株式投資特集:テクニカル分析-時代を超える投資戦略「酒田五法の現代的適用」

この記事のポイント

時代を超えた投資戦略である「酒田五法」とは、日本の米相場師である本間宗久が考案した、株価や商品価格の分析手法です。

この戦略はキャンドルスティックチャートのパターンを用いて市場の動向を読み解き、将来の価格変動を予測することを目的としています。

現代でも多くの金融市場で利用され、トレーダーや投資家にとって貴重な分析ツールとされています。

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時代を超える投資戦略「酒田五法」の考案者:本間宗久(ほんま そうきゅう)とは?

本間宗久(ほんま そうきゅう)は、江戸時代の日本の米相場師で、1724年に生まれ、1803年に亡くなりました。彼は現在の山形県出身で、「株式市場の祖」とも称される人物です。本間宗久は、当時の大坂の米相場で巨富を築き、「神算」とも呼ばれるほどの計算能力と市場分析能力を持っていました。

彼の投資手法の核心は、後に「酒田五法」として知られるようになるチャートパターンの分析にあります。これは、キャンドルスティックチャートを使用して市場の感情やトレンドの変動を読み取る技術で、これが今日のテクニカル分析の一形態として広く受け入れられています。

本間宗久は、投資で得た財を地元の福祉にも用い、教育や社会基盤の発展に寄与したことも知られています。その投資と寄付により、彼は地元社会に深く尊敬されており、その遺産は今日でも投資教育の一環として評価されています。

酒田五法が現代でも高く評価されている理由は、その普遍的な市場心理の分析能力にあります。この手法は、単に価格の動きを追うのではなく、投資家の行動と市場の感情を読み解くことに焦点を当てています。以下、その優れた点を詳述します。


市場心理の把握:

酒田五法は、キャンドルスティックチャートを使用して市場参加者の恐怖や欲望といった心理状態を視覚化します。これにより、価格の変動背後にある人間の感情を理解することができ、予測に役立てることが可能です。


トレンドと反転の識別:

各パターンは市場のトレンドやその反転点を示唆しており、投資家はこれを利用して戦略的な取引判断を行うことができます。例えば、「三山」や「三川」などのパターンは、市場が転換点に達したことを示す強力な指標とされます。


適用の幅広さ:

酒田五法は元々米の相場に適用されましたが、その分析法は株式、債券、通貨など、さまざまな金融商品に対しても有効です。これにより、多様な市場での投資家にとって価値あるツールとなっています。


簡潔さと実用性:

この手法は複雑な計算を必要とせず、視覚的に分かりやすいため、初心者からプロのトレーダーまで幅広く利用されています。実際のトレードにおいて迅速かつ効果的な意思決定を促進します。


教育的価値:

酒田五法は市場の基本的な動きと心理を学ぶ上で非常に教育的であり、投資教育において重要な役割を果たしています。これにより、新たな投資家が市場分析のスキルを習得しやすくなっています。


これらの理由から、酒田五法は時代を超えて金融市場分析の重要な手法として残り続けており、今日でも多くの投資家に支持されています。

 

五つの基本的なパターン

この分析手法はキャンドルスティックチャートに基づいています。キャンドルスティックは、その日の開値、高値、安値、終値をグラフィカルに表示し、価格の動きを一目で理解することができます。各キャンドルの形状や色が市場の心理を反映します。

三山(さんざん)

三山のパターンは、相場が上昇と下降を繰り返しながら3つのピークを形成するものです。

中央のピークが最も高い「三尊」と呼ばれる形状は、上昇相場の天井を示すサインとされ、基本的に売りのタイミングと考えられます。

この3つのピークが形成された後、価格がそれらの最高点を突破できない場合、市場の反転が近いことを意味しています。

三川(さんせん)

三川は三山の逆パターンで、3つの谷が形成されるものです。

中央の谷が最も深い「逆三尊」という形状を取ります。

このパターンは下落相場の底を示すもので、3つの谷が形成された後、価格がそれらの最低点を割り込まない場合、市場の反転、すなわち上昇の始まりを示していると考えられます。

このため、基本的には買いのサインとされています。

三兵(さんぺい)

三兵は、連続する3本の陽線または陰線から成るパターンです。

相場の低位で3本の陽線が連続する場合、これを「赤三兵」と呼び、市場が強気に転じるサインとして捉えられます。

一方、高位で3本の陰線が連続する場合は「黒三兵(または三羽烏)」と呼ばれ、市場が天井をつけ下落する可能性を示しています。

これらのパターンは、市場の勢いがその方向に強くなっていることを示しているため、それに沿った行動を取ることが推奨されます。

三法(さんぽう)

三法は、ローソク足がレンジ相場を形成している状態を示します。

このパターンでは、大きな陽線や陰線の後に小さなはらみ線が続くことが一般的です。

レンジ相場では市場の方向性が不明確であるため、取引を休止し、市場が明確な方向性を示すまで様子見をすることが推奨されます。

三空(さんくう)

三空は、3つの連続するローソク足が窓を開けた状態で現れるパターンです。

「三空踏み上げ」は株価が上昇する中での窓開けを示し、「三空叩き込み」は下降する中での窓開けを示します。これらのパターンは、相場が一方向に強く動いた後に反転する可能性があることを警告しています。

窓開け(上記:赤い丸)が連続すると、市場が過熱している可能性があるため、逆の動きに注意が必要です。

まとめ

酒田五法は、五つの基本的なパターンを通じて、市場の心理やトレンドの転換点を示します。三山や三川などのパターンは市場の頂点や底を示唆し、三兵や三法、三空のパターンは市場の強さや方向性の変化を警告します。これらのパターンを理解し適切に応用することで、投資家は市場の動向をより精確に把握し、戦略的な投資判断を行うことが可能です。酒田五法は、時代を超えて多くの市場参加者に信頼される理由がここにあります。

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