多くの人で賑わい、サービスや施設も充実している都会での暮らしに憧れている方もいるでしょう。一方で、物価の高い都会では生活が苦しくなるのではと不安に感じるかもしれません。
ここでは、首都圏の住宅市場の動向を細かく解説します。マンションと一軒家の内容も見ていくため、住宅選びの参考にしてください。
この記事の目次
首都圏住宅市場の動向は?
この記事では、独立行政法人の住宅金融支援機構が行った調査を参考にします。しかし、「住宅市場動向調査」は2020年4月に終了しました(※1)。そのため、フラット35の利用者に関するデータを取り上げましょう。どの程度のお金が必要になるかをチェックしてください。
土地付注文住宅の場合
土地付注文住宅の場合、首都圏で購入する際の所要資金は5,133万円です(※2)。日本全国の金額(4,455万円(※3))と比べても、700万円弱高く設定されています。
ちなみに、土地付注文住宅の住宅面積は首都圏が最も小さいことも特徴的です。購入者の年齢は38.4歳であり(※4)、ほかの地域とほぼ差がありません。
注文・建売住宅の場合
土地はすでに所有しており、注文住宅や建売住宅のみを購入する方もいるでしょう。それぞれの所要資金は以下のとおりです。
(※5)
- 注文住宅…3,899万円
- 建売住宅…4,133万円
注文住宅の融資利用者は、47.2歳と全国的に見ても高水準です(※6)。建売住宅の平均年齢は40.1歳であり、全国平均(40.5歳(※7))よりやや低くなっています。
マンションの場合
首都圏でマンションを購入するときの所要資金は4,913万円です(※8)。こちらも例外ではなく、全国平均(4,528万円(※9))よりも高い金額となっています。
首都圏におけるマンション購入の融資利用者は、平均年齢が42.6歳です(※10)。近畿圏(46.1歳)や東海圏(42.8歳)よりも(※11)、全体的に若い方の購入者が多いといえます。
中古戸建や中古マンションの場合
中古戸建や中古マンションの所要資金もそれぞれまとめてみましょう。
(※12)
- 中古戸建…3,152万円(全国平均は2,614万円)
- 中古マンション…3,295万円(全国平均は3,026万円)
首都圏は、中古戸建が全国平均より500万円以上も高い水準にあることが特徴です(※13。一方で、中古マンションは200万円程度に収まっています(※14)。
マンションと一軒家どちらがお勧め?
マンションと一軒家には、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。これらをしっかりと押さえつつ、後悔のない選択を心がけなければなりません。それぞれの長所を踏まえつつ、おすすめな物件を解説します。
所要資金や隣人関係を重視する場合は一軒家
所要資金を重視したい方は、注文住宅や建売住宅がおすすめです。上述でも金額を示しましたが、首都圏の場合は新築であればマンションと比べて800万円以上安く済むケースもあります。維持費を含めると最終的にかかる金額も変わるため、物件ごとに細かく調べてみてください。
一軒家は、マンションと異なり階下や階上に人が住んでいるわけではありません。近隣との距離も、マンションよりは離れています。そのため、騒音トラブルに巻き込まれるリスクも軽減されるでしょう。
利便性や防犯に強いマンション
生活するうえで、利便性を重視する際にはマンションの購入をおすすめします。たいていのマンションには、共有スペースが設けられているでしょう。物件によっては、コワーキングスペースも整備されています(※15)。部屋以外で何か作業をしたい方には便利です。
加えて、マンションは管理人による監視がなされています。共用スペースを含め、さまざまなセキュリティシステムを備えているところも少なくありません。高層階の部屋を選べば、窓から侵入されるリスクも著しく減るでしょう。
新築と中古だったらどちらがお勧め?
次に新築と中古の物件を比較します。物件を探す際には、単純な購入費用だけではなく維持費にも注目しなければなりません。ここでは、維持費も含めた出費に焦点を当てて解説します。物件選びの参考にしてください。
購入費用を抑えたい方は中古物件
購入時の費用を抑えたい方は中古物件がおすすめです。新築物件の場合、月々のローンも高く設定されます。元々の価格が中古物件よりも高いためです。また、新築物件になると水道負担金も支払います(※16)。こちらは新しく上下水道を開設するときに発生する費用です。
中古物件であれば、水道負担金を支払わなくていいところも少なくありません(※17)。これらの負担も含めると、新築よりかは割安で住まいを手に入れられるでしょう。
維持費を抑えたい方は新築物件
生活にかかる維持費を抑えたい方は、新築物件がおすすめです。中古物件は建築されてから数十年経過しているものもあり、設備が劣化している恐れもあります。想像以上に修繕すべき箇所が多く見つかるかもしれません。
さらに、住宅ローンを借りている方は「住宅借入金特別控除」が受けられます(※18)。こちらは、節税対策にもなる制度のひとつです。控除額は、「借入残高×0.7%」で計算されます(※19)。価格の高い新築物件のほうが、控除額も大きくなりやすいといえるでしょう。
http://research-online.jp/all/property/15807/
http://research-online.jp/all/property/15731/
http://research-online.jp/all/property/15685/
まとめ
今回は、首都圏の住宅市場の動向について説明しました。首都圏は、全体的に所要資金が高くなっています。一方で、全国で比較すると建売住宅やマンションを購入する人は若い点が特徴です。
マンションと一軒家には、それぞれの良さがあります。中古物件とも比べつつ、自分に合った方法を探してみましょう。家選びをしっかりと考えるだけで、今後の生活費も大きく変えられます。不動産の購入を考えている方や興味がある方、リサーチ・オンラインへお問い合わせください。