アメリカが大幅利上げ!日本の私たちの生活への影響は?

皆さんは、日々のニュースでも騒がれているアメリカの利上げをどのように捉えていますか。興味がない人もいるかもしれませんが、実は我々の生活にも大きな影響を及ぼします。

加えて、資産運用している人にとっても世界全体の経済状況は無視できません。今回は、アメリカの大幅利上げの内容と日本へ与える影響について紹介します。

アメリカが利上げの理由は?

今後の為替を読むうえでは、アメリカが利上げした理由を押さえなければなりません。利上げとは、通貨の金利を引き上げる金融政策です。このような政策へ踏み切った理由には、大きく分けて2つの要因があると考えられています。

景気が過熱しすぎたため抑える必要があった

アメリカでは景気が過熱(※1)しており、インフレ率も大きく上昇しました。景気が良くなりすぎている状況は、一見すると社会にとってプラスではないかと考える人もいるかもしれません。

しかし、大幅な経済成長はインフレーションを招いてしまいます(※2)。インフレーションとは、貨幣価値と比べて物価が著しく上昇する現象です。

つまり、景気の過熱はむしろ不況に陥る確率が高まります。経済のバランスを保つため、金利や貨幣量を調整している機関が中央銀行です。アメリカの中央銀行はFRBと呼ばれています。

物価の高騰に備えるため

アメリカでは、景気の過熱にともなって物価が高騰しています。2022年時点での物価上昇率は7.68(※3)です。日本が0.98(※4)であることを踏まえると、非常に大きな数値となっています。こうした原因について細かく解説しましょう。

ウクライナ危機によりサプライチェーンがひっ迫している

物価が高騰する原因のひとつとして、見過ごせないポイントが供給量の低下です。商品の販売を目標とし、原材料の調達や製造する過程はサプライチェーンと呼ばれます。

ウクライナ危機により、エネルギー資源を中心にサプライチェーンのひっ迫を加速させました(※5)。アメリカも例外ではありません。モノが不足すれば、相対的に物価が上がってしまいます。

物価の高騰があまりにも進みすぎると、商品の値段が上がるため国民の生活は苦しくなります。物価と貨幣価値のバランスを保つため、利上げ政策の実施につながりました。

日本への影響は

アメリカの利上げは、日本への影響も決して小さくありません。なぜなら、日本とアメリカは経済的にも密接に結びついているからです。ここでは、主に為替の観点から利上げの影響を解説します。

円安・ドル高の為替レートが広がる

FRBの利上げが日本に与える最たる影響は、円安/ドル高の進行です。日本の中央銀行(日本銀行)では、基本的に金融緩和政策を採用しています。こうした政策に踏み切った要因として挙げられるものがアベノミクス(※6)です。

安倍晋三元首相は、2012年12月に「三本の矢」と呼ばれる抜本的な改革を表明(※7)します。その中のひとつとして、大胆な金融政策が重要な柱となりました。2022年現在も金融緩和を維持している点が、アメリカとの金利差が離れている主な理由です。 

円安によるメリット

円安は日本の経済において良い働きをすることもあります。2022年9月現在では、レートが「1ドル=140円台(※8)」となりました。

日本において140円で売られている商品は、アメリカでは1ドルで購入できます。つまり、日本側は商品を売り渡す輸出に有利となるでしょう。

モノをたくさん輸出できれば、国内に出回る貨幣の量も増加します。このような特徴を踏まえると、円安はGDPの上昇につながると期待されています。

円安によるデメリット

円安は当然ながら恩恵のみ受けられるわけではありません。企業の事業形態によっては、デメリットに働く危険性もはらんでいます。

円安の見方を変えれば、日本の商品をアメリカ側が安く購入できる状態です。反対に、アメリカの商品は全体的に価格が上がります。要するに、輸入を中心とする企業にとってはデメリット面も大きくなる点が特徴です。

アメリカに海外旅行をする人も、多くの日本円をドル替えする必要があります。円安および円高はどちらが優れているというわけではなく、お互いに適度なバランスが必要不可欠です。

株価に影響を与える

アメリカの大幅利上げは、日本の株価にも少なからず影響を与えます。一般的に金利が上がると、たいていの人は株などの金融資産を手放します。利息が高く付くため、通貨を持つメリットが高まるためです。そのため、米国企業の株価は下がると予想されます。

一方で、円安が進む日本では輸出企業の株価が上昇する可能性は極めて高いでしょう。輸出企業は大企業も多く、日経平均株価にも良い影響を与えやすくなります。ただし、米国企業と密接に繋がっている場合は株価が下がる危険性も視野に入れておかなければなりません。

無論、株価の動向にはさまざまな要素が含まれています。そのため、アメリカの利上げはあくまで参考材料のひとつとして捉えましょう。

http://research-online.jp/all/save/4517/
http://research-online.jp/all/asset/4674/

まとめ

今回はアメリカの大幅利上げをテーマに、我々の生活に与える影響を取り上げました。日本の経済の動向は、アメリカを含めた世界各国の政治にも大きく左右されます。分析するうえでは、世界のニュースにも目を向けなければなりません。

今後も、節約のみならず金融資産を使って稼ぎたい人に向けて情報を提供します。資産を増やしたい方は、ぜひリサーチオンラインへお問い合わせください。

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