コロナで出生率が10万人減?これからの経済はどうなるの?

2020年1月上旬に日本ではじめてコロナウイルスが確認され、世界も同じくまたたく間にコロナウイルスの渦にのまれていった。(※1)

 

この3年にわたるコロナ禍の中で、人々の生活は大きく変わっていきました。これから私たちの経済への影響はどうなっていくのか不安がつのります。

 

今回は2023年2月28日、厚生労働省が発表した「2022年の出生数が外国人を含む速報値で前年比5.1%減の79万9728人」だったということを受け、出生率の低下が経済にどのような影響を及ぼすか検証していきます。(※2)

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コロナで出生率が10万人減

厚生労働省の発表によると出生数の80万人割れは、国の予想より11年も早い数字です。

 

出生率の低下はコロナ禍の前からいわれていたことではありましたが、2022年の出生率は2019年に比べると10万人も減っているのです。(※3)

 

緊急事態宣言が発令され、リモートワークの影響で夫婦の時間が増え、妊娠する人も増えるのではないかと期待されていましたが、実際には出生率が上がることはありませんでした。

 

原因として考えられるのは「女性が子どもを産むことに不安を抱えている」ということに尽きるでしょう。

 

子どもを産むことへの不安材料

コロナ禍の中、なぜ女性が子どもを産むことに消極的になるのか、不安材料を上げてみました。(※4)

 

・妊娠すると薬が飲めない

・コロナが胎児にどんな影響があるかわからない

・きちんとした治療法が判明していない

・立会い出産ができない

・病院がコロナ対応で忙しく、産科にリソースが足りない

・経済的な不安

出産は、新たな命をつむぐ命懸けの体験です。以前は、母子ともに安全な環境で出産に臨むことがあたり前だったといっても過言ではありませんでした。

 

昨今のコロナの影響で、職を失った人も多く健康面の不安に加え経済的な不安がのしかかっています。

 

このように、先の見えないコロナの中で新しい家族を迎えるのは、大きな不安があるのは当然です。

 

また、日本全体的に未婚化傾向が強まり、出産適齢期の人口も減少しているのも原因の1つです。(※5)

 

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これからの経済はどうなる?

これからの日本は少子高齢化が益々進み、働き手となる若い世代が少なく65歳以上の高齢者が増えるといった構図が変わることはありません。

 

では、こうした少子高齢化が進み今後、日本の経済はどうなるのか、特に大きな問題点は以下の3つです。(※6)

 

・労働力の低下

・社会保障制度への不安

・経済規模の縮小

 

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

労働力の低下

少子化が加速していき働き手となる若い世代が減少していくと、慢性的な人手不足が起きます。

 

人手不足が常態化していくと、必然的に長時間労働となりワークバランスが崩れていきます。

 

人手不足は、休暇の取得率を下げる上に、離職率の増加に繋がる要因となりかねません。

 

企業側としては従業員の育成をしたいところですが、能力開発を促しスキルアップをはかっても継続的な人材が確保できなければ、企業の品質低下を招き安定は保たれません。

 

労働力の低下を解消する方法は以下のようなものが挙げられます。

 

・ITツールの導入をはかり業務を自動化する

 

・業務の外注化をする

 

・社員のマルチスキル化を目指す

 

このように、少ない人材で品質を落とさず仕事をしていく工夫が必要です。

 

社会保障制度への不安

出生率の低下による少子高齢化は、年金や医療への社会保障制度への影響を大きく受けます。

 

1961年に全国民が加入する「国民皆年金」、「国民皆保険」の制度が開始されましたが、今後もこの理念を守っていくには、社会保障を支えている現役世代の活力を維持していく対策が必要です。

 

国はこれまでにも年金制度や医療制度、介護制度などの見直しや改正を行って来ましたが、根本的な解決法は出生率の増加をはかることです。

 

年代別で見る「65歳以上の高齢者1人を支える現役世代の割合人数」の推移を確認してみましょう。(※7)

年代 65歳以上の高齢者1人を支える現役世代の割合人数
1950年時点 10人
2015年時点 2.1人
2050年見込み 1.2人見込み

 

後30年弱で国民1人が約1人の高齢者を支える構図が予想されます。

いかに出生率の低下が経済に及ぼす影響が大きいかということです。

経済規模の縮小

今後人口の減少により内需が低下し、企業の生産性も少なくなっていくと予想されます。

 

企業は今までのような国内事業への資金や設備投資も控えるようになり国全体の需要と供給のバランスが崩れていき「マイナスの相乗効果」を発揮することとなります。

 

一旦、経済規模の縮小がはじまると更に縮小を招く「負のスパイラル」に陥るおそれがあり国民一人一人の生活の豊かさを脅かす可能性があるのです。

 

経済規模の縮小を招かない対策としては次の3つが特に重要です。

 

・労働力の投入

 

・資本の蓄積

 

・生産性の上昇

 

安定した経済を実現するためにも、現役世代の人口増加が今後の大きな課題となります。

まとめ

コロナ禍で人々が積極的に活動をしなくなり、男女の出会いの場も制限されてきました。

 

失業率の増加も相まって、経済的な不安と出生率の低下で今後の国民の生活に不安は増すばかりです。

 

今回見てきたように、出生率の低下が今後の経済に与える影響を理解し、少しでも子育てをしやすい社会を目指していきたいものです。

 

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