日本株市場動向:2024年3月7日取引概況
2024年3月7日の東京株式市場は、激動の一日となりました。取引開始直後、半導体をはじめとする特定銘柄への買い注文が集中し、日経平均は一時300円以上上昇して、4万400円台を記録、3月4日に設定された取引時間中の歴史的最高値を更新しました。しかし、この日の市場は、外国為替市場での円高進行と、日銀審議委員の発言を受けて、政策転換の懸念が浮上し、自動車をはじめとする輸出関連株が売られる形となり、日経平均は500円以上の大幅な値下がりを経験しました。
株式市場で見る日本経済:主要企業のパフォーマンス
  • 東京エレクトロン:

    半導体製造装置市場における日本を代表する企業であり、グローバル市場での競争力を持つ。この業界は技術革新が急速であり、日本経済にとって重要な成長エンジンの一つです。

  • トヨタ自動車:

    トヨタは世界最大級の自動車メーカーであり、日本の製造業の中核をなす存在。自動車産業は日本の輸出に大きく寄与しており、その動向は経済全体に影響を及ぼす。

  • 三菱重工業:

    航空宇宙からエネルギー、輸送機器まで、幅広い事業を手掛ける総合重工業企業。日本の製造業の技術力を世界に示す象徴的な企業であり、高度な技術開発が求められる産業の代表です。

  • 三菱商事:

    日本を代表する総合商社であり、資源、食品、産業機械など多岐にわたる分野で事業を展開。グローバルな視点から日本経済の「窓口」としての役割を果たしています。

  • 商船三井:

    海運業は国際貿易における基盤産業であり、商船三井はその中でも日本を代表する企業の一つ。エネルギー輸送やコンテナ輸送を通じて、グローバルな物流の要として機能しています。

  • 出来高

    証券取引所での売買数量。例: 買い注文100株と売り注文100株が成立すると、出来高は100株となります。

  • 時価総額

    上場企業の株価と発行済み株式数の積。企業価値の一指標として用いられます。

  • PER(株価収益率)

    1株当たり利益に対する株価の比率。他社比較や株価の割安・割高判断に使用される指標です。

  • PBR(株価純資産倍率)

    1株当たり純資産に対する株価の比率。帳簿上の純資産に対する市場評価の高さを示します。

  • 配当利回り

    年間配当金額を株価で割った比率。インカムゲインを評価する際に参照される指標です。

  • 日経平均株価

    日本経済新聞社が算出する、東京証券取引所プライム市場の225銘柄を基にした株価指数。

  • TOPIX

    東京証券取引所プライム市場の株式を対象に、日本取引所グループが算出する株価指数。

東京エレクトロン(8035)の市場動向:2024年3月7日

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株価の変動

東京エレクトロンの株価は、3月7日に前日比で3.9%の下落を記録しました。この日の取引は、始値39,970円、高値39,980円、安値37,830円で、終値は38,060円でした。週間動向では、特に3月4日の2.4%の上昇が注目され、技術革新への期待などが背景にありますが、週末にかけての下落は利益確定の動きとみられます。

市場データ

  • 出来高:6,648,700株
  • 時価総額:約17.95兆円
  • PER:52.0倍
  • PBR:11.3倍
  • 配当利回り:1.0%

東京エレクトロンの週間動向

東京エレクトロンは、週を通じて安定した上昇を見せました。特に3月4日の2.4%の上昇が目立ちます。この上昇は、業績予想や技術革新への期待など、ポジティブな市場の見方が反映されたものと考えられます。しかし、週末にかけての3.9%の下落は、市場参加者の一部による利益確定売りが影響した可能性があります。

三菱重工業(7011)の市場動向:2024年3月7日

株価の変動

三菱重工業の株価も下落し、0.9%のマイナスを記録。始値12,750円、最高13,050円、最低12,350円で、終値は12,470円でした。週間分析では、週明けに3.1%の大幅な上昇が見られ、特に航空宇宙部門や防衛関連事業の好調が支えとなっています。

市場データ

  • 出来高:6,558,400株
  • 時価総額:約4.21兆円
  • PER:22.1倍
  • PBR:2.2倍
  • 配当利回り:1.3%

三菱重工業の週間動向

三菱重工業は、週明けに3.1%の大幅な上昇を遂げ、その後も2.3%の上昇で堅調な動きを示しました。この上昇は、同社の航空宇宙部門や防衛関連事業の好調が背景にあると推測されます。ただし、週明け直前のわずかな下落は市場の一時的な調整を示唆しています。

 

三菱商事(8058)の市場動向:2024年3月7日

株価の変動

三菱商事の株価は、前日比0.7%減少し、終値は3,263円でした。この日の取引範囲は、始値3,290円、高値3,339円、安値3,251円です。週間では、比較的安定した動きが見られ、3月5日には0.9%の上昇がありました。

市場データ

  • 出来高:14,985,400株
  • 時価総額:約13.64兆円
  • PER:14.5倍
  • PBR:1.5倍
  • 配当利回り:2.2%

三菱商事の週間動向

三菱商事は、週を通じて比較的安定した動きを見せ、特に3月5日には0.9%の上昇がありました。この安定感は、同社の多角的なビジネスモデルとグローバルな事業展開が市場に安心感を与えていることを物語っています。

トヨタ自動車(7203)の市場動向:2024年3月7日

株価の変動

トヨタ自動車の株価は、この日2.9%の下落を見せ、終値は3,660円になりました。始値は3,799円、高値は3,811円、最低値は3,640円です。週間では、特に3月5日と6日に記録した上昇が目立ち、新型車の発表や環境への配慮が好評でした。

市場データ

  • 出来高:44,389,400株

トヨタ自動車の週間動向

トヨタ自動車は、週初めの小幅な下落後、強い回復を見せました。特に、3月5日と6日に記録した1.8%および1.1%の上昇は、新型車の発表や販売戦略への好反応、環境への配慮が評価された結果とみられます。これらのポジティブな動きにより、2.9%の週末の下落にもかかわらず、市場の信頼感は維持されました。

商船三井(9104)の市場動向:2024年3月7日

株価の変動

商船三井の株価は1.4%下落し、終値は4,921円となりました。取引の範囲は、始値5,003円、高値5,006円、安値4,891円です。週間動向を見ると、下降傾向が続き、特に3月4日の下落が顕著でした。

市場データ

  • 出来高:5,940,100株
  • 時価総額:約1.78兆円
  • PER:7.6倍
  • PBR:0.8倍
  • 配当利回り:4.1%

商船三井の週間動向

商船三井は、週を通じて下降傾向にありました。特に、3月4日の1.8%の下落が目立ちます。この下落は、国際的な物流コストの変動や燃料価格の上昇が影響している可能性があります。しかし、これらの動きは、長期的な視点では業界の変動性を反映しているとも言えます。


2024年3月7日の市場の動きは、外国為替市場での円高進行や、日米金融政策の将来に関する発言が影響を与えました。開始直後の上昇にもかかわらず、日経平均は一時、500円以上の値下がりを記録し、最終的には492円7銭の下落で取引を終えました。これは、外国為替市場での円高が進んだ結果、自動車など輸出関連の銘柄が中心に売られたことが主な原因です。

市場関係者の間では、アメリカと日本での金融政策に関する発言が相次ぎ、日米の金利差が縮小することが意識され、外国為替市場で円高が進んだとの声が聞かれます。今後、日銀の金融政策決定会合に対する市場の関心はさらに高まることが予想されます。

この一連の動きは、日経平均やTOPIXの下落だけでなく、東京エレクトロンのような電気機器セクターや三菱重工業といった機械セクター、さらには三菱商事と商船三井のような卸売業や海運業セクターも大きな影響を受けました。これらの変動は、投資家が各産業セクターの将来性や現在の経済状況をどのように捉えているかを示唆しています。週間分析からは、技術革新、環境対策の強化、業界動向、そしてグローバルな経済情勢への対応が市場の反応を形成していることが明らかになりました。


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