我々は、普段の生活で出費を義務付けられているものがいくつかあります。テレビを所有している人であれば、毎月NHKの受信料を支払っているはずです。NHKの受信料において、2023年4月から未払い者の割増制度を実施すると閣議で決定されました(※1)。
この制度が導入された背景について細かく説明します。加えて、NHKの受信料に関するルールもあわせて押さえてください。
この記事の目次
割増金を導入する経緯
NHKの受信料の支払いで、割増金が導入された背景について紹介します。我々が普段の生活でNHKの受信料を納めている理由にも直結する理由です。さらに、2倍支払う人に関しても詳しくまとめます。
NHKの受信契約が21.7万件減少
NHKの受信料で割増金が導入された理由は、受信契約が21.7万件減少したためです(※2)。受信契約が少なくなれば、当然ながら収益が少なくなります。現に2021年末と2022年末の業績を見比べると、収益が約61億円分減少しました(※3)。
NHKは、今後もインターネットなどと幅広い情報発信を目指しています。そのため、大都市圏を中心に受信契約を改善するよう取り組む見込みです(※4)。ちなみに、割増金の導入はNHKが2022年12月に総務省へ申請したことで認められました(※5)。
放送法でNHKとの契約が義務づけられている
皆さんのなかには、NHKを一切見ていない方もいるでしょう。しかし、ルール上は原則としてNHKの契約を交わさなければなりません。その理由は、放送法64条があるからです(※6)。
条文には、NHKを受信できるテレビがある場合に受信契約をしなければならないと定められています。放送法が改正されない限り、受信料の支払いは義務となっています。勝手な判断で滞納を続けると、裁判沙汰にもなりかねないため注意が必要です。
割増金の実施は4月から
割増金の実施は、2023年4月からを予定されています。受信料を支払わず、かつNHK側で悪質と判断された方が対象です。通常の料金よりも2倍多く支払わなければなりません(※7)。加えて、不正な手段により支払いを免除された方も該当します。
しかし、NHKも一律に割増金制度を適用するわけではありません。あくまで、個人の事情も考慮しながら導入すると示しています。支払いに関して困ったことがあれば、NHKの相談窓口に問い合わせてみるといいでしょう。
割引や免除制度について
NHKの受信料には、割引や免除制度もあります。一定の条件に該当すれば、受信料の負担が軽減されるかもしれません。ここでは、割引と免除の2つに分けて条件を紹介します。当てはまる内容があったら、NHKにも相談してみましょう。
NHKの受信料割引になる条件
まずは、NHKの受信料が割引になる条件を2つ取り上げます。
- 家族割引
- 団体一括支払い
これらの制度の内容をしっかりとチェックしてください。
家族割引の適用(※8)
NHKの受信料が割引になる制度として、家族割引の適用があります。こちらは、生計を同じくして別居している家族の受信料が半額になる制度です。
例えば、単身赴任で別居している世帯などが挙げられます。別荘にテレビを置いている方も対象です。ただし、6期間(1年間)以上の支払いがない場合には家族割引は適用されません。
団体一括支払(※9)
ケーブルテレビを契約している世帯は、団体一括支払でNHK受信料が割引されます。1年ごとの支払いを選べば、約2,400円も安くなる制度です。申込む際には、ひかりテレビサービスの以下のコースに加入する必要があります。
- エンジョイ
- ドリーム
- 4Kプレミアエンジョイ
- 4Kプレミアドリーム
ケーブルテレビの利用料とともに支払いがなされるため、利便性も向上するでしょう。
NHKの免除制度の条件(※10)
NHKの受信料は、割引のほかに免除制度もあります。免除を受けるには、NHKに申請しなければなりません。該当する項目があるかを確認するといいでしょう。
公的扶助の受給者
NHKの受信料を免除できる条件として、公的扶助の受給者が挙げられます。最もオーソドックスな種類が生活保護です。加えて、ハンセン病の問題解決に向けた療養や援護を受けている方も受信料が免除されます。
非課税かつ障害者手帳を持つ人がいる世帯
市町村民税が非課税で障害者手帳を持つ方がいる世帯も受信料の免除が可能です。障害者手帳の種類には、以下のものがあります。
- 身体障害者手帳
- 精神障害者保健福祉手帳
また、児童相談所や精神保健福祉センターから知的障害者と判定された方がいる世帯も対象です。この場合も市町村民税の非課税が条件となります。
奨学金受給かつ親と別居する学生
親とは別居しており、奨学金受給の対象となる学生もNHK受信料が免除されます。条件を具体的に取り上げましょう。
- 経済的理由により奨学金を受給している
- 授業料免除の適用を受けている
- 親が市町村民税非課税の対象
- 親が公的扶助を受給している
いずれかの条件に当てはまる方は、忘れずに申請してください。
http://research-online.jp/all/economy/14672/
http://research-online.jp/all/asset/13931/
http://research-online.jp/all/asset/15689/
まとめ
今回は、NHK受信料未払いの方への割増金について解説しました。原則として受信料の支払いは義務であるため、理由がないにもかかわらず滞納してはなりません。
NHKへの支払いも、一定の条件で割引や免除が想定されています。これらの仕組みを知ることが、生活費の支出の削減にもつながるでしょう。節約以外の方法で資産を増やしたい方は、リサーチ・オンラインへお問い合わせください。