中国の冬季オリンピックの影響力とは?世界経済にどんなメリットが期待されるか?

はじめに

中国で開催される冬季オリンピック。東京オリンピックに続き、どのような形で開催されるのか多くの人が注目しているはずですが、本来の予定では開始は2月4日でいよいよ開幕も目の前となっています。

そこで今回は、スポーツではなく経済的な視点から中国の冬季オリンピックがどのようなメリットを与えるのか、期待されることを詳しくご説明していきましょう。

オリンピック開催により売れるものと売れないもの!購買意欲への影響は?こちらから。

オリンピックの跡地利用はどうなる?過去の例でわかる経済影響について。詳しくはこちら。

https://research-online.jp/economy/3185/

2022年冬季オリンピックの概要について


延期された東京オリンピックが昨年無事に開催され、2022年の冬季オリンピックは問題なく予定通りに行われるのではないかと思われていた矢先、変異株により再び開催が危ぶまれている状況。

そもそも中国の冬季オリンピックは、2022年2月4日~20日までの17日間、中国の北京市と隣接する河北省張家口市を会場として開催される冬季競技のオリンピックです。

日本でも1998年に長野大会を開催したことは、まだ記憶に新しい人も多いですよね。先日全日本スキー連盟は、中国のオリンピックのスキージャンプの代表内定選手を発表したところ。男子は金メダルが期待される小林選手をはじめ5人が選出されています。

夏のオリンピックでは見られないスピードスケート、スノーボード、カーリングなど、見どころの競技がたくさん。そんな楽しみが詰まった冬季オリンピックは、4年に1度開催されています。

開催地は経済的にメリットがあるか?

オリンピックの開催地を決める際に、各国とも力を入れてアピール合戦していますが、オリンピックはそもそも開催国にとって「儲かる」ことなのでしょうか。

ここ数年は状況が少し違うものの、オリンピックは開催地が賑やかなお祝いムードになることは間違いありません。しかしオリンピックの開催国が必ず利益を得ることはない、という経済学者の意見はとても多く、手放しに喜べないことも。

たとえばスタジアムや会場設置のために競技を開催する都市は巨額な資金を費やします。将来的に役に立たなくなる施設も多く、また警備費用は数十億ドルにもなるとのこと。

逆に開催地ではIOCに好印象を残すため、自由貿易や為替取引の規制緩和などを導入し、政治的に決定することにより国際貿易面で利益がアップするという結果もあるようです。

中国の冬季オリンピックのスポンサーの売上予想

中国で開催されることとなった五輪。オリンピックは大手企業にとってはビジネスチャンスとなる大きな舞台です。今回の中国の冬季オリンピックには、パナソニック・トヨタ・インテル・オメガ・コカ・コーラといった大手企業が名を連ねています。

これらの企業にとって五輪はとても強力なマーケティングの場所。経済分析のリサーチ会社によると、海外の大手スポンサー企業のうち10社は中国での売上高を合わせると年間1100億ドル(約12兆円)になるという試算が出されているようです。

しかし今回の冬季オリンピックがビジネスチャンスとして難しいのは、中国当局による新疆ウイグル自治区の少数民族への扱いを非難する動きがあり、外交的にすでにボイコットする姿勢を示したアメリカをはじめ、スポンサー企業はどちら側にもつけず微妙な存在にあるため。

スポンサーのコカ・コーラは、人権を支持しながらも五輪をサポートするというメッセージを示しているようです。

株価への影響について


中国の冬季オリンピックは、過去に開催されたオリンピックと同様に、株市場にも大きな影響力をもたらします。オミクロン株の拡大により、有観客で開催するかどうか判断が迫られる今、北京冬季オリンピックを無事開催して終了した場合には、中国政府の政策が評価され「困難にも打ち勝つ」というポジティブなイメージを発信できるという見方もあります。

上手くいけば経済効果も期待でき、株価も上昇する可能性はあるでしょう。逆に無観客になると、経済的なマイナス影響はどうしても避けられません。

また冬季オリンピックは、アメリカの中間選挙の年と重なる背景もあり、世界的に株価に敏感になる時期です。中国の急速な技術革新が冬季オリンピックでアピールされ、世界の投資マネーが中国に流れ込むと、世界全体の経済成長も期待できるかもしれません。

過去のオリンピックの経済成長率について

オリンピックの開催国は、経済的な視点からもかなり力を入れていますが、実際にどのような結果になったのか、気になる過去の開催国の経済成長率を見ていきましょう。

プラスに伸びたのは、1976年のモントリオールオリンピックの+3.4ポイント、1964年東京オリンピックは+3.2ポイント。逆にマイナスになったのは、2008年北京オリンピック、2012年ロンドンオリンピックの-0.8という数値が出ています。

まとめ

中国の冬季オリンピックは、政治的な問題やこのような特殊な状況の中で開催されるため、経済的なメリットやデメリットもまだ想定できない部分はあるかもしれません。

世界が平和であり、スポーツを通じて理解し合えること。そんなオリンピックの目的を果たせるか、とても興味深いイベントになりそうです。

 

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