2019年12月に最初のコロナ感染者が公表されてから、2年以上が過ぎました。日本国内の観光客および外国人観光客がなくなった影響で、各地のホテルや旅館、屋外レジャー施設の倒産や廃業が続いています。
今年2年ぶりに訪日外国人の入国者数が10万人を越え、少しずつウィズコロナ・ポストコロナに向けた動きが始まっています。
コロナ過後の海外へ向けた観光業は、どのようになっていくのでしょうか?外国人観光客の受け入れ再開時期や日本へ与える経済的影響について紹介します。
この記事の目次
いつから本格的に外国人を受け入れるの?
2022年の4月訪日外国人は139,500人(日本政府観光局の発表)でした(※1)。10万人を超えるのは約2年ぶりの出来事です。少しずつコロナ過からの脱却を計ろうと日本でも動き始めていますね。
政府では、各国の感染状況や社会状況を踏まえたうえで、今後もコロナに対する水際対策を段階的に見直ししていく方針を打ち出しています。
日本の景気回復には、外国人観光客の消費行動が大きなカギを握っているといわれています。
新型コロナウイルスの世界的な感染流行により、人の移動が制限されてから2年以上過ぎました。訪日外国人数はマイナス9割減となり、とくに観光産業の被害は大きく、多くのホテルや旅館が倒産しています。
外国人観光客の受け入れの予定は6月頃?
外国人観光客の受け入れについては、6月をめどに検討が始まりました。日本政府では、5月の大型連休明けの2週間ほどで新型コロナウイルスの感染状況を見極めて判断したいとしています。
まずは旅行会社で管理しやすい団体旅行から始める予定です。
しかし大勢の外国人観光客が来日すると、空港の検疫がひっ迫することが予想されます。陰性証明やワクチン接種証明の提示で(検査免除)する方法も検討されています。
現在は観光目的以外の外国人の新規入国のみ
現在日本に入国を認められているのは、「特段の事情」ある場合のみです。
入国には、入国者健康管理システム(ERFS)によるオンライン事前申請が必要です。入国が認められているのは以下の条件に当てはまる人となっています。
- 商用・就労目的の短期間の滞在
- 長期間の滞在
また5月20日より、入国者数を1万人から2万人まで引き上げ、感染リスクの少ない国や地域の検査は免除になりました。
検疫所の宿泊施設で待機が必要なのは現在6カ国
また以下の6カ国は、入国時検査および検疫所の宿泊施設で3日間待機などの措置が必要となっています。(※2)
- エジプト
- パキスタン
- ブルガリア
- 南アフリカ共和国
- ラオス
- ロシア全土
待機条件は以下のようになっています。
ワクチン3回目 | 検疫所の宿泊施設 | ※待機後の検査が陰性の場合のみ |
未接種 | 3日待機 | 自宅待機不要 |
接種済 | ー | 自宅待機(7日間)もしくは入国後3日目以降の検査(自主的検査)を厚生労働省に提出後、待機不要 |
外国人観光客による経済的影響はどれくらい?
コロナ以前の2019年の訪日外国人数は3,188万人、年間消費額は4兆8千億円(※3)でした。これはユニクロの2022年の3か月分の売り上げ収益、1兆2,189億円(※4)の約4倍に相当します。
2020年以降は観光客が途絶えたことにより、年間旅行消費はマイナス9割となっています。
外国人観光客を受け入れた場合の総合的な経済効果は、9兆5千億円
外国人観光客が入ることで、ホテルやレストランへ仕入れる食材元の農家や漁業にも需要が増えます。移動のための交通機関や娯楽施設なども含めると影響は更に大きくなることが期待されます。
上記のような需要を含めると総合的にみた経済効果は、9兆5千億円(※3)近くです。ちなみに今年度の東京都の一般会計予算案は7兆8,010億円(※5)、それよりも1兆3千億円も多いことになりますね。
外国人観光客の受け入れは団体客から
日本政府では、外国人観光客の受け入れは、まず団体客からとしているため、すぐに以前の水準に戻るのは難しいかもしれません。
しかし、20年ぶりと言われる円安の影響は、ドルだけでなく人民元に対しても大幅な円安となっています。2019年の年間平均米ドルは110円程度、現在は130円で推移しているため、2019年当時よりも約2割ほど多めに買い物できる計算になります。
外国人観光客にとっては円安の影響で買い物しやすく
外国人観光客の日本国内での買い物は、2019年頃よりも安く済ませることが可能です。以前よりも安く商品が買えるとなれば、財布のひもが緩むのは日本人だけではないでしょう。
円安の間にできるだけ早い段階で、個人の海外旅行者への受け入れも開始すれば経済的影響はもっと大きくなりますね。
まとめ
2年ぶりに訪日外国人の入国者数が10万人を越え、いよいよ外国人観光客の受け入れの検討が始まりました。政府の受け入れのめどは6月頃とされ、最初は団体旅行から、段階を踏んで受け入れを開始することを検討しています。
また、外国人観光客を受け入れた場合の総合的に見た経済的な影響力は9兆円を超えます。すぐに元の水準に戻るのはむずかしいと考えられますが、日本の経済にいい影響を与えてくれるのを期待したいですね。