東京23区の2022年12月の消費者物価指数が、2021年12月と比較して4.0%上昇したことが明らかになりました。(※1)
消費者物価指数とは、総務省が毎月発表している物価の動きが分かる指標です。消費者物価指数が高まれば物価が高騰したことにより、逆に消費者物価指数が低くなれば物価が下落していることがわかります。
その消費者物価指数が4.0%上昇をしたのは、1982年の4月以来で40年8カ月ぶりの上昇になります。(※2)
本記事を読んでいる方の中には、消費者物価指数の上昇が自分の生活にどれほど影響するのかが気になっている方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回は、消費者物価指数が一番上昇したものや私たちの暮らしへの影響について解説します。昨今の物価上昇に備えて対策をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
何が一番上昇したのか?
2022年12月の物価上昇では、ガス代が36.2%と値上げしています。エネルギーに分類される他の物価を見てみると、電気代が26%、タクシー代は14.4%と大幅に価格が上昇している傾向があります。
また、エネルギーに限らず、食料品も物価が上昇しているので把握しておきましょう。食料品の物価上昇率は、具体的に以下のとおりです。(※3)
- 食用油:32.5%
- 焼き魚:24.6%
- あんパン:18.4%
- 外食のハンバーガー:18.3%
- 炭酸飲料:15.6%
- 輸入品の牛肉:13.1%
- チョコレート:9.2%
- 牛乳:8.6%
たとえば、外食のハンバーガーでいうとマクドナルドの「ハンバーガー」は以前まで150円(税込)で購入できていたのに、2022年1月16日以降では170円(税込)に値上げしています。(※4)
物価が大きく上昇した理由としては、新型コロナの感染減少や円安などが影響していると考えられます。(※5)
一時期は新型コロナウイルスの感染が拡大したことで、世界中の経済活動が停滞していました。しかし、停滞していた経済活動を再開することで世界的にエネルギーの需要が高まっていき、物価上昇につながっています。
それに加えて、円安による輸入コストの増加も物価の上昇につながっているでしょう。日本は、燃料や原材料の多くを輸入に頼っています。そのため、円安になると必然的に輸入コストが増加してしまい、物価の上昇につながってしまうのです。
私たちの暮らしにどのくらい影響があるの?
東京での物価が40年8か月ぶりに上昇したことで、全体的に節約志向になりやすいです。なぜなら、物価が上昇しても賃金が上がらないため、その分負担額が増えてしまうからです。
事実、厚生労働省が調査した賃金構造基本統計調査の結果によると、2001年から2021年までの20年間で日本の企業の賃金が2,000円しか上昇していないことが明らかになっています。(※6)
そのため、家計の負担額を減少させるためにも、余分な外食を控えたり、なるべく安い価格で販売しているお店でモノを購入したりといった節約をすることが大切といえるでしょう。
ただ、これまでの生活で節約をあまり考えてこなかった方にとっては、節約することが困難だと感じる方も多いでしょう。節約が困難だと感じる場合は、以下の3つを考え直してみてください。
- 固定費を見直す
- お金の価値を考える
- 買い物の優先順位を考える
通信費やガス代、サブスクリプションサービスなどの固定費は、大きい支出になりやすいです。そのため、支出の軽減につなげるためにも、通信費をお得なプランに変更したり、不要なサブスクリプションを解約したりして毎月出ていくお金を抑えるようにしましょう。
また、節約をするうえでお金の価値を改めて考えることは大切です。たとえば、外食で1回の会計が5,000円だったとしましょう。
1回の飲食代が5,000円であれば「私の時給換算で考えると、何時間分だろう?」と考えることで、無駄な出費の削減につながります。無駄な出費を削減して節約につなげたい方は、お金の価値を外食や買い物する前に考えるようにしましょう。
さらに、節約をするのなら、買い物の優先準備を常に考えるようにしてください。食費であれば、最初にご飯やパンなどの主食を購入し、最後にお菓子やお酒などの嗜好品を購入しましょう。
このように優先順位を考えて買い物をすれば、無駄な出費の軽減につながります。物価上昇を耐え抜くために節約を考えている方は、ぜひ上記の節約方法を参考にしてください。
http://research-online.jp/all/economy/15368/
http://research-online.jp/all/property/14690/
http://research-online.jp/all/economy/12994/
まとめ
2022年の40年8か月ぶりの物価上昇では、東京都心部で4%も値上がりしています。主にエネルギーや食料品の物価の上昇が目立っているのです。
それに対して銀行預金の利率は0.002〜0.005%ほどであるため、実際の賃金価値は目減りしてしまいます。
そのため、最低限の物価上昇を少しでも上回るように自分で投資をしていく必要があります。
リサーチオンラインでは、投資や資産運用の相談を受け付けています。「投資をしたい」と考えている方は、お気軽にご連絡ください。