公的年金と私的年金の違いってなに?種類と特徴を分かりやすく解説

老後の資金は、公的年金だけで足りるかどうか心配している人もいるでしょう。実は、年金は老後以外にも給付されることがあります。配偶者などの死亡時や、本人がけがや病気により障害状態となった場合です。

 

困ったときに頼りになる制度といえるでしょう。

 

日本の年金は大きく分けて、公的年金と私的年金の2つがあります。私的年金にあたる、企業年金制度のある企業も少なくありません。不安な場合は、個人での私的年金への加入を検討してもよいでしょう。本記事ではそれぞれの種類や特徴についてわかりやすく解説します。ぜひ、参考にしてください。

 

公的年金とは

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公的年金とは、国が運営している年金制度です。

 

年金の給付には大きく分けて3つの種類があります。それぞれみていきましょう。

 

老齢年金

所定の年齢に達した時から支給されます。現在は、原則として65歳開始です。

障害年金

疾病や負傷により、所定の障害状態になった場合に支給されます。

遺族年金

国民年金の加入者が死亡した場合に、一定の条件を満たす遺族に支給されます。

 

そもそも公的年金とは?学校では教えてくれない基礎知識。こちらから。

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公的年金の種類

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年金制度は3階建ての仕組みを持っており、1階・2階部分が公的年金に該当します。それぞれの違いを把握しておきましょう。

国民年金

公的年金の1階部分です。日本に居住する20歳以上60歳未満の人が加入することになっています。保険料は定額で、毎年見直しが行われています。

厚生年金

会社員や公務員など、いわゆる第2号被保険者が対象です。国民年金の上乗せ(2階部分)として、所得比例年金の給付を行います。保険料の半分は事業主が負担します。

 

私的年金とは

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現在、公的年金の支給開始年齢は原則65歳です。60歳で定年退職した場合でも、その後5年間は受給できません。

 

私的年金に加入すると、この空白期間を補うことが可能になります。また、ゆとりのある老後を送りたいと考える場合、私的年金に加入することでより多く受給できる点も魅力の1つといえるでしょう。企業や個人は、さまざまな制度の中から必要に応じて選択できます。

 

年金制度の3階部分が私的年金です。

 

確定給付型・確定拠出型があります。それぞれの違いを把握しておきましょう。

  • 確定給付型:加入期間などに基づきあらかじめ給付額が定められている
  • 確定拠出型:拠出した掛金額と運用収益の合計額を元に給付額を決定する

 

私的年金の種類

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企業年金と個人年金があります。詳しく見ていきましょう。

企業等が実施する年金

企業等が実施する年金には次の3種類があります。勤務先によっては実施していないこともあるため、注意が必要です。勤務先にこれらの年金制度がない場合は、次に紹介する個人年金への加入を検討してもよいでしょう。

厚生年金基金

厚生年金の一部を、会社等が設立した厚生年金基金が代行し、厚生年金に給付を上乗せする制度です。2014年4月以降、厚生年金基金の新規設立ができなくなりました。そのため、他の制度に移行する企業が増加しています。

確定給付企業年金

事業主が従業員と給付内容を取り決める制度です。給付建て年金とも呼ばれています。

企業型確定拠出年金

会社が掛金を拠出し、従業員が自分で運用する制度です。拠出限度額の枠内かつ事業主が拠出した掛金の範囲内であれば加入者も拠出できます。これをマッチング拠出といいます。

 

なお、マッチング拠出を行っている場合はiDeCoに加入できない場合がある点を把握しておきましょう。

個人で任意加入する年金

個人で任意加入できる年金には次の3種類があります。老後の年金を増やしたいと考えている人は、加入を検討してみましょう。

国民年金基金

自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者が、任意で加入できる制度です。次の2つがあります。

  • 地域型:住所地や業種を問わず加入可能
  • 職能型:基金ごとに事業や業務に規定がある

個人型確定拠出年金(iDeCo)

投資信託や定期預金などの金融商品の中から任意のものを選択し、掛金を自分で運用する制度です。運用実績により受取年金額は変わります。国民年金被保険者の種別や企業年金の加入状況により、掛金の上限額が異なります。

 

企業型確定拠出年金を行っている場合はiDeCoに同時加入できないこともあるため、必ず勤務先に確認しましょう。

個人年金保険

民間の保険会社がさまざまな商品を出しています。自分での運用が不要な点や、個人年金保険料控除が受けられるため課税所得金額が少なくなる点がメリットです。

 

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まとめ

年金には公的年金と私的年金があります。公的年金の内、国民年金は強制加入です。また、年金が支給されるのは高齢になったときだけではありません。障害年金や遺族年金があることも把握しておきましょう。

 

公的年金だけでは不足していると感じる場合や、ゆとりある老後生活を送りたいと考えている場合は、私的年金への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

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