世の中には、さまざまな投資スタイルがあります。比較的安定しているといわれている
ものが「債券投資」です。この記事では、債券投資の内容と始め方を解説します。資産運用を考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の目次
債券投資とは
債券投資とは、国や会社が発行している債券に資産を投じる方法です。株式投資とは、また違った特徴を持ちます。債券投資の始め方を説明する前に、まずは債券の具体的な内容を解説します。
債券とはお金を借りる際の証書(※1)
債券とは、企業が投資家からお金を借りるための証書のことです。債券には、返済する期間(償還日)が定められています。返済額は額面金額と呼ばれ、発行する価格と必ずしも同額とは限りません。償還日が経過すれば、額面金額とともに利子をもらう仕組みです。
付与される利子は、債券に記載される表面利率(クーポンレート)で金額が決められています。以前は、書面で取引が行われていました。現代では、インターネット上でやり取りするのが基本です(ペーパレス化)(※2)。
下限金利が設定されている
債券は、下限金利(必ず保証される最低金利)が設定されています。社債(企業の債券)は、国債(国の債券)よりも高くなるのが基本です(※3)。国債の下限金利は、一律で0.05%となっています(※4)。ちなみに、一般的な銀行の預金金利は表のとおりです。
銀行 | 普通預金金利 |
みずほ銀行 | 0.001%(※5) |
りそな銀行 | 0.001%(※6) |
楽天銀行 | 0.02%(※7) |
普通預金と比べて、高い利率となっている点が特徴です。銀行にお金を預けるだけでは、あまり多くの利息はもらえません。債券も含め、幅広い金融資産に分散投資することが大切です。
途中で償還することも可能(※8)
債券は、償還日に返すのが基本です。ただし、償還日を迎える前の売却も認められています(中途売却)。中途売却を行えば、債券を保有していた期間にかかる利子を受け取れます。
一方で、債券を売るときに手数料が発生するため注意しましょう。本来、償還日の売却では手数料がかかりません。したがって、中途売却はもらえる金額が比較的少なくなります。元本割れのリスクも念頭に置かなければなりません。
債券投資の始め方
債券投資の始め方は、大きく分けて3つのステップがあります(※9)。
- 証券口座を開設
- 証券口座に入金
- 購入する銘柄を決める
各手順を簡単に説明します。
銀行・証券口座を開設
まずは、債券投資を扱っている銀行や証券会社の口座を開設してください。とくに、時間や場所に左右されずスマホで取引できるネット証券がおすすめです。
ネット証券の口座を開設するには、本人確認書類の提出が求められます。
(※10)
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- パスポートなど
これらの書類をあらかじめ準備してください。
証券口座に入金する
口座を開設したら、債券の購入に必要な金額を入金します。債券も、基本的には投資の一種です。そのため、損失を招く恐れもあります。
債券の購入は、必ず余剰資金で行うと押さえてください。預金も含め、さまざまな方法でお金を管理することが大切です。
購入する銘柄を決める
口座への入金手続きが完了したら、購入する銘柄を決めましょう。購入時には、重要事項(利率や払込期日など)が記載された目論見書を確認します。あとは金額を指定し、注文して手続きの完了です。注文する際には、内容に再度目を通してください。
注意すること
債券は、比較的安定した投資といわれています。しかし、リスクも少なからずあります。メリットだけではなく、注意点も押さえたうえで投資しましょう。
価格の変動で損失を招く(※11)
債券投資で注意してほしいポイントは、価格の変動で損失を招く可能性があることです。一般的に、価格変動リスクと呼ばれています。債券を途中売却する際に起こりうるリスクです。
償還日まで保有していれば、額面の金額が返済されます。したがって、価格変動リスクは基本的に起こりません。余程の原因がない限りは、債券を保有しておいたほうが得策です。
発行主体の経営状況に左右される
経営不振により、債券の発行主体が破綻するケースも考えられます。最悪の場合、元本を返してもらえなくなるかもしれません。このようなリスクは信用リスクと呼ばれています。債券は、発行主体の信用度を格付けで表します。(※12)
格付け | 債券の内容 | 特徴 |
AAA、AA、A、BBB | 投資適格債券
(信用度が高い) |
債券価格が高く、利回りが低い
(ローリスク・ローリターン) |
BB、B、CCC、CC、C、D | 投機的格付債券
(信用度が低い) |
債券価格が安く、利回りが高い
(ハイリスク・ハイリターン) |
格付けは、民間の格付け会社より確認が可能です。しかし、BBB以上だからといって必ずしも安全なわけではありません。さらに、会社によって評価が異なるケースもあります。あくまで、参考材料のひとつとして押さえておきましょう。
http://research-online.jp/all/asset/16068/
http://research-online.jp/all/asset/15920/
http://research-online.jp/all/asset/15850/
まとめ
今回は、初心者向けの債券投資の始め方を解説しました。普通預金よりも金利が高く設定されており、コツコツと稼ぐのに向いている投資スタイルです。銀行や証券会社と多くの機関で始められます。
しかし、リスクもゼロではありません。基本的な価格変動リスクと信用リスクは押さえておきましょう。投資に興味がある方、投資で資産を増やしたい方は、リサーチ・オンラインへお問い合わせください。