いことのように感じるかもしれません。実際に銀行に言われるがままにお金の返済を早めていると会社の経営自体が成り立たなくなってしまう可能性があるためです。しかし貸し剥がし自体はしっかり本質を理解していれば恐れるものではないことが分かります。

 

実際のところ貸し剥がしにおいて有利な立場にいるのはお金の借りている会社側なためです。実際定められた期限内にお金の返済ができなければ債務者側が悪いことになります。

 

しかし期限前に回収しようとするのは債務者ではなく、銀行側の都合であり債務者側はそれに従わなければいけないという決まりはありません。そのため早めの返済を要求されても拒否することができます。

 

貸し渋りは金融機関が優位 

貸し剥がしは債務者有利であることは上記で紹介しましたが、貸し渋りにおいて有利な立場になるのは金融機関です。基本的に融資をして欲しい場合債務者になる側が金融機関に対して申し込みをします。

基本的に融資するか断るかという判断をする側は金融機関になるので金融機関が有利な立場になるという仕組みです。

 

実際のところ融資を金融機関側が断ったとしても、そのお断りが審査の上きちんとした正式なお断りであるのか、貸し渋りをしているのかという判断はなかなかできません。

 

その背景があって、貸し渋り自体を禁止することが難しいです。そのため今でも知らず知らずのうちに貸し渋りが発生しているというのが現状で、禁止されない限り現段階ではなくならないものと考えられます。

 

貸し剥がしは注意が必要  

貸し剥がしはもしも既に被害に合っている場合、あまり対応できることはありません。そのため自分ができるのは貸し剥がしに合わないように注意をするということが一番大事です。

 

銀行側は貸し剥がしをする際にはかなり低姿勢で言葉巧みに返済を迫ってきます。その言葉に流されないということが大切になってきます。貸し剥がし自体は求められても拒否権を債務者は持っています。

 

もしも最初に決められた期限になる前に返済を迫られた場合、それは貸し剥がしであると判断することができます。口車に乗って返済を続ければ経営状況は悪化する一方になる可能性があります。もしも早い時期に返済を迫られたら、毅然とした態度で拒否をすることで会社の経営状況悪化を阻止しましょう。

 

2020年はコロナの影響で国の経済自体が悪化している背景があるので、貸し剥がしを迫られるシーンも増える可能性があるため注意するに越したことはありません。融資先と返済に関する話をするときはきちんと話を確認して決めましょう。

 

貸し剥がし・貸し渋りにあったらどうする?  

実際うっかりと流されて貸し剥がしに合ってしまったり、通ると思っていた融資が貸し渋りにあって成立しないという状況にあってしまうこともあるかもしれません。

際貸し剥がしに遭い、お金を銀行に支払ってしまったあとではできることはほとんどありません。そのため貸し剥がしは安易にしない・警戒するという事前の対応をしておくということしができません。

 

貸し渋りの場合は、新規に融資をしてもらうのではなく現在受けている融資のリスケジュールを申し出ることで対応してもらいましょう。

 

融資の返済額を減らすことができれば、その分金銭的な余裕も生まれます。新規の融資が受けられない場合できる対策としてはリスケジュールが有力なので、上手く活用して経営状況を安定させましょう。

 

金融庁によるホットライン

金融庁では、2002年に「貸し渋り・貸し剥がしホットライン」を設けました。こちらでは貸し渋りや貸し剥がしに関する情報をメールやファックスなどで受け付けています。

 

さらに情報の収取のほか利用者が相談できる窓口を設けることによって、実際にgトラブルに遭った人の相談も受け付けているので困った時に相談ができます。

 

ここで気をつけたいのが、相談の窓口でできるのはそのケースに適したアドバイスです。他の金融機関を紹介するということや、トラブルが発生した金融機関との調停などといった根本から問題を解決することができるようなサービスの提供は行っていないので、金融庁のホットラインを利用する場合はそこを理解した上で利用するようにしましょう。

 

貸し剥がし・貸し渋りにはコロナ禍の状況でより一層注意が必要  

2020年に世界中で蔓延したコロナウイルスは、感染防止の目的で家の中での自粛生活が求められたことで日本の経済状況が悪化の一途をたどっています。

このコロナ禍の状況によって銀行の経営状況自体にも影響が出ているのは安易に想像ができます。そうなってくるとより一層気をつけたいのが貸し剥がしと貸し渋りです。

この先貸し剥がしや貸し渋りが増加する可能性があるので、銀行から融資を受けている企業はその意識を持って会社を経営していくことで、不当な貸し剥がしや貸し渋りの被害に遭わないようにしましょう。

AUTHORこの記事のライター

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