この記事の目次
感情労働とは
労働作業は肉体労働と頭脳労働の2つに今までは分類されてきました。
最近新たに登場したのが感情労働です。基本的に私たちが労働をしていく上で、シーンや人によってさまざまな感情を抱えながら労働をしていきます。
感情労働というのは、自分の感情を抑え業務に適した感情を表に出して労働をすることによって賃金が発生するという考え方のものです。主に感情労働では、明るくすることと礼儀正しく務めることが労働の中で求められます。
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肉体労働とは
肉体労働は身体を使って働く仕事のことを指す言葉です。思い切り身体を使うことが多い現場労働が肉体労働の代表的なものになります。しかしそのほか与えられた仕事をこなしていく普通の会社員も肉体労働の定義に含まれる職業になっています。
頭脳労働とは
頭脳労働とは、頭を使って作り出したアイディアをお金に換えるタイプの労働の形です。知識はもちろん、今までの経験なども活かすような弁護士やエンジニアやプログラマーといったIT系の職業もこの頭脳労働の分野に分類されます。
感情労働が求められる看護師の仕事
看護師というのは感情労働の代表格と言っても過言ではない職業です。基本的に看護師は患者と関わるのがメインの仕事です。頭を使うこともありますし、経験によって培った看護の技術も仕事の中で求められます。
そしてかなり重要になってくるのが看護師としての技術の提供だけではなく、患者に接する際の態度です。患者目線不機嫌そうな顔をしていたり、態度の悪い看護師に看護されると不満を持たれてしまう可能性が高くなってしまいます。
そのため患者と接する際には自分の感情を抑えて明るく常識的な態度で接していくことが求められます。患者を自ら選ぶということは難しいので、もしも不快になるような態度をとる患者にあたってしまったとしても不快感を表に出すということはなかなかできない環境です。
他にもコールセンターの仕事など
看護師のほか、コールセンターでの仕事も感情労働に含まれます。主にコールセンターの仕事と言えば利用者からのクレームなどが多く届く仕事であるためにいろんな人のネガディブな感情を電話口で受け取らなければいけない仕事です。
時には利用者に理不尽なクレームを入れられてしまうこともないとは言い切れません。そうなった時でも自分の中にある感情を抑えた上で利用者が満足いく回答をしていかなければいけないというのもコールセンターの仕事の大変な面です。
下手に自分の正直な感情を出してしまうと、それが新たな利用者の不満となりさらにクレームが増えてしまう可能性もあるので、どのような返答をするかはもちろん聞かれたことに対して頭を使い返答しなければいけません。
感情労働が起きる状況とは
感情労働は、顧客に対し満足してもらえるような状況を作る際に起こります。自分が本心で思っていないことでも顧客が喜ぶのであればそう振舞う必要があります。基本的にどのような状況であっても、自分が我慢することで顧客が満足するのであればそうするのが基本的には会社のルールです。
感情労働が起こりがちなのは主にサービス業ですが、サービス業ではなくとも発生することも少なくありません。例えば気難しい上司がいた場合、その上司の機嫌を取るために自分の感情を抑えるという状況があればサービス業などではなくてもそれは感情労働に含まれるので、自分が気づかないうちに感情労働が起こる状況を体験しているという人も少なくありません。
感情労働による問題
感情労働をする環境では、常に自分の感情を抑えることと自分の感情とは違った感情を表に出すことを強いられます。そのため働く人を見たときにその人たちの精神面への大きな負担というのが問題になっています。
感情を抑えるということは我慢をするということです。社会人として生活をしていく上では感情労働だけではなくても我慢しなければいけないシーンは多々あります。しかし仕事の時間内という長い時間我慢をし続けるというのは健全な精神を保っていくことが難しくなっていきます。
そのため感情労働をしている人の中には精神面に大きな問題を抱えてしまうということも多いです。そのため感情労働にはどのような問題があるのか自分を守るために知っておく必要があります。
バーンアウト(燃え尽き症候群)
バーンアウトと呼ばれる燃え尽き症候群は、労働する側が熱心に仕事をすればするほどなりやすいものです。感情労働で、相手の感情を受け止め自分の感情を抑えている状態が増えれば増えただけ、労働者側の気持ちのすり減りが大きくなってしまいます。
そして人というのは気持ちがすり減った状態になると、ネガティブな感情を持ちやすくなってしまうので、感情を抑えたあとに一気に激しい反動がきてしまいます。その反動によって、仕事に対する意欲がなくなってしまうことのことをバーンアウトと言います。仕事に力を注ぐことも大事ですが、その結果このバーンアウトになって仕事に対する意欲がゼロになってしまえば元も子もないので、そこまでいかないように気を付ける必要があるでしょう。
感情労働によるうつ病
うつ病もバーンアウトと同様に感情を抑えた結果、精神的な負荷か大きくなり引き起こす可能性がある疾患です。うつ病になってしまうと、仕事に対する意欲はもちろんですが色んな事に対する気力がなくなってしまいます。
そのほか拒食症状や睡眠障害などといった健康面に大きな影響を及ぼす症状も発症してしまう可能性があります。うつ病は人によっては治るのに時間がかかってしまう病気なので、できるだけならないようにストレスを発散することはもちろんですがうつ病とみられる症状が現れた時には出来るだけ早く病院の診察を受ける必要があります。
感情労働のストレスを軽減する3つの考え方
感情労働を続けなければいけない場合、ストレスをできるだけ軽くすることが大切です。ストレスの発散を日々の生活で取り入れることはもちろんですが、できるだけストレスを軽減できる3つの考え方を生活の中で実践していきましょう。
感情労働のストレスを軽減する考え方1.自分の感情に嘘をつかない
感情労働を強いられていると、心の中で嫌な気持ちを持ってしまった時に自分のその気持ちを自分で否定してしまったり、良くないものだと思ってしまう人も居るでしょう。確かに仕事中に不快感や嫌な気持ちになっている表情を出すことはできません。
しかし自分で自分の気持ちまでも否定する必要はありません。その時その時の自分の感情を自分で認めてあげることが大切です。仕事中に嫌な気持ちになった時は表情や態度に出すのはご法度ですが、自分の中で自分の気持ちを素直に認めて自分の気持ちに嘘をつかずに過ごすことでストレスを軽減していきましょう。
感情労働のストレスを軽減する考え方2.プライベートはしっかり休む
仕事のイメージが固定されているような職業では、プライベートでもその仕事と同様の対応を求められてしまうということが少なくありません。しかし仕事でストレスを溜めている人にとってそれを求められてしまうのは更なるストレスの増加になりかねません。
そのため、プライベートと仕事の時はしっかり切り分けることが大切です。プライベートな時間はありのままの自分で過ごし、しっかり休むことによって自分の精神面を休ませてあげることによって、少しでもストレスを軽減させられる環境を作るようにオンオフの切り替えをするように日ごろから心がけて生活しましょう。
感情労働のストレスを軽減する考え方3.失敗を許す
仕事で失敗してしまうことも誰しもあることです。しかし真面目に仕事に取り組んでいる人であればあるほど仕事で失敗をしてしまった時に精神的に気持ちが追い詰められてしまうことも少なくありません。
しかし感情労働の中ではほとんどの時間を緊張した状態で過ごしていくことになってしまいます。そのため精神的に落ち着かない状態であることが多くあります。そのような状態であれば、仕事で失敗をしてしまうというシーンも発生してしまって当たりまえのことです。
自分の中で常に100%の完璧を求めずに自分が失敗した時に自分を許してあげることで少しでも自分の気持ちを軽くさせてあげましょう。
感情労働とは?看護師のストレスを軽減する3つの考え方について
看護師として働いていく中で、感情労働がつらいと感じてしまう看護師の方も多いでしょう。
できるだけ看護師としてストレスを軽減させる中で、上記に記載したストレスを軽減する3つの考え方を実践することで少しでも自分の辛さを軽減させてあげましょう。
人の健康に関係する仕事だからこそ、重要な面については手を抜くことができません。しかし自分が自分の気持ちに素直な状態で居られる時間を大切にして、適度に息抜きをしながら常にストレスが降りかかってこないように生活を送っていきましょう。
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