あなたは円安という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「なんとなく聞いたことはあるけど、よく分からない」というあなたであれば今回の記事はオススメです。実は円安はあなたの生活に、とても関連があるんです。円安とは、どのようなものなのか?それによって世の中はどのような影響を受けるのか、見ていきましょう。
円安の背景
まず、円安について説明していきます。円安とは他通貨と比べて日本円の価値が安くなっている状態のことを指します。
逆の意味で円高という言葉がありますが、こちらは他通貨に比べて日本円の価値が高くなっている状態のことです。例えば為替相場が、1ドル100円だったとします。それが円高になりますと1ドル90円になります。
少ない日本円で1ドルが購入出来るわけですね。今回の円安という状態であれば1ドル買うのに100円以上のお金が必要になります。これだけ聞くと円の価値が上がっている円高の方が良いように感じるかと思いますが、それぞれメリット・デメリットがありますので、のちほど解説致します。
そして最近の円安の背景ですが、日米の金融政策の違いが挙げられます。どういう違いかと言いますと、アメリカではコロナ禍で落ち込んでいた経済が活気を取り戻しつつあり、その一方で人手不足が深刻化し供給制約(需要に対して供給が一時的に追いつかない事)が起きているからです。これにより物価が上昇しています。
いわゆるドル高の状態です。そうなると逆に、日本は円安になっていきます。日本としては賃金が上昇するような安定的な物価上昇は見込めず、投資家たちは円を売って価値の高いドルを買うので、アメリカに資産が流れていくという状況になっています。
もうしばらくこの状況は続くと思われますが、アメリカの供給制約が解除されれば、この流れは多少落ち着くとも言われています。
円安が進むとどうなるか
ここからは円安が進んでいくとどうなるか詳しく解説していきます。まずは円安のメリット・デメリットについてご説明しましょう。メリットとデメリットはそれぞれ3つあります。
メリットの1つ目は、投資をしている場合に海外資産の価値が上がります。2つ目は、海外で日本の製品が売れやすくなっていき、輸出産業の業績が伸びます。最後3つ目は輸入産業の業績が伸びやすいことが挙げられます。一般の方よりは、企業向けのメリットが多いのが特長です。
続いてデメリットについてです。1つ目は、円の価値が下がっているので、商品を輸入する際に輸入に頼っているエネルギー資源とそれに関連する商品が値上がりしてきます。2つ目は、日本株が安くなります。3つ目は、輸出企業が海外で稼いだ外貨をより多く円に転換できる点こちらは個人、企業ともに影響があります。
為替
円安の説明で必ず出てくるのが為替という言葉です。円安・円高の判断はこの為替で「いくらの日本円でどのくらいのドル(外貨)が買えるか」というところで判断します。つまり為替とは、日本円を外国の通貨に変える際の交換比率の事です。その交換比率とは、需要と供給の関係で決まります。
この関係に変化があれば、為替相場も変動するということです。皆さんもご存じの通り、世界には様々な通貨があります。海外旅行に行った先で物を買うには、日本円をその地域の通貨に換える必要があります。その時に参考にすると良いでしょう。
そして経済動向を表す指標としても使われるように、円と外貨との交換比率は日々変化して行っています。
円相場の傾向とインフレの懸念
円安が起こると、それに付随して起きるのがインフレーションです。インフレーション(通称:インフレ)は物やサービスの全体的な値段が継続的に上がっていくことを指します。インフレになると普段お買い物をする際に、いつもよりもたくさんお金が必要になります。
先述した「円安」の影響に似ていますね。どちらも「日本円の価値が下がっている」という共通点があります。このインフレという現象は、円安が原因となって発生する場合があります。
円安状態になると、海外では日本の製品がよく売れるようになり、企業の業績が上がります。すると景気が良くなり、お給料も上がり、日本国内でも物がたくさん売れてインフレを引き起こし易くなるという流れです。
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生活や資産への影響
円安になると日本円の価値が下がるため、輸入に頼っている商品が値上げになります。最近では、あの吉野家の牛丼まで値上げを発表しました。今年の4月以降も、トイレットペーパーなども値上げになる模様です。こういったところで、円安の影響が出ています。
そして現在の日本では、賃金の上昇が停滞しているので生活用品の値上げは切実な問題となっています。海外の株式等に投資をされている方であれば、米ドル資産をはじめとした海外資産の価値が上がります。
ここで注意しなければならないのは、売買のタイミングになります。米ドルを円で買ったあとでドル安・円高になれば損失が出てしまい、その逆なら利益が出ます。
一方で、インフレはお金の価値が下がっている状態ですので、借金等の場合でも価値が下がることになります。また、株や不動産といった「モノ」は多くのお金と交換できるわけですから、インフレ時に売りに出せば利益が出やすいと言えるでしょう。
インフレの対策として、お金をすべてお金のまま持つのではなく、一部をインフレに影響されにくい株・不動産への投資に回しておくのは一手です。
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まとめ
円安が進むと我々の普段使っている商品が値上げになるリスクが多く、デメリットが目立ちます。企業にメリットがある場合もありますが、あなたが普段生活するうえではメリットは実感しにくいでしょう。
円安と同時にインフレになっている場合もあります。インフレになると物価が上がり、家計は苦しくなるかもしれませんが、株・不動産などを売りに出すには好機です。普段から円安やそれに伴うインフレに備え、インフレに強い株や不動産などへの投資を行っておくように意識するといいでしょう。