国債とは違う? あまり聞き馴染みがない地方債ってなに?

「国債」は耳にした経験がある方も多いと思いますが、では「地方債」はどうでしょう。なんとなく聞いた覚えがあったとしても、詳しい内容は聞いたことがないのではないでしょうか。

 

実は、債券投資を考えるうえで、国債だけでなく地方債も検討すべき債券です。

 

本記事では、国債と地方債の違いや地方債のメリット・デメリットを解説します。加えて、地方債はどこで買えるのかも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

国債と地方債の違い

そもそも国債(国庫債券)とは、国が発行する債券です。債券とは、投資家から資金を借り入れるために発行される有価証券を指します。

 

投資家が購入した債券には、満期日が決められており、満期日まで利子が支払われます。満期になると元本が返ってきますが、途中換金することも可能です。

 

国債と地方債の違いは、発行体が国か地方自治体かです。地方債は地方自治体が発行する債券で、主に税収が不足したときに資金確保の目的で発行されます。(※1)

 

国債や地方債は、公的な機関が発行している債券のため、企業が発行する債券と区別して公債と呼ばれることもあります。

公債の2つは発行体が異なるだけで、仕組みは一般的な債券と変わりません。

 

投資家側から見れば、国にお金を貸すか、地方自治体にお金を貸すかの違いです。ただし、地方債はどの地方自治体も実施しているわけではなく、令和3年時点は59団体でした。(※2)

 

国債と同様、あくまで税収が足りなくなったときに発行される債券のため、買いたいときにいつでも買えるものではありません。募集がかかったら、対応する金融機関で購入できます。

地方債を購入するメリット/デメリット

地方債に投資する前に、まずはメリットとデメリットを理解しておくことが大切です。債券に限らず、投資にはリスクがつきもの。

 

知識なく始めることは、リスクを大きくするため危険です。ここでは、地方債を購入するメリットとデメリットを紹介します。

地方債を購入するメリット

地方債は、国債よりも利率が高く設定されているのが一般的です。利率が高いほど、償還される金額は大きくなります。

 

また、地方債は地方自治体が発行している公債のため、債券の中でも比較的リスクは低いと考えられています。

 

いきなり地方自治体がなくなることは考えにくく、企業より倒産のリスクが低い分、リスクも低いと考えてよいでしょう。

 

ただし、夕張市の例にあるように、地方自治体が財政破綻する可能性はゼロではありません。

地方債を購入するデメリット

地方債を購入するデメリットは、リスクが低い分リターンも多くないことです。

 

メリットでは利率が高いと説明しましたが、それはあくまで国債と比較してのこと。株式や投資信託、ETFと比較するとリターンは多く見込めません。

 

そのため、アセットアロケーションの配分を考えるときに、リスクの低い投資として地方債を検討するとよいでしょう。メインとなる投資先ではなく、あくまで投資バランスを整えるためのパーツという考えが適しています。

地方債を購入するためには

地方債はいつでも買えるものではないと、冒頭で紹介しました。地方債を購入したい場合、以下の2つのケースがあります。(※2)

  1. すでに発行されている地方債を購入する
  2. 新規で発行される地方債を購入する

すでに発行済みの地方債を購入したい場合は、金融機関に問い合わせる必要があります。なぜなら、地方債を含む債券は無限に発行するものではないためです。

 

債券はいわば、「借金」のようなもの。ローンを組むときに、いくら借りるかを決めるように、債券も必要な金額分しか発行されません。

新しく発行される地方債を購入するには、取り扱いのある金融機関を通じて購入します。売却や償還のときも、証券会社や金融機関で手続きする仕組みです。

地方自治体によって、取り扱いのある金融機関は異なるため、各地方自治体のホームページから確認する必要があります。

http://research-online.jp/all/property/14468/

http://research-online.jp/all/economy/13143/

http://research-online.jp/all/economy/14437/

まとめ

国債は国が、地方債は地方自治体が発行する債券です。いつでも購入できるものではなく、募集がかかったときに金融機関で買えます。

 

地方債は、取り扱いのある金融機関で購入・売却・償還できます。地方自治体によって取り扱い金融機関が異なるため、注意しましょう。

 

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