はじめに
デジタル田園都市国家構想とは、岸田総理大臣の目玉政策のひとつですが、地方経済を活性化して日本を動かすという戦略。
人々の生活はビジネスの中心地にどうしても集まりやすい傾向があり、地方にも分散することで、まちづくり、経済の活性化にもつながるというアイデアです。
そこで今回は、デジタル田園都市国家構想とは何か、経済的な面から検証していきましょう。
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デジタル田園都市国家構想について
岸田総理大臣の就任で、日本経済は今後どう変わっていくか国民の期待が高まる中、政策のひとつとしてメディアも取り上げているのが「デジタル田園都市国家構想」と呼ばれるものです。
以前から広報やPRに力を入れている新内閣の成長戦略のひとつ、「地方からデジタル実装を進め新しい変革の波を起こす」ということ。それにより都市と地方の差を縮め、日本経済を活性化しようという戦略です。
主に挙げられる3つのプラン「地方のデジタルインフラの整備」「行政のデジタル化を推進」「データ戦略の推進」を今後重点的に取り組むとのこと。
デジタルは私たちの生活に欠かせないもので、地方経済を活性化する要素をたくさん持っていると考えられます。
2030年の理想像について
デジタル田園都市国家構想とは、自民党が2020年にまとめた政策「デジタル・ニッポン2020」で打ち出されたもので、この戦略を進め2030年には日本は次のように変わっていくと理想像を掲げています。
たとえば仕事の在り方。
在宅勤務が増えている昨今、働き方は新しい時代に突入しているといえるでしょう。
2030年の理想像では、デジタルな仕事はリモートワークとなり、都市の企業の社員は多くが地方に暮らし都市部並みの収入を得るとのこと。
働く場所に縛られない選択は、多くの人が経験していますよね。
それは結果的に都市集中型の日本経済を見直すチャンスになっているともいえるでしょう。
2030年とはかなり先の話ではなく、10年以内にこのような働き方が浸透するのは、なんとなく想定できそうですね。
日本版Auroraサービスについて
デジタル田園都市国家構想とは地方都市の活性化をはじめ、デジタル化をビジネスや人々の暮らしに積極的に推進するもので、そのひとつとして新総理が後押ししている「日本版Aurora」があります。
これはクラウド型のリレーショナルデータベースサービスで、岸田総理は日本版のオーロラサービスを将来作りたいとのこと。
フィンランドですでに展開されているオーロラAIは、人生の節目にあたる結婚や出産、就職などのライフイベント時に国からプッシュ型で情報やサービスを提供するシステムです。
たとえば子供を出産した人には、近所の医療機関や保育園の情報がプッシュ型で送られるということ。
このようなサービスが実現すると、情報提供するデジタル関連ビジネスにもメリットがありますし、紹介される施設やサービスなども利用客の増加は見込めるかもしれません。
5Gの整備について
デジタル田園都市国家構想では、「地方におけるデジタルインフラ整備」も課題になっていますが、実際に私たちに関係があるとすると「5G」の普及は気になるところです。
具体的に国が後押しする整備として、次世代通信規格の5Gの整備を進めることが挙げられています。
NTTドコモ、ソフトバンク、au、そして楽天モバイル、各社とも本格的にエリアの拡大を行い、ドコモは21年度末までに5Gの基地局を2万局に増やし、人口カバー率55%を目指すと発表。
iPhoneの新機種や主要キャリアが販売する新機種も、ほとんどが5G対応です。
このような新しいサービスが増える中、いち早く体験するには3大都市圏の中心部に住むことが必須。
まだまだ5Gは地方をカバーするほどの力はなく、地方との格差を減らすデジタル田園都市国家構想を実現するには高いハードルもあるでしょう。
田園での社会実験
デジタル田園都市国家構想の一環として、すでに開始している田園での社会実験。
秋田県で実施する体験事業は、「リモートワークを田園に本当に移せるか」ということを焦点にしたもの。
体験事業では交通費を5万円、農家民宿で2~3週間の素泊まり宿泊費を秋田県が負担しているとのことですね。
民宿でテレワークをしながら地元の観光協会が紹介してくれる1次産業、農業などに従事するというプランです。
すでに県内を対象にして募集したこところ、興味を示す人はとても多い様子。
この体験事業で地方でのデジタル化が活性化すれば、必然的に地方経済も動き出すでしょう。
農村漁村の人手不足が解消され、深刻化する人口減少も食い止められる可能性も。
秋田県の体験募集は5名限定となっていますが、参加条件としてSNSで体験内容を発信するなど、全て条件を満たす人のみとなっています。
まとめ
デジタル田園都市国家構想とは、当たり前になっているデジタル生活をもっと効率的に拡散しようということ。
そのためには企業や都市部で暮らす人のサポートも必要になりますので、経済的にも国内全体にメリットがあるとよいですよね。