東芝が日本産業パートナーズに買収される!?日本産業パートナーズってどんな会社?

2023年3月23日、東芝は国内投資ファンドの日本産業パートナーズ陣営の買収提案を受け入れ、非上場化による経営再建を目指すことを決めました。東芝は2022年から非上場による経営再建を目指していましたが、交渉が難航していました。越年交渉もあり得るといわれたなかで、ようやく決着がついたようです。

 

しかし、電化製品の販売などで知名度の高い東芝が、聞き馴染みのない日本産業パートナーズに買収されると聞いて驚いた方も多いのではないでしょうか。今回は、東芝の買収が決まった日本産業パートナーズについて、会社概要や歴史、展望を紹介します。東芝の今後が気になる方や、買収先の日本産業パートナーズのことが知りたい方は。ぜひ最後までお読みください。

 

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日本産業パートナーズってどんな会社?

日本産業パートナーズの基本情報は以下のとおりです。

 

会社名 日本産業パートナーズ株式会社

(英名:Japan Industrial Partners, Inc.)

本社所在地 東京都千代田区丸の内2-1-1 明治安田生命ビル15F
事業内容 事業再編目的のファンドの管理運営業務及びその関連業務
ビジョン ・日本産業の潜在力に着目する

・在来の事業基盤を活かしつつ事業の活性化と成長を支援

・日本型事業投資基金を目指す

・事業再編・事業構造転換のための投資を行う

・新たな事業金融と投資の機会を追求する

・事業戦略を重視し、長期的に事業経営を多面的に支援する

 

日本産業パートナーズは、日本企業に投資をして事業の活性化や成長を支援する投資ファンドです。今後成長が見込まれる国内企業の事業部門や子会社へ投資したり、経営再建を目指す企業やビジネスモデルの転換を目指す企業などに投資したりするのが主要な事業内容となっています。5つのビジョンをもとに、投資で企業を多角的に支援します。

 

強みはノウハウを活かした経営基盤の安定化です。経験・ノウハウ・専門家集団のネットワークを活用して、経営基盤の構築・強化サポートを行います。事業の再編や事業の切り出し、事業再建などさまざまなシチュエーションに対応できるため、企業の転換期を多面的にサポートできます。

 

また、事業活性化のための日本型投資基金を目指しているのも特徴です。以下の4点を重視し、事業・産業が有する潜在的な力を十分に引き出せるよう支援し続けています。

 

  1. 潜在成長力のある事業に投資
  2. 役職員にとって働きがいのある職場をつくり、事業を活性化
  3. 資金、財務・事業戦略、戦略遂行のための基盤の提供、構築支援
  4. 日本産業の実情に即した効果的投資の実践

 

事業の活性化や転換を考える際に、常に頼れる基金のような存在として日々実績を積み重ねているのです。

 

日本産業パートナーズは投資実績も豊富です。大企業の子会社などへ投資し、事業の切り出しやM&Aを次々と成功させています。代表的な投資実績は以下のとおりです。

 

  • OMデジタルソリューションズ株式会社
  • VAIO株式会社
  • NECビッグローブ株式会社
  • ヤマハリビングテック株式会社
  • 株式会社すかいらーく
  • キューサイ株式会社

 

多くの企業や子会社の経営安定・経営基盤の構築などを行っています。現在は7つの企業へ投資をしており、今回新たに東芝が投資先として加わります。(※1)(※2)(※3)(※4)

 

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日本産業パートナーズの歴史

日本産業パートナーズはみずほ証券・ベイン&カンパニーなどによって設立されました。現在は企業グループに属さず、株式の過半数以上を役職員による持株会で保有しています。1号ファンド83億円、2号ファンド300億円、3号ファンド700億円と順調に規模を拡大し、現在は1,000億円以上の資金規模を誇る5号ファンドを運用中です。現在までに設立しているファンドは次の5つです。

 

  • 日本産業第一号投資事業有限責任組合(2002 年12 月10 日設立)
  • 日本産業第二号投資事業有限責任組合(2005 年 2 月28 日設立)
  • 日本産業第三号投資事業有限責任組合(2008 年 7 月31 日設立)
  • 日本産業第四号投資事業有限責任組合(2013 年 3 月29 日設立)
  • 日本産業第五号投資事業有限責任組合(2018 年 3 月30 日設立)

 

2002年に1号ファンドを設立して以降、3年から5年のスパンで次々とファンドを立ち上げています。大規模ファンドを次々と立ち上げられるほど急速な成長を見せ、現在では国内トップクラスの投資ファンドとして名を馳せています。(※5)

 

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今後の展望

今後は、東芝の買収に向けた動きが急加速するでしょう。

 

今回は東芝の株式をTOB(株式公開買付け)して一定数以上の株式保有を図り、会社を買収します。その後、東芝を日本産業パートナーズの子会社にすることで、上場を廃止し再建するとされています。

 

東芝は2017年に経営悪化で債務超過に陥りました。その際は上場廃止を回避する選択をし、海外ファンドから6,000億円の増資を受けました。しかし、この際に誕生した「物言う株主」の影響により、経営はさらに苦しくなってしまいます。

 

そこで、別会社の子会社となり非上場化を図りました。このようにすれば物言う株主の影響がなくなり、比較的制限の厳しくない状況で経営体制を整えられます。

 

一方で、東芝は株主にTOBへの積極的な応募を推奨していません。そのため、株式の買付け数が想定より伸びない可能性もあるでしょう。TOBが成立しなければ上場廃止は難しいため、株主がTOBの条件を受け入れるかどうかが今後の注目のポイントです。(※6)

http://research-online.jp/all/economy/16072/

http://research-online.jp/all/economy/16003/

http://research-online.jp/all/economy/15924/

まとめ

東芝を買収する日本産業パートナーズの会社概要や歴史、展望について紹介しました。今後の東芝はTOBの成立可否によって、大きく経営の方向性が変わるでしょう。国内有数の電機メーカーとしても有名な会社のため、健全な経営がされるよう復活を願いたいものです。

 

TOBは株式の時価よりも高額な値段での買取となるため、利益が出やすい投資法です。リサーチオンラインでは投資や資産運用に関する相談を受け付けています。ぜひお気軽にご相談ください。

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