コンビニ各社の売り上げが前年割れでも、セブンイレブンが独り勝ちなわけ

出典:QUO

はじめに

みなさんひいきにしているコンビニはありますか?
今回は大手コンビニエンスストア、とくにセブンイレブンについての記事になっています。
2020年の売り上げ下落からどのようにして業績を回復してきたかについて紹介していきます。
 

コンビニチェーンのドミナント戦略とは?問題点もご紹介!こちらをチェック。

http://research-online.jp/economy/1808/
 

コンビニ各社の売り上げ、セブンイレブンが独走する理由とは?こちらをチェック。

http://research-online.jp/economy/1697/
 

2020年のコンビニ各社の売り上げは減少傾向


昨年3月のコロナショック及び緊急事態宣言による行動自粛以降、セブンイレブン・ファミリーマート・ローソンの大手3社をはじめ、コンビニ各社の売り上げは減少しています。
 
売上減少の傾向が強かった店舗は、オフィス街型・観光地型・繁華街型となっており、その理由は想像に難しくないでしょう。
 

売り上げの減少率はセブンイレブンが最も小さい

業績の減少率はファミリーマート・ローソンが5%付近を推移していたのに対して、セブンイレブンは2%台を維持してきました。
 
その違いは店舗の立地が大きな原因となったようです。
具体的にはファミリーマート・ローソンは先ほどあげたオフィス街型・観光地型・繁華街型の店舗への依存度が高かったことが業績の悪化に大きく影響しました。
 
主要駅前のオフィス街や狭いエリアの中に同じコンビニが密集しているのを見かけることがあります。このような囲い込み戦略が昨今の自粛状況下でマイナスに作用してしまったことが大きな売上減少率につながった原因です。
 
その点、セブンイレブンは上記の店舗に大きく依存することはなく、出店戦略がファミリーマート・ローソンとは異なっていました。
 

新規出店は各社とも減速、既存店に注力か!?

2010年代後半はコンビニ各社とも新規出店に力を注いでいました。
新規出店の狙いはもちろん売り上げの増加を狙ってのことでしたが、ここ1~2年でその方針の転換期が来ていたようです。
 
奇しくも感染症の拡大とタイミングが重なったこともあり、今後も新規出店のペースは回復せず、既存店の業績改善に注力していくことになるでしょう。
 

最も回復が早かったのはセブンイレブン

コンビニ各社の中で業績回復が最も早く、回復率が大きかったのがセブンイレブンです。
前年度の業績を上回るほどには至っていませんが、販売単価の増加率が他社よりも高くなっているなど、戦略の効果が数字に表れています。
 

セブンイレブンの業績が早期に回復した理由

オフィス街型・観光地型・繁華街型の店舗で減少してしまった売り上げを補う形となったものが家庭向けの販売戦略です。
緊急事態宣言下の自粛期間では、いわゆる「巣ごもり需要」が増加しました。
セブンイレブンは消費者の購買行動の変化に柔軟に対応したと言えるでしょう。
 
セブンイレブンの競合はファミリーマート・ローソンではなく、スーパーマーケットなのではないかと思えるような販売戦略を採用し、成果を上げています。
これには、同じ7&i(セブンアンドアイ)ホールディングスでスーパーマーケット部のノウハウが活かされました。

セブンイレブンが採用した販売戦略

セブンイレブンが採用した販売戦略は巣ごもり需要の増加に焦点を当てた販売戦略と、客単価アップです。
従来のコンビニの主な顧客ターゲットは、会社員の昼食など、比較的販売単価の低い顧客でした。顧客ターゲットを変えることで客単価アップを実現しました。
 

セブンイレブンの具体的な販売戦略


出典:soudasaitama
ここでは巣ごもり需要の取り込みと客単価アップというセブンイレブンが採用した販売戦略の具体例を2つ紹介します。

セブンイレブンの具体的な販売戦略 パート1

ターゲットとなる顧客を食材を買い出しに来る主婦層とし、家庭の夕食の買い出しがセブンイレブンだけで済むような品揃えやレイアウトを採用しました。
プライベートブランドの商品を充実させ、本格的な惣菜を低価格で提供することに成功しています。
 
スーパーマーケットが採用してきた戦略をコンビニ型にアレンジして取り入れたことで、セブンイレブンはスーパーマーケットのライバル店にもなりつつあります。
このようにしてセブンイレブンは巣ごもり需要を取り込んでいます。
 

セブンイレブンの具体的な販売戦略 パート2

具体例の2つめは、お酒のラインナップの充実とそれに付随したおつまみや手軽に調理できる一品ものの惣菜の充実です。
この戦略も巣ごもり需要をうまく取り込んだものでしょう。
外でお酒を飲むという消費行動が減りつつあるなか、自宅でお酒を飲むことが増えています。
 
ドリンクショーケース内の商品ラインナップの充実と、その周辺におつまみや一品ものを配置することで「ついで買い」を促しています。
この販売戦略により、客単価アップを実現しています。
 

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございます。
普段、何気なく利用しているコンビニですが、様々な経営戦略が張り巡らされていたのですね。
コンビニと一言で言っても企業や店舗によって戦略もレイアウトも様々です。
次にコンビニに入ったときには違う角度で店内を見ることができるかも知れませんね。

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