経済産業省は2023年の健康経営優良法人を発表しました。大企業・中小企業で健康増進の取り組みを行っている企業を公表し、社員の福利厚生の充実や社会的評価アップにつなげています。
2023年もさまざまな企業が有料法人としてランクインしましたが、今回は昨年に引き続き2年連続で上位ランクの「ホワイト500」にランクインした富士薬品にスポットを当ててみましょう。薬品の製造・販売等を行っている富士薬局。名前を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。しかし、具体的な事業内容や健康増進への取り組み内容については知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、富士薬品の会社概要・歴史・今後の展望などを紹介します。富士薬品の取り組みや事業内容を詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
富士薬品ってどんな会社?
富士薬品の概要は以下のとおりです。
商号 |
株式会社富士薬品 |
創業 | 1930年(昭和5年)2月 |
会社設立 | 1954年(昭和29年)4月 |
代表者 | 代表取締役社長 高柳 昌幸 |
本社 | 〒330-9508 埼玉県さいたま市大宮区桜木町4丁目383番地
TEL : 048-644-3240(代表) |
資本金 | 314,559,500円 |
事業内容 | 配置薬販売事業、ドラッグストア・調剤薬局事業、医療用医薬品販売事業、医薬品研究開発事業、医薬品製造事業 |
富士薬品は、医薬品の製造や販売を行っている会社です。埼玉県に本社を構えています。医薬品の製造・研究開発・ドラッグストアや調剤薬局の運営・医療用医薬品の販売など、薬品に関して幅広い事業を取り扱っているのが特徴です。
現在は全国に285営業所を構えており、ドラッグストアや調剤薬局は1,372店舗を展開しています。全国各地で事業を展開する、医薬品製造業トップクラスの大企業です。(※1)
富士薬品の歴史
富士薬品は、1930年2月に富山県富山市で配置薬販売業として創業しました。配置薬とは、販売者が消費者宅へ薬を届けて、次回来訪時に消費者が使った分の薬代を支払う販売方法です。置き薬とも呼ばれており、古くから存在する販売手法です。
その後、1954年4月に前身となる有限会社高柳薬品商会を設立します。1963年には前橋に営業所を設立。以降は約20年間かけて国内各地に営業所を設置し、全国進出を果たしました。1982年には本社を埼玉へ移転します。当初本社を構えていた富山は工場を増設し、富士薬品の医薬品製造の拠点として現在も稼働しています。
1986年には、現在も生産されている富士胃腸薬の生産を開始しました。これ以降、鎮痛剤・感冒薬・ドリンク剤・軟膏剤などさまざまなタイプの医薬品を製造・販売してきました。1991年には埼玉に医薬品研究開発部門を設置。翌年にはドラッグストア事業・医療用医薬品販売・製造の事業を始め、医薬品に関するあらゆる事業を行うようになりました。
2000年代に入り、東和製薬やらいおんクリエイトなどの企業を相次いで買収します。M&Aで力をつけ、多くの企業への資本参加も行ってきました。一方で、製造業でもさまざまな医薬品を作り出しています。代表的な医薬品は以下のとおりです。
- 高尿酸血症治療剤「トピロリック®錠」
- 高尿酸血症治療剤「ユリス®錠(一般名:ドチヌラド)
国に認定されるまでに至った健康経営については、2019年から力を入れ始めています。2019年4月に「健康経営宣言」を行ってからは、健康経営を経営戦略の一環として位置付けています。主な取り組みは以下のとおりです。
- 年2回の意識調査
- 年1回のストレスチェック
- 毎月の「禁煙デー」
- ウォーキングイベント
- 二次健康診断の勧奨施策 ・保健師・産業医監修の心身の健康セミナー
- 特定保健指導以外の保健指導
- 全事業本部横断の健康推進プロジェクト
- 社外への積極的な情報発信(お取引先様への健康に関する情報提供、セミナー等の実施
従業員の健康づくりに関する取り組みを多く行っており、健康増進に努めています。(※2)(※3)
今後の展望
今後の富士薬品は、以下の2点に期待したいところです。
- 健康増進に関する取り組み
- スローガンに則った経営
健康増進に関する取り組みでは、2023年4月13日に配置薬を契約している企業向けに、無料で健康経営支援を行うサービスを開始しました。感染症対策・花粉症対策など健康に関するさまざまなトピックについて、動画セミナーを配信するものです。以下のような内容で動画を配信する予定となっており、今後の活用が期待されます。
- 喫煙
- 睡眠
- 食事・栄養
- 運動
- アレルギー&花粉症
- 尿酸値
- 女性の健康(PMS、更年期)
- 歯の健康
- メンタルヘルス
- 薬に関する豆知識
また、スローガンに則った経営にも期待が寄せられます。富士薬品のスローガンは「とどけ、元気。つづけ、元気。」です。これは創業当初から行っている配置薬のスタイルに基づき設定されているものです。
医薬品が必要なときに必要な人のもとへ届けられるよう、これまでの調剤・ドラッグストアに加えて、新たな携帯のサービス誕生を期待しましょう。
2030年には創業100年を迎える富士薬品。医薬品業界の大手として、株主をはじめ多くの人からの期待を背負っているといえます。(※4)(※5)
http://research-online.jp/all/economy/16495/
http://research-online.jp/all/economy/16437/
http://research-online.jp/all/economy/16361/
まとめ
富士薬品の会社概要・歴史・今後の展望などを紹介しました。富士薬品は、健康増進の取り組みを経営戦略の柱に据えました。健康・医療と密接な医薬品の製造を営む事業として、健康経営優良法人の認定は大きなイメージアップにつながるでしょう。今後の経営・サービス発表に期待が持てます。
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