Diem(ディエム)とは一体なんなのか?Diemの正体に迫る

はじめに

2021年、日本の中央銀行はデジタル通貨の実証実験を開始し、デジタル通貨の全盛の時代に突入しようとしています。
近い将来、既存の紙幣を使わなくてもいい未来が待っているかもしれません。
 
今回は、そんな盛り上がりを見せているデジタル通貨市場においての、
「Diem(ディエム)」という存在について取り上げていきたいと思います。
 

暗号資産とは?分かりやすく解説。こちらをチェック。

https://research-online.jp/online/asset/2319/
 

ロボットアドバイザーとは?こちらをチェック。

https://research-online.jp/online/asset/1911/
 

「Diem(ディエム)」とは一体なんなのか?

Diemについて

「Diem」とは“Facebook”社が開発してきたデジタル通貨のことです。
近年、中国をはじめとして様々な国で金融に関するイノベーションが起きています。中でも中国のデジタル通貨に対してのイノベーションは目を見張るものがあります。
 
 そのような環境が取り巻く中で、Facebook社がデジタル通貨に対しての「主導権を握るなら今しかない」と考えた上で開発に取り組んだのがDiemでした。

そもそもDiemは違う名称で呼ばれていた?

そもそもDiemは「Libra(リブラ)」と呼ばれていました。
Libraなら聴き馴染みがある方もいらっしゃるかもしれません。2020年の12月1日にLibraからDiemへと名称の変更がされました。

その他のデジタル通貨との違い

Diemはいわゆる“ステーブルコイン”としての役割を持つとされています。
ステーブルコインとは安定した価格を実現する通貨のことです。“円”や“ドル”などの法定通貨に裏付けられることにより、比較的に価格の変動が小さくなっています。
 
ビットコインなどをはじめとするデジタル通貨はあまりにも1日の値動きが大きすぎるため、実際に使用する際に問題があるとされています。
 
 例えば、朝には1ビットコイン(400万円)で売られていたものが、夕方には1ビットコイン(500万円)になっていたりします。
 
これだけの値動きがあると商売する側も、購入する側もお金の勘定が大変になってしまいます。
これを解決するために登場したのがDiemをはじめとするステーブルコインです。

Diemの目的

当初、Diemの前身であるLibraは金融包摂を目的として開発されていました。
 
金融包摂とは世界中で銀行を利用できない低所得者層であるUnbankedに対して、支払い手段を提供し、金融に関するサービスを利用できるようにすることです。
Diemに名称が変更された現在もこの考えは変わっていません。
 

「Diem(ディエム)」の価格が安定する要因

法定通貨による資産価値の裏付け

Diemの前身であるLibraは複数の法定通貨の価格と連動するデジタル通貨として開発されていました。
 
しかし、既存の貨幣経済への影響や金融機関への影響を考えた上で、世界中の規制当局からの反発を買ってしまいました。
 
これらの事情を考慮した上でLibra協会は、複数の法定通貨と連動するものから、単一の法定通貨に裏付けされたステーブルコインとして発行する事を発表しました。

信頼性のある資産による価値の裏付け

その他にもDiemには短期国債など信頼性のある資産によって価値が裏付けされています。
 

「Diem(ディエム)」の問題点

利用者の情報の保護

 キャッシュレス決済が浸透していく中、顧客情報の流出がニュースを聞いていて耳にすることが多々あると思います。
 
キャッシュレス決済を導入することにより便利になる反面、セキュリティが頑丈でないと簡単に顧客の情報が流出してしまいます。
 
これはDiemにおいても同じです。
Diemの開発を進めるFacebookがユーザー情報を流出してしまったことは記憶に新しいかもしれません。
 
このことからDiemでも顧客情報の保護ができるのかと問題視されています。
Diemを利用するにあたり、この問題はまず第一に解決すべき問題です。

金融包摂を進めることによる弊害

規制当局がDiemに対して警戒している要因の一つに、金融包摂が引き起こすマネーロンダリングが挙げられます。
 
全ての人が手軽に金融サービスが利用できるようにはなりますが、その分リスクも伴います。
Diemは低所得者層に対してお金の移動を簡単にする反面、犯罪者も簡単にお金の移動手段としても利用できてしまうのです。
 
もちろん、この対策のために本人確認の徹底を図れば問題ありませんが、金融サービスをそもそも利用していない低所得者層に対して本人確認を徹底することは至難の技です。
 

まとめ

今回の記事ではFacebook社が筆頭に開発しているデジタル通貨“Diem”について
・Diemを浸透させることの目的
・Diemと他のデジタル通貨との違い
・Diemを利用する際の問題点
を中心に記載していきました。
 
Diemを実際に運用するにはまだまだ多くの障壁が残されています。
この記事に記載している問題点もごくごく一部に過ぎません。
 
しかし、Diemを知ることを通して、金融包摂やUnbankedというワードを初めて知ったという方もいらっしゃると思います。
 
Diemが社会に与える影響は計り知れません。
実際にDiemが運用段階に入った際には、既存のインフラに対してどのような影響が起こるか楽しみですね。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Xでフォローしよう

おすすめの記事