投資先を選ぶ際は、成長性と収益性を適切に評価する必要があります。成長性と収益性を適切に評価できなかった場合は、思うような配当が得られないかもしれません。
そこで今回は、投資先を選ぶ際のポイントとして、成長性と収益性の評価方法をご紹介します。投資先の選び方について悩んでいる方は、本記事を参考にしてください。
成長性の評価について
成長性とは、会社が将来的に業績を向上させられる可能性のことです。成長性が高い企業へ投資をすれば、株価も向上しやすいのでより多くの配当金が獲得できる可能性があります。(※1)
企業の成長性を評価する際は、以下の7つの指標を活用しましょう。(※2)
売上高増加率 | 前期の売上高に対して今期の割合
売上高増加率=(当期売上高-前期売上高) 増加率が高ければ売上高はプラス、低ければマイナス |
経常利益増加率 | 前期よりも経常利益が増加した割合
経常利益は本業に財務活動を含めた企業の総合的な利益 経常利益増加率=(当期経常利益-前期経常益)÷前期経常利益×100 プラスの場合は成長、マイナスは衰退、ゼロは横ばい |
営業利益増加率 | 前期よりも営業利益が増加した割合
本業の利益の比率を示しており、本業での成長を把握できる 営業利益増加率=(当期営業利益-前期営業利益)÷前期営業利益×100 |
総資本増加率 | 総資本が前期から増えた割合で、企業の規模が拡大しているのかを判断できる
総資本増加率=(当期総資本-前期総資本)÷前期総資本×100 返済の必要がない自己資本と返済義務のある他人資本の合計で、総資本が増えていく状態が望ましい |
純資本増加率 | 純資本が前期から増えた割合
純資本増加率=(当期末純資本残高-前期末純資本残高)÷前期末純資本残高×100 純資本が多い場合は自己資本をたくさん蓄えている証拠なので、安全性の高い企業といえる |
従業員増加率 | 前期と比較して従業員が増減した割合
従業員増加率=(当期従業員数-前期従業員数)÷前期従業員数×100 |
有形固定資産伸び率 | 前期の有形固定資産に対して、今期の有形固定資産が伸びている割合
有形固定資産は土地や建物、車両運搬器具など目に見える資産のこと 有形固定資産伸び率=(当期有形固定資産-前期有形固定資産)÷前期有形固定資産×100 |
ここで解説した指標を参考にしたうえで成長性の評価をし、投資先を選びましょう。
収益性の評価について
収益性とは、企業に利益を得られる力があるのかを確認する分析方法です。収益性は調達した資本からどれほどの利益を得られたのかを判断できるため、投資する判断基準として活用できます。
企業の収益性を評価する指標は、以下の9つを活用しましょう。(※3)
売上高総利益率 | 売上高に対して売上高総利益の占有率
売上高総利益率=売上総利益÷売上高×100 本業における利益率を把握できる 景気の影響を受けやすく、景気が良くなると上がって悪くなると下がる傾向がある |
売上高営業利益率 | 売上高に対して営業利益の占有率
営業利益は売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いた金額 売上高営業利益率=営業利益÷売上高×100 本業がうまくいっているのかを表せる |
売上高経常利益率 | 売上高に対して経常利益の占有率
経常利益は営業利益に営業外収益を足して営業外費用を引いた金額 売上高経常利益率=経常利益÷売上高×100 企業が稼ぐための総合力が理解できる |
税引前当期純利益 | 売上高に対して税引前当期純利益の占有率
税引前当期純利益は経常利益に特別利益を足して特別損失を差し引いた金額 税引前当期純利益=税引前当期純利益÷売上高×100 偶発的に生じた損益も含んでいるため、経常利益率と比較して一般的な損益であるのかを理解する必要がある |
売上高当期純利益 | 売上高に対して当期純利益の占有率
売上高当期純利益=当期純利益÷売上高×100 企業の最終的な利益効率を表している |
ROE(自己資本利益率) | 自己資本に対する利益の割合
ROE=当期純利益÷自己資本×100 投資による自己資本が利用度合いが効率的であるかを表す |
ROA(総資本利益率) | 企業の総資本に対する利益の割合
ROA=当期純利益÷総資本×100 総資本は自己資本と他人資本の合計額 企業が調達したすべての資本を対象にしているので、より詳しい収益性を表せる |
総資本回転率 | 総資本に対する売上の割合
総資本回転率=売上高÷総資本 回転率が良好であるのかを判断する際の目安は「1.0」 |
自己資本回転率 | 自己資本に対する売上の割合
自己資本回転率=売上高÷自己資本 自己資本回転率の数値が高いほど効率的に売上へつなげられている |
ここで解説した指標を用いて収益性を評価し、投資する企業も決めましょう。
企業や資産の分析方法
企業や資産を分析する際は、会社のブランド力へ着目することが大切です。ブランド力のある企業は消費者からの信用があるため、新たな事業を展開しても成功する確率が高いです。
ブランド力を測定する際は、企業が提供している商品やサービスを見て「自分で利用してどのように感じるのか」「周りの人からの反響が良いのか」との分析をすれば、消費者にとってニーズのある企業なのかが把握できます。
http://research-online.jp/all/save/16922/
http://research-online.jp/all/asset/16804/
http://research-online.jp/all/save/16823/
まとめ
投資先は、成長性と収益性の指標を用いて企業の業績を評価したうえで、自分に合った会社を選ぶ必要があります。
また、企業や資産を分析する際は、ブランド力を確認して会社の価値を推し測るとよいでしょう。投資先選びに悩んでいる方は、本記事を参考にしてください。
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