エネルギー価格が高騰している中、電気代を節約したいと考えている方もいるでしょう。電気の使用を極力抑える方法が一般的ですが、自ら機材を設置して発電するケースもあります。
ここでは、再生可能エネルギーに使われることの多いソーラー発電を紹介します。節電するうえで、本当にお得かどうかを考察してみましょう。
この記事の目次
ソーラー発電をしている人の割合
ソーラー発電は、各家庭でも設置している人は一定数います。皆さんも、屋根にソーラーパネルが備え付けられている一軒家を見たことがあるでしょう。日本において、設置率がどの水準に達しているかを紹介します。
2021年4月時点の設置率は約9.2%(※1)
PRITIMESの記事によると、2021年4月時点のソーラー発電の設置率は約9.2%に達しているそうです。2006年から調査を続けており、当初からは約6.8%も上昇しています(2006年時点は約2.4%(※2))。また、3年おきに調査する中で右肩上がりに設置率が伸びていることも特徴です。(※3)
- 2012年…4.1%
- 2015年…7.0%
- 2018年…7.4%
日本全国でみると、中部や九州地方で積極的に活用されています(※4)。2022年以降も、エネルギー価格高騰の影響で数値が増えるかもしれません。
約7割は「光熱費の節約」が狙い
ソーラー発電の利用を検討した理由にも、さまざまなものがあります。最も回答が多かった理由は、光熱費の節約(※5)です。ソーラー発電を利用する人の71%を占めています(※6)。他にも、以下のような狙いがあると記録されています。なお、こちらは複数回答が可能なアンケートです。
狙い | 割合 |
電気を売る | 60.5% |
自然エネルギーを使いたい | 44.2% |
環境に良い | 32.5% |
以上から、さまざまな理由でソーラー発電が使われていると読み取れます。
お得な金額
「光熱費の節約」を目的にする利用者が多いものの、実際にどの程度の金額に抑えられているかが気になるでしょう。ここでは、東京電力の費用を例に解説します。
東京電力で負担する費用の例
東京電力の40Aで契約を結んだ場合の基本料金は1,144円(税込)です(※8)。そのほか、電気の使用量によって下記の金額を負担します。
項目 | 費用(1kWhあたり(税込)) |
120kWhまで | 19.88円 |
120kWh超〜300kWhまで | 26.48円 |
300kWh超 | 30.57円 |
再エネ賦課金 | 3.45円(※10) |
ここで、電気を350kWh使ったとしましょう。すると、以下のように計算されます。
項目 | 消費量(500kWh) | 費用(税込) |
120kWhまで | 120kWh | 120kWh×19.88円
=2,385.6円 |
120kWh超〜300kWhまで | 180kWh | 180kWh×26.48円
=4,766.4円 |
300kWh超 | 50kWh | 50kWh×30.57円
=1,528.5円 |
合計 | 350kWh | 8,680.5円 |
加えて、基本料金(1,144円)と再エネ賦課金(350kWh×3.45円=1,270.5円)を合わせた費用が11,032円です。
ソーラー発電を設置した場合
次に、ソーラー発電を設置した場合の費用を紹介します。設備が整っていれば、何割かは自家消費が可能です。ここでは、6割が自家消費と仮定して計算しましょう。使用した電気の消費量は先程と同じく350kWhとします。
7割が自家消費の場合、ソーラー発電で生み出した電力は「350kWh×0.6」で210kWhです。つまり、「140kWh(350kWh-210kWh)」分が東京電力の電気となります。上述の表から費用を計算しましょう。
項目 | 消費量(140kWh) | 費用(税込) |
120kWhまで | 120kWh | 120kWh×19.88円
=2,385.6円 |
120kWh超〜300kWhまで | 20kWh | 20kWh×26.48円
=529.6円 |
300kWh超 | 0kWh | 0円 |
合計 | 350kWh | 2,915.2円 |
加えて、再エネ賦課金は「140kWh×3.45円」で483円です。基本料金(1,144円)を合わせれば、合計で4,542.2円と計算されます。ソーラー発電を設置しなかった費用と比べれば、差は6489.8円(11,032円-4,542.2円)です。
このように自家消費を行うと、ある程度の電気代が抑えられます。しかし、ソーラー発電の設置における初期費用や維持費も考慮しなければなりません。お得になるかどうかは、利用方法によって変わります。
ソーラー発電をするには何をする?
ソーラー発電を利用するための方法は主に2つです。
- 設備の購入
- 設置が住んでいる住居で暮らす
それぞれの方法を紹介しましょう。
ソーラー発電を購入する
まずは、ソーラー発電を購入する方法があります。住宅に備え付けるか、ソーラーパネルを単体で買うかのどちらかが基本です。前者の場合は、84万(3kW)〜140万円(5kW)が相場といわれています(※11)。後者の費用相場は、51.3万(3kW)〜85.5万円(5kW)です(※12)。
電気代が節約できるものの、しばらくは維持費もかかります。電力会社に電気を売って稼ぐスタイルもあるため、費用を計算しながら検討してください。
ソーラー発電のある家に住む
ほかにも、ソーラー発電が備えられている家に住む方法もあります。通常の家を購入または借りるよりも高額になるケースがほとんどです。
ただし、自分でソーラー発電を設置するよりも費用を安く抑えられます。該当する物件を探さなければなりませんが、少しでも節約したいときにおすすめな手段です。
http://research-online.jp/all/economy/15009/
http://research-online.jp/all/economy/14259/
http://research-online.jp/all/save/14131/
まとめ
この記事では、ソーラー発電が本当にお得なのかを解説しました。使い方次第では、電気代を大きく節約できます。ソーラー発電の設置は初期費用や維持費がかかるため、バランスを見ながら検討しましょう。このように発電することで利益を得る方法もあります。ほかにも、貯金以外で資産の増やし方を知りたい方はリサーチ・オンラインへお問い合わせください。