食べ物だけじゃない。運賃まで値上げ⁉︎

2022年に突入し、日常生活で食料品やガソリンなどあらゆる商品の値段が上がっています(※1)。コンビニやスーパーで買い物するとき、価格の高騰に驚いた人も少なくないでしょう。

しかし、2022年5月あたりから「運賃」までもが値上げする(※2)とニュースで話題となっています。ここでは、日本経済の状況や値上げの対象となる鉄道会社について解説しましょう。 

値上げの理由

鉄道会社が「値上げ」する理由にはさまざまなものがあります。ちなみに、運賃は「人や物を輸送する際にかかる値段」です。基礎的な価格が上昇するため、全サービスにおいて値上げすると考えましょう。

原油高が高騰している

まずは、直接的な原因として「原油高の高騰」が挙げられます。ウクライナ危機により、日本を含めた世界各国がロシアとの貿易に規制を設けました(※3)。石油ガス類や石炭が以前よりも入手できなくなったため、ガソリンや燃油の価格の上昇に繋がります。

電車を動かしているものは「電気」です。少しずつ原油依存からは脱出しているものの、2021年時点でも火力発電所が「71.7%」と高い割合を示しています(※4)。効率よく電気を生成できなければ、電車の運営もままなりません。鉄道会社が変わらず事業を行うためにも、運賃の値上げが必要だと考えられています。

バリアフリーの向上を目指すため

運賃が値上げする理由は原油の高騰だけではありません。日本を含め、世の中では「バリアフリー」の向上を目指しています。身体が不自由な人でも、安心して電車を利用できるよう設備を整える取り組みのことです。 

バリアフリーを充実させるうえでは、エレベーターや授乳室、多目的トイレなどの設置が欠かせません。しかし、これらを揃えるためには多額の費用が発生します。鉄道会社の負担を考慮すると、利用者による協力も大切かもしれません。

コロナ禍によって各コストの工面が難しくなった

「コロナ禍」も運賃が上昇した要因となっています。自粛要請が重なったことにより、人々の移動が大きく制限されました。当然ながら、電車を利用する人も減少します。各鉄道会社の赤字額は以下のとおりです。 

鉄道会社赤字額
JR東日本2,853億円
JR西日本1,443億円
JR九州222億円

表からもわかるように、鉄道会社はコロナ禍で多額の赤字を抱えています。今後も変わらず我々が電車を利用するには、運賃の値上げも必要不可欠でしょう。

 

対象の鉄道会社

2022年に入ってから運賃を値上げを発表する鉄道会社が次々と現れました。主な例として下記の企業を紹介します。

  • JR東日本
  • 東京メトロ
  • 東急電鉄

どの程度値上がりするかについてしっかりと押さえましょう。

JR東日本

JR東日本は「バリアフリー」の整備を進めるため、運賃を全体的に上げる旨を表明しました。普通運賃の値段が全ての列車で「10円」加算されます。こちらは、新幹線も対象となる予定です。なお、開始時期については全ての会社分を後述でまとめます。

加えて、通勤定期も以下のように月ごとで加算額が変わります。

  • 1ヵ月定期→+280円
  • 3ヵ月定期→+790円
  • 6ヵ月定期→+1,420円

会社勤めかつ電車で通っている人は注意しましょう。 

東京メトロ

東京メトロもエレベーターやガードレールの設置を目指して値上げする予定です。運賃の値上げは消費税増税を除いて28年ぶりだと報道されています。また、新型コロナウイルスによる収益の改善も目的のひとつです。ちなみに、JR東日本と同様に10円分高くなります。

東京メトロにおける通勤定期の引き上げ額もまとめましょう。

  • 1ヵ月定期→+370円
  • 3ヵ月定期→+1,050円または1,060円
  • 6ヵ月定期→+1,990円または2,000円

全体的に大幅な値上げが予定されています。

東急電鉄

東急電鉄は、これまで防犯カメラや踏切にある障害物の検知装置を備えたものの、ほかの鉄道会社と同様に新型コロナウイルスで大打撃を受けました。

改定された内容は下記のとおりです。(こどもの国線は据え置き)

  • 世田谷線以外(初乗り)→1円単位(126円→140円)、10円単位(130円→140円)
  • 世田谷線→1円単位(147円→160円)、10円単位(150円→160円)
  • 通勤定期→世田谷線以外(10,110円→11,510円)、世田谷線(5,390円→6,140円)

困難な経営状況のなかで事業を発展させるため、運賃の値上げが検討されています。

いつから開始?

前述で紹介した鉄道会社による運賃の値上げの開始時期も表にまとめます。

鉄道会社名値上げの開始時期
JR東日本2023年3月予定(※9)
東京メトロ2023年3月予定(※10)
東急電鉄2023年3月予定(※11)

いずれも具体的な日程は決まっていませんが、2023年3月を目安に準備を済ませておくことが重要です。 

まとめ

鉄道会社は、コロナ禍や原油高による赤字の増加と今後の事業の発展に向けて運賃の値上げを予定しています。JRをはじめとして、さまざまな企業が改定を公表しました。

2023年3月まで、今後もさらに内容が変更されるかもしれません。通勤定期を利用している人は事前にチェックして購入時期を検討しましょう。

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