キャッシュレス大国韓国の普及政策と日本の課題

経済/ビジネス

はじめに

世界で最もキャッシュレス決済が普及している国は韓国です。

その普及率は90%を超えています。

 

韓国では自然にキャッシュレス決済が浸透していったのでしょうか。

実は韓国でキャッシュレス決済が広く普及しているのには政府主導の思い切った政策があったからなのです。

 

では韓国がどのような政策によって普及率を上げたのか見ていきましょう。

 

韓国のキャッシュレス決済の普及政策

 

韓国政府がとった政策は小売店などの事業者向けのものと一般消費者向けのものに分けることができます。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

 

年商240万円以上の小売店にクレジットカード決済の導入を義務化

まずは事業者向けの政策です。

韓国政府は年間の売り上げが240万円以上の小売店に対して、クレジットカード決済の導入を義務化しました。

 

年間で240万円の売り上げということは月間では20万円の売り上げということですね。

これによってコンビニや個人商店など多くの小売店でクレジットカードでの決済が可能になりました。

 

この政策にはキャッシュレス決済を浸透させる狙いと、その他にもう一つの狙いがありました。

それは小売店の脱税対策です。

 

1997年のアジア通貨危機の打撃を大きく受けた韓国では、中小規模の小売店の脱税件数が増えて政府の税収が減っていました。

小売店で現金で決済すると帳簿がごまかせてしまいますので脱税が後を絶たない事態に。

 

その状況を打開するためにキャッシュレス決済の普及を利用したというわけです。

 

クレジットカードでの決済に対して所得控除を実施

次は一般消費者向けの政策です。

クレジットカードでの決済額が年収の25%を超えた分に対して所得控除をし、年末調整で還付する仕組みを始めました。

 

控除額には上限がありますが、消費者にとっては減税と相当の制度なので広く受け入れられ、キャッシュレス決済の普及率が高まりました。

 

クレジットカード決済の明細が宝くじに!?

こちらも一般消費者向けの政策です。

宝くじは本来宝くじ売り場で購入するものですが、クレジットカードで決済をすれば宝くじに参加できるという政策です。

 

具体的には、消費者が店舗で1000円以上の買い物をクレジットカードで決済すると、抽選番号が入った利用明細が発行されます。

宝くじの抽選は月に1回行われ、見事当選すれば賞金がもらえるというものです。

 

ショッピングモールや全国展開している小売店がキャンペーンとして開催するような政策ですね。

クレジットカード決済をするだけでこの抽選に参加できるので消費者から支持され、キャッシュレス決済の普及に大きく貢献したようです。

 

日本のキャッシュレス決済の現状と課題

 

ここまではキャッシュレス決済の普及率が世界一の韓国の政策について見てきました。

ここからは日本の現状について見ていきましょう。

 

普及率が伸び悩んでいる原因

日本でもキャッシュレス決済は浸透していますが、普及率はいったん、頭打ちと言ったところでしょうか。

外国と比べても先進国が60%前後の普及率に対して日本の普及率は20%足らず。

 

大きな原因として以下の3つのことが考えられます。

・現金への信頼

・決済手段、サービスの乱立

・自然災害時の不便さ

 

現金への信頼

幸いなことに日本はとても安全で、技術力の高い国です。

外に出ていて強盗に遭こともありませんし、おつりで渡された通貨が偽造されたものではないかなど考えることもありません。

 

つまり治安の良さと現金への信頼がキャッシュレス決済の普及を妨げているようにも感じ取れます。

 

決済手段やサービスの乱立

日本の現状として、キャッシュレス決済のサービスが乱立しています。

消費者には、どのサービスが自分に合っているのか、どれを選べばいいのかというスタート段階からつまずいてしまうわけです。

 

普及率を上げていくためにはこういった層の需要を喚起していく必要があります。

時には政府主導で国内の規格を統一していくような政策も必要なのかもしれません。

 

自然災害時の不便さ

災害大国日本では現金を保有している必要があります。

潜在的に自然災害のリスクを抱えているので、普段から現金で生活していれば問題ないという考えが主流であるのもうなづける理由です。

今後の課題

今挙げさせていただいた、日本でキャッシュレス決済の普及率が伸び悩んでいる原因の解決が今後の課題となっていくでしょう。

 

また、東京オリンピック・パラリンピック、2025年に予定されている大阪万博などの大きなインバウンド需要が見込めるイベントも控えています。

日本国内だけで通用する規格ではなく、海外からの観光客でも問題なく使える規格のキャッシュレス決済サービスの普及も課題となっています。

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

この記事では、世界一のキャッシュレス大国である韓国での普及政策、そして日本の今後の課題について解説しました。

 

日本の安全性に感謝しつつ、政府によるキャッシュレス決済の普及政策にも期待したいところですね。

 

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