2023年3月21日に野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で日本がアメリカに3-2で優勝したことで、日本中が歓喜に溢れました。実は日本がWBCで優勝するのは14年ぶりで、優勝を果たすのが久しぶりだったこともあり多くの経済効果をもたらしたことが推測されます。
そこで今回は、日本が14年ぶりのWBC優勝を果たしたことでもたらした経済効果について解説します。WBC優勝の経済効果を把握したい方は、本記事を参考にしてください。
この記事の目次
WBC優勝がもたらした経済効果とは?観戦チケットやグッズ販売の増加など
関西大学の名誉教授宮本勝浩によると、WBC優勝時の日本国内での経済効果は、約596億4847万円といわれています。(※1)
基本的にWBCでの経済効果は、グッズ購入を中心としたファンが直接的消費をする「直接効果」にグッズ製造元が得た利益の「一時波及効果」、関連企業がグッズの売上で得た利益を消費に回す「二次波及効果」を合計した後、算出されます。
その結果、日本が直接効果によって得た経済効果では、276億1503万円と推測されました。また、宮本名誉教授は総務省内閣府が作成した全国の産業関連表を用いた結果、一時波及効果が約176億7362万円、二次波及効果が約143億5982万円となりました。
宮本名誉教授は2017年のWBCでも優勝時の経済効果を推測しており、2017年では約343億4588万円の経済効果があると推測していたのです。つまり、2017年のWBCと比較すると253億259万円の経済効果が向上したことになります。
宮本名誉教授は、経済効果が大幅に向上した要因として、以下の3つを挙げました。
- インフレや円安で物価が上昇したこと
- ファンが見たい人気選手が数多く出場したこと
- 6年ぶりの大会で多くのファンが待ち望んでいたこと
上記の要因のように、2023年のWBCは2017年のWBCと比較してさまざまな経済効果が高まるような要素が重なったため、経済効果が大幅に上昇したのでしょう。
WBCは日本で高い経済効果を誇っているものの、収益の大半が運営元に渡ってしまうため、収益分配の公正の確保をした方がよいでしょう。
WBC優勝がもたらしたスポーツ文化の発展と次世代育成への影響とは?
2023年3月21日にWBCで日本が優勝したことで、今後ますますスポーツ文化が発展していき次世代育成がしやすくなると推測できます。
日本でのWBCの注目度はすさまじく、平日の午前中の放送なのに平均世帯視聴率が42.4%を超えるほど侍ジャパンの試合を見ていたからです。(※2)
WBCの優勝を見届けた方の中には、普段は野球を見ない方や野球そのものに興味をもたなかった方も多いでしょう。
WBCの優勝をきっかけに多くの人々が野球に興味をもち、ますます日本のスポーツ文化が発展していくことを願っています。
WBC優勝による地域活性化と経済成長の可能性とは?
WBC優勝による地域活性化や経済成長の可能性は高いと言えます。2017年のWBCの経済効果よりも2023年の経済効果の方が高く、日本がWBCで優勝を果たしたことで多くの注目が集まっていることは間違いないからです。
宮本教授いわく「大谷選手の影響で野球に興味がなかった人でも大会に多く注目されており、さらに消費が増えて650億円程度の効果となっても不思議ではない」と語っています。(※3)
2023年のWBCをきっかけに興味を持った層が次回大会で消費行動をすることが推測されるので、次回のWBCはより高い経済効果が得られるでしょう。
また、侍ジャパンの一員である牧選手の地元である長野県中野市では、選手たちの活躍をたたえるメッセージの掲示をする施設が多く、このメッセージの掲示も一種の地域活性化につながると推測できます。
中野市では施設のメッセージ掲示だけでなく、知事が選手に対して激励のメッセージを捧げています。(※4)
本記事で紹介したのは中野市の例でしたが、ほかの選手の出身地でも同様にメッセージの掲示などがおこなわれており、選手の地元であるので訪れる観光客も多いのではないでしょうか。
このようにWBC優勝による地域活性化と経済成長の可能性は高く推測されており、WBCが開催されるたびに高い経済効果が得られると予測できるでしょう。
http://research-online.jp/all/economy/15060/
http://research-online.jp/all/economy/15395/
http://research-online.jp/all/economy/14586/
まとめ
2023年3月21日に日本がWBCで優勝を果たしたことで、約596億4847万円の経済効果を得られたといわれています。
また、WBCの地上波放送が平日の午前中なのにもかかわらず、平均世帯視聴率が42.4%であったことから、今まで野球に興味がなかった層が興味をもつきっかけになったと推測できるので、さらなる日本のスポーツ文化の発展が推測できるでしょう。
さらに、大谷選手の影響でより消費が増えて650億円程度の効果になることも推測されているため、経済成長の可能性も十分にあります。次回以降、侍ジャパンがWBCに出場したときも優勝を果たせるように応援していきましょう。
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