中国人による日本の不動産の爆買いがおこっています。
コロナ過でテナントが廃業し、空き室が埋まらない東京のオフィスや飲食系のビルなどの物件を、中国から購入する人が増えています。購入するのは富裕層だけでなく中間層まで広がっています。
なぜ中国の人々は、日本の不動産を購入したいのでしょうか?
この記事の目次
富裕層だけはなく中間層からも注目される理由
日本の不動産が富裕層だけでなく中間層からも注目されるのは、さまざまな理由から東京が割安なところと所有できる点にあるようです。
中国国内の不動産よりも東京の方が安い
東京の不動産は、ニューヨークやロンドン、パリなど世界の著名な都市の一等地と比較しても安いのが現状です。
また中国国内の北京や上海、深センの不動産よりも東京の方が安いといわれています。これは、中国では不動産バブルの影響があり、地価が跳ね上がっているためでしょう。
中国の不動産事情
中国人にとっての不動産は、自宅以外に投資という側面もあります。自分の住む家を購入したら、次は投資目的で複数の不動産を持つのが常識になっているようです。
生活費に余裕があれば、2軒目の購入を検討するのが彼らにとって普通です。中国の不動産が現在バブルのため、非常に高い価格で転売できるからでしょう。
実際に中国の中間層の資産7割以上が不動産を所有していると、中国のSNSでは言われています。
バブルのため、中国の不動産価格は上昇
中国の経済成長は目覚ましく、2000年代の経済成長率は10%以上、現在も高い水準で成長しています。
中国のGDPは1989年から2019年までの30年間でおよそ30倍まで増えました。日本と同じ期間では、GDPは約1.3倍。中国の成長がすさまじい勢いなのはおわかりいただけると思います。
また中国国家統計局のデータでは、住宅の不動産価格は2000年から2019年までの19年間で5倍近くまで上昇しています。
購入した不動産を転売して利益を得る
価値の上昇した不動産を転売すれば、余裕のある生活ができるため、複数の不動産を購入しようと考える人が多くいるのが中国の現状です。
たとえば3000万円の物件を、2000年ごろにローンを組んで購入したものは現在、約5倍の価値になっているとされています。
このためもう一軒購入してさらに値段が上がったタイミングで転売すれば利益が得られると考えられているため、複数の不動産を持とうとする人が多くいます。
中国の法律で土地は最長70年の借地権しか持てない
中国の人々が、日本の不動産に注目するのには、現在の中国の法律では土地は個人で所有できないのも理由にあげられます。
最長70年の借地権しか認められていないため、中国国内に自分の土地は持てません。しかし日本の不動産は外国人でも所有でき、子どもや孫の代まで引き継ぐことができるため、中国人にとっては特に魅力に感じるようです。
今後の円安における影響
円安の影響で約300万元(約6,000万円)の予算があれば、東京などの都市部のマンションの購入も可能です。上海中心部のマンションと比較すると約3分の1から2分の1の値段になります。
現在中国人向けの不動産購入は好調で、昨年の売上より2.5倍〜3倍に伸びると予想する中国人デベロッパーも存在しています。
円は人民元に対して2年で2割以上下落しているため、日本の不動産はかなりお買い得と見ているようです。また米ドルと連動する香港ドルに対しても、円は2割ほど切り下がっています。
上記のように、円安の影響も重なって日本の不動産は、中国国内よりも魅力ある投資先と見られています。
都市部の今後の動向
自国の不動産よりも安い資金で購入でき、運用利回りも東京の不動産が上回るのであれば、東京の不動産は、中国人にとってかなり魅力的な物件に映るでしょう。
東京の不動産投資は安くて利回りがいい
中国の北京や深センでマンションを購入し賃貸すると、現在の運用利回りは2%前後になるそうです。
東京の港区でマンションを購入し、賃貸した場合、運用利回りは5%以上になり、しかも完全に自分の持ち物にできます。
また香港では、土地が物理的に少ないため、住宅価格は天文学的に跳ね上がっています。実際に香港でマイホームの入手をあきらめる人も多いと聞きます。
移住希望地として検討する人もいる
また英語圏以外の移住希望地として日本を検討する人が増えているようです。
日本特有のきめ細やかなサービスと生活の利便性、さらにお買い得な不動産が手に入るとなれば、移住を検討する人も増えるのもわかるような気がしますね。
まとめ
「中国人富裕層対象、不動産物件を見るための旅行ツアー」という話題がニュースで取り上げられたのをご覧になった人もいると思います。
中国経済の好調や円安の影響もあり、日本の不動産投資に前向きな理由もうなずけます。日本のサービスや生活に、好意を持ってもらえるのはうれしい限りですね。