30代は年金をいくらもらえるのか?年間で80万円しかもらえないって本当?

はじめに

あなたは将来年金がいくら貰えるか知っていますか?30代の方できちんと把握しているという方は少ないでしょう。
まだまだ働き盛りですし、キャリアアップや結婚、子育て、マイホームなど、自分の「今」を考えるだけで手一杯かもしれませんね。30年以上先の年金のことを考えるのは難しいと感じている方もおられます。
 
その一方で、将来の年金制度に不安を持つ若者が増えています。「人生100年時代」と叫ばれる日本において、自身が年金受給者になったときにいくら貰えるのか、老後資金として頼ることはできるのか、今から試算して確認しておきたいところでしょう。
この記事では、そんな将来の年金制度に不安を抱く30代の方のために、年金がいくら貰えるのか詳しく紹介していますのでぜひ最後までお読みください。
 

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年金には大きく分けて3種類あります


まずは年金制度について理解しておきましょう。「公的年金」とひとくくりに言っても、実は大きく分けて3種類の年金があります。意外に知らない人が多いので、ここできちんと理解しておきましょう。
 
まず一般的に公的年金として知られているのが、老後に受給年齢に達したときに受け取れるの「老齢年金」です。次に、親・配偶者など家族が死亡したときに受け取れるのが「遺族年金」、もう1つは病気や怪我によって障害が残った場合に受け取れる「障害年金」になります。
 
老齢年金は、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)のさらに分けられており、国民年金は20~60歳まで加入が義務付けられています。
企業に勤める会社員、公務員の場合、厚生年金や共済年金にも加入することになります。他は任意になりますが、確定拠出年金や国民年金基金、付加年金なども利用して年金額を増やす方法もあります。
 

年金の受給開始年齢は原則65歳から

年金の受給が始まるのは、原則として65歳からと定められています。
かつて国民年金は65歳、厚生年金は60歳だったのですが、2013年の受給開始年齢引き上げ以降、段階的に年齢が高くなっています。これは、高齢化社会となり、年金受給年齢が60歳のまま継続してしまうと、保険料を担う現役世代への負担が重くなり過ぎてしまうため、受給者と現役世代のバランスを調節するものです。
 
男性と女性では、厚生年金の受給年齢が生年月日によって若干異なります。受給が開始される年齢が65歳なのは、男性の場合は1961年で、女性の場合は1966年4月2日以降に誕生日を迎えた方になります。
少しややこしいですが、30代の方はあまり関係がありませんので、国民年金も厚生年金もどちらも65歳から受給が始まると覚えておけば大丈夫です。
 

年金は満額でいくらもらえるのか?

年金受給は満額でいくら受け取れるのでしょうか? 国民年金の場合、20歳から40年間、60歳になるまで保険料を欠かさず全額支払った場合、受給開始年齢65歳から満額で78万1700円を受け取ることができます。
年間の金額となりますので、1ヶ月換算にすると月々約6万5000円が上限と考えられます。
 
なお、国民年金は保険料の支払期間によって金額が変化しますので、受給者1人ひとり計算方法が変わってきます。また、保険料の全額免除を申請して認められた場合、その期間の年金額は2009年3月分まで3分の1、それ以降は2分の1となります。
ただし、保険料を支払っていない「未納」期間がある場合、年金額の対象期間から外されてしまいますので注意しましょう。
 

厚生年金と国民年金は約15万円/月

会社員や公務員として勤めている方は、国民年金の受給額だけではなく、厚生年金の分を加算した金額を受け取ることができますので、国民年金よりも金額がグッとアップします。
 
厚生年金の場合、国民年金のように上限金額が一律で定められていないのが特徴です。なお、厚生労働省が公表している2016年(平成28年)度の厚生年金保険・国民年金事業年報によれば、厚生年金と国民年金を合算した平均受給額はひと月当たり15万円となります。
 
もちろん、年金受給額は人によって異なりますので一概に言えませんが、「月に約15万円」というリアルな年金受給額を見て「年金だけでは生活できない」と言うのが正直な感想ではないでしょうか。このような数字をきちんと理解しておくことが備えに繋がるのです。
 

国民年金は5.5万円/月

厚生年金に加入できない場合、国民年金のみの受給となります。主に個人事業主の方、フリーランス、フリーターなどが対象となりますが、前述した年報によれば、この場合の平均受給額はひと月あたり5万5000円となっています。
 
もちろん、支給額は保険料の支払い期間や支給開始年齢の選択によって変動しますが、やはりこの金額で生活するのは相当厳しいことが理解できます。
 
では、年金で生活できないなら生活保護申請をすればよいのでは、という考えが浮かぶ方もおられるでしょう。ですが生活保護を受けるには、不動産や金融資産を処分する必要があります。
 

年金のもらえる額は給与によって変動します

国民年金を計算する方法はシンプルなので、計算式に当てはめれば簡単に求めることができます。「約78万円×保険料の納付月数÷480(月)」この計算式で、国民年金の年額の受給額が算出されます。 
 
なお、480という数字は、加入可能年数の40年×12ヶ月を計算したものです。要するに、国民年金は480ヶ月間全部納付していれば最高額が受給でき、未納期間はその割合によって減額になるというシステムになっています。
 
一方、厚生年金の場合は保険料の納付月数に加え、給与額によっても年金額が変化します。例えば国民年金と厚生年金に38年間加入していた場合、平均年収が350万円で年金合計額は約12.4万円、450万円で約14.2万年、550万円では約15.9万円です。
このように、少し複雑になりますので、シュミレーションを参考にするとよいでしょう。
 

年金だけでは夫婦で20万円〜25万円しかもらえない


厚生労働省が発表している金額によると、夫婦が受け取れる年金の標準的な金額は20万~25万円となっています。受給額は世帯によって異なりますので、ケース別に見てみましょう。
 
例えば、共働き夫婦で平均年収550万円の夫の場合、年金合計額は月15.9万円、平均年収350万円の妻の場合、年金合計額は月12.4万円となり、夫婦合わせて28.3万円です。
では、夫は働いていて妻は専業主婦の場合は、夫の平均年収が550万円として年金合計額は15.9万円と同じですが、妻は平均年収がゼロ円となりますので、国民年金のみとなり6.2万円で夫婦合わせると月22.1万円になります。
 
自営業の場合、夫婦ともに国民年金のみとなりますので、6.2万円ずつで合計額12.4万円となり、夫婦の標準受取額を大きく下回る結果となってしまいます。
 

33歳既婚男性が老後にもらえる年金は月18万円

30代の既婚者・正規雇用の男性についての年金をシミュレーションしてみましょう。33歳、既婚男性、正社員と設定します。1983年(昭和58年)生まれで、20歳から21歳は国民年金に加入していて、22歳の就職を機に59歳になるまでの38年間厚生年金に加入しており、年金の未納期間はありません。
とても計算がややこしくなるため、年収は年齢に関わらず一律500万円とします。
 
この場合、厚生年金の年金額を計算するときに使う「標準報酬」は41万円なので「24等級」に設定します。この標準報酬に掛ける数値「乗率」は生年月日によって変わりますが、この乗率を本来水準として5.481にします。
これらの計算から、65歳から受給できる年金額の目安は、年間で約220万円で、月額に換算すると18万円という金額が導き出されます。
 
国民年金だけなら単純でわかりやすいのですが、厚生年金がプラスされると、色々な数値や等級を用いて判断することになります。
 

もらえる年金の内訳について

33歳・既婚男性・正社員のシミュレーションから算出された年金額の内訳を見てみましょう。まず、老齢基礎年金が年間約78万円なのは先述した通りです。そして老齢厚生年金については年間約102万円と算出されます。
 
既婚男性なので、配偶者の加給年金もプラスする必要があります。加給年金とは、老齢厚生年金受給者に配偶者や子供など扶養家族がいる場合に加算されて支払われる年金のことです。言ってみれば、加給年金制度とは、年金の家族手当のような扱いと考えればわかりやすいでしょう。65歳未満の配偶者として加給年金が年間39万円が追加されるとします。
 
つまり、老齢基礎年金約78万円、老齢厚生年金約102万円、加給年金39万円、すべてを合わせると約220万円になるというわけです。
 

老後に備えて副収入の柱を持ちましょう

このように年金がいくらもらえるのか、具体的な数字をシミュレーションしてみると、年金だけで老後資金をまかなえる世帯は本当に少ないということが理解できます。
 
公的年金だけに頼れる時代は遥か昔のことと割り切って、自分たちの老後資金を貯めるにはどうしたらよいか、30代の今から考えておくことが大切です。
 
貯蓄を増やす方法としては、節約や資金運用、副収入を得るなどがありますが、今の収入だけで貯蓄を増やすことが難しいのであれば、副収入の柱を持つことを検討してみてください。今は副業ブームで探す方法はいくらでもあります。特に在宅ワークは急激に増えていますので、自分の得意とすることを活かして収入に繋げてみてはいかがでしょうか。
 

年金はいくらもらえるのか まとめ

30代の皆さんは、年金がいくらもらえるのか具体的な金額を見てどのように感じましたか?
 
平均受給額は、国民年金のみの場合で月5万5000円、厚生年金と国民年金を合わせても約15万円です。夫婦共働きであっても20~25万円と算出されていますので、この受給額を踏まえて将来に備える必要があります。
 
老後に備えて副収入を得る方法として、今人気の在宅ワークがおすすめです。あるいは、不労所得を目指して投資などの資金運用もよいでしょう。

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