2025年6月、自民・公明・維新の3党が「OTC類似薬の保険適用外し」を盛り込んだ社会保障改革に合意しました。これにより2026年度から、医療保険から除外される薬が発生する見通しです。本記事/動画では、この制度の背景、患者負担への影響、反対意見、今後のスケジュールについて、最新情報と共にわかりやすく解説します。
▼この動画/記事でわかること
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OTC類似薬とは何か？保険外しの背景を解説
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なぜ保険適用から除外されるのか？政府の目的とは
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保険外しが患者にもたらす経済的影響の試算
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医師・薬剤師・患者団体が示す反対の理由
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今後のスケジュールと補助制度の見通し
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この記事の目次
OTC類似薬の保険適用外しとは？
OTC類似薬とは？
OTC（Over The Counter）医薬品とは、市販薬のことを指します。OTC類似薬は、病院で処方される薬のうち、成分や効能が市販薬とほぼ同等の医薬品を指します。これらを医療保険の給付対象から外すことで、財政負担の軽減を狙います。
政策の背景と目的
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医療費抑制：日本の医療費は年間47兆円超。維新の会は「OTC類似薬の保険除外で約1兆円の削減が可能」と試算。
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セルフメディケーション推進：市販薬による自己治療を促進し、軽微な症状の受診を抑制。
保険適用外しで
患者負担はどう変わる？
保険適用と市販薬価格の比較
保険適用外による負担変化
| 症状・薬剤名 | 保険適用価格 （3割負担） |
市販薬価格 | 差額 |
|---|---|---|---|
| アレジオン錠 （アレルギー性鼻炎） | 約160円 | 約2,000円 | 1,840円 |
| ムコダイン （去痰剤） | 約70円 | 約2,500円 | 2,430円 |
| フェルビナクテープ （湿布薬） | 約43円 | 約900円 | 857円 |
| ヒルドイド （保湿クリーム） | 約109円 | 約1,400円 | 1,291円 |
| リンデロンV軟膏 （ステロイド） | 約50円 | 約2,000円 | 1,950円 |
| マグミット （便秘薬） | 約72円 | 約800円 | 728円 |
| リザベン点眼液 （結膜炎） | 約92円 | 約600円 | 508円 |
💡 保険適用外になると、患者の自己負担は5倍〜35倍に増加する可能性があります。特に高額な薬剤では負担差が顕著に現れます。
月額・年間負担への影響
アトピー性皮膚炎患者の場合、保湿剤の月額負担は700円程度→市販化で1万円近くに。年間では約12万円の負担増加が見込まれます。
“保険対象外”で負担激増？
市販薬との価格差に注意
一部の薬が保険適用から外れると、同じ成分でも自己負担額が数倍に跳ね上がるケースがあります。特に湿布薬や保湿剤、目薬など日常的に使う薬ほど影響が大きく、今後の制度改正によって家計への負担増が現実のものとなる可能性があります。
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医療関係者・患者団体の反対意見
医療制度改正への懸念
誤用リスク
自己判断による市販薬使用で、重篤化や副作用のリスクが上昇
医療安全の後退
相互作用や複数薬剤併用によるトラブルが懸念
受診控え
症状の悪化を放置し、高額治療が必要になるケースが増加
乳幼児
公費助成制度から外れると、保護者の経済的負担が大幅増
難病・慢性疾患患者
長期使用が前提の薬で、月額・年間負担が顕著に増大
低所得者層
医療費の支払いが困難になり、受診率低下の可能性も
“自己判断”のリスクと格差拡大、
専門団体が懸念する本質
保険適用除外は、医療の自己責任化を進める一方で、誤用リスクや受診控えといった新たな問題を生む可能性があります。特に乳幼児や慢性疾患患者、低所得層への影響は深刻で、制度の見直しが医療格差の拡大につながらないよう、慎重な運用が求められています。
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政府の制度設計と配慮策
配慮対象と対応策
- 対象者：子ども・低所得者・慢性疾患を抱える人など
- 対応策：補助制度・段階的除外・市販薬助成などが2025年末までに検討される予定
スイッチOTC化の推進と制度の整合性
政府は、2026年度末までに海外で既にOTC化されている約60成分を市販化する方針。これは医師の診断を前提とした「スイッチOTC化」を進め、セルフメディケーションの制度的な拡充と保険適用見直しを両立させる狙いです。
今後のスケジュール
医療制度改正
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| ～2025年末 | 骨太方針・予算案の策定、配慮措置の具体化 |
| 2026年4月 | 保険適用外しの一部品目で実施開始 |
| 2026年末 | 約60成分のスイッチOTC化を目標に |
| 将来的には | 対象薬剤を段階的に拡大の方針 |
“静かに進む制度変更”
2026年から実質スタートへ
保険適用外しは、すでにスケジュールが組まれ段階的に進行中です。2025年末までに制度設計が固まり、2026年4月には一部で実施が始まる予定。将来的には対象成分を広げていく方針で、影響の広がりに備えた早めの情報収集が重要になります。
FAQ｜OTC類似薬の
保険除外について
Q.1 OTC類似薬って具体的には
どんな薬が対象になるの？
A. OTC類似薬とは、病院で処方される医薬品のうち、市販薬と成分や効能がほぼ同じものを指します。具体的には、アレルギー性鼻炎薬（アレジオン）、去痰剤（ムコダイン）、湿布薬（フェルビナクテープ）、保湿剤（ヒルドイド）、ステロイド軟膏（リンデロンV）などが対象とされる見込みです。
Q.2 この制度の導入によって誰が
一番影響を受けるの？
A. 最も大きな影響を受けるのは、長期間薬を使い続ける必要がある慢性疾患の患者、アトピーや喘息などの小児患者、医療費の自己負担が厳しい低所得者層などです。これらの方々は、これまで保険で安く処方されていた薬の費用が数倍に跳ね上がる可能性があります。
Q.3 制度が始まってもすぐに
すべての薬が保険から外れるの？
A. いいえ、すべての薬が一斉に保険から除外されるわけではありません。政府は2026年度から「早期実現可能な薬剤」から段階的に導入する方針です。また、対象や実施時期については今後の検討で決まります。
Q.4 保険から外れる薬を買うとき、
補助制度はあるの？
A. 政府は「子どもや低所得者、慢性疾患の方などに配慮する」と明記しています。ただし、具体的な補助制度や助成の方法については、2025年末までの予算編成過程で検討される予定です。自治体によって独自に支援策が講じられる可能性もあります。
Q.5 医師の診断を受けずに
市販薬を使うと危険なの？
A. はい、特に持病のある方や複数の薬を服用している方は注意が必要です。誤った薬の選択や、薬の相互作用によって副作用や症状悪化を引き起こすリスクがあります。日本医師会や薬剤師会もこの点を非常に懸念しており、「市販薬への過信」に警鐘を鳴らしています。
財政改革と医療アクセスの
バランスをどう取るか
OTC類似薬の保険適用外しは、医療費削減と制度の持続可能性という観点では合理的な一方、患者にとっては重大な経済的・医療的負担となり得ます。政策の鍵は、「必要な人への補助」「制度の透明性」「医療アクセスの維持」が守られるかどうかです。2025年末の制度設計、2026年度以降の運用状況が大きな分かれ道となります。
具体的な対象品目については、2025年秋以降から年末にかけて厚生労働省の部会などで検討される予定です。早期に実現可能なものについては2026年度から実行に移される方針となっています。
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