はじめに
フルローンで家を購入できるなら、気に入る物件が見つかった時、すぐに購入手続きできそうなイメージがありませんか。住宅購入の際に悩みの種になるのが頭金。
できれば将来的な返済を考えて、少しでも頭金を多めに払ったほうが何かと楽でしょう。
しかし場合によっては頭金の準備ができず、フルローンを計画する人もいるかもしれません。
そこで今回は、フルローンで家は購入できるのか、知っておきたい大切なポイントをご解説していきますね。
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フルローンとは何か?
フルローンというのは「Full」という英語で「満タン」という意味があり、フルローンもローンを満タンにした状態、頭金を入れずに全額金融機関から借り入れするローンのことです。
フルローンは、車やバイクなどの乗り物を購入する際にも使われるスタイル。
あらゆる目的でフルローンを組む人がいます。
住宅ローンの場合は、以前は物件価格の7~8割程度まで借り入れ可能とされていましたが、最近はフルローンに対応する金融機関も増えています。
「オーバーローン」というのは、物件価格に諸費用も加えて借り入れする場合のこと。
フルローンよりもオーバーローンのほうが借入金額は多くなる計算です。
頭金を入れずに住宅を購入するということは、家の価格と同じ金額の住宅ローンを組み購入するということ。
まとまった貯金がない人にとっては、頭金の負担がないので、マイホームを手に入れやすくなりますね。
フルローンの返済シミュレーション
フルローンで3000万円の物件を購入した場合、どのような返済額・返済期間になるのかをシミュレーションしてみます。
全期間固定金利のフラット35の場合、返済期間は35年として、金利を1.53%で計算すると、フルローンの返済額は毎月9万2296円。
仮に頭金を物件価格の2割の600万円だけ払った場合は、月額のローン返済額は6万8759円となりますので、差額は毎月2万円以上の計算です。年間にすると24万円の負担差があることになります。
月々2万円の差は、短期間ならなんとかなるかもしれませんが、35年間続くとなるとかなりの負担になることは間違いありません。
住宅購入はとても大きな決断になるため、無理なく返済できるプランを考えることがまず大切ですね。
フルローンのメリットについて
近年フルローンに対応する金融機関が増えているのは、それだけ需要があるからでしょう。
フルローンで家を購入するのは、主に3つのメリットが考えられます。
ひとつは頭金を準備せずにマイホームが購入できるため、現在の資金を減らさずにローンが組めること。
二つ目は、どうしても手に入れたい物件が見つかった時にタイミングよくローンが組めることがフルローンの魅力です。
そして三つ目は控除額へのメリットで、フルローンなら金額が大きくなりローン残高が多いため、住宅ローン控除の額が大きくなる点も注目したいこと。
このようにメリットがあるフルローンは、若くて働き盛りの人などに向いているかもしれません。
フルローンのデメリットについて
何十年もかかる住宅ローン。目先のことだけでなく、将来を踏まえたローンを組むことが大切です。
フルローンは一見メリットが多いように見えますが、デメリットももちろんあります。
まず返済金額が大きくなること。
そして住宅ローンの審査が通りにくくなることも、忘れてはいけないポイントかもしれません。
フルローンで家を買うと決めても、住宅ローンが組めなければ購入できないことに。
とくに勤続年数が長くて頭金が用意できない、年収と借入額のバランスが悪いというケースは、審査が厳しくなるかもしれません。
さらにフルローンで家を購入する場は、金利が高くなる可能性があるので、長い目で考えるとかなりの負担になるでしょう。
頭金を入れた場合と入れない場合で、金利は0.25%ほど変わってしまいます。
フルローンは結果的に諸費用なども含めたオーバーローンになる可能性も高く、その場合、将来家を手放す際に住宅ローンの残債が上回る可能性が高くなるでしょう。
家を売ってもローンの支払いが続くのは、まず避けたいことですね。
無難なローンの組み方は?
フルローンで家を購入することは可能ですが、実際にマイホームを購入した人の中でフルローンにしている人は圧倒的に少ないといわれています。
一般的には頭金は物件価格の8~18%程度用意する傾向にあり、住宅価格によりますが、手持ち金は280万円~700万円ほどあると安心です。
どうしてもフルローンで家を購入したい場合、最低でも諸費用は現金で用意したほうがよいでしょう。
諸費用とは、不動産仲介手数料・火災保険料・不動産取得税登録免許税・印紙税などがあります。
目安としては新築マンションなら購入価格の4%前後、中古一戸建てなら8~10%です。
まとめ
頭金なしのフルローンで家を買いたい場合、少しでも援助があったほうが将来的に楽かもしれません。
身内に相談したり、金融機関で相談したりして、負担をできるだけ減らせる住宅ローンを見つけてください。
最終的に一番安心なのは、頭金を貯金してから住宅購入を考えることだといえるでしょう。