米国「相互関税」8月7日発効:日本・EU・韓国に15%課税、世界経済に波紋

2025年7月31日、米大統領は「相互関税」を導入する大統領令に署名し、8月7日から日本・EU・韓国などに対し15%の追加関税を課すことを正式決定しました。今回の措置は、当初の報告より大幅に緩和されたとはいえ、世界市場に広範な影響を及ぼす可能性が高まっています。

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この記事でわかること

  1. 米国が発動した「相互関税」の仕組みと背景

  2. 日本・EU・韓国に適用される15%課税の詳細

  3. 主要国の新関税率と旧税率の比較

  4. 消費者・企業・雇用への影響と具体的事例

  5. 世界経済と金融政策に及ぶ中長期的リスク

📝

記事の3点要約

  1. 米国は2025年8月7日から日本・EU・韓国に対して15%の「相互関税」を発動することを決定。

  2. 当初の25%案より緩和されたが、輸入品価格の上昇や企業収益への悪影響が予想される。

  3. 中国との交渉期限である8月12日を控え、世界経済の先行きは極めて不透明。

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米国「相互関税令」の概要と背景

米国「相互関税令」の概要と背景

2025年7月31日、米国のトランプ大統領は「相互関税(Reciprocal Tariffs)」を導入する大統領令に署名しました

2025年8月7日 正式発効

相互関税の目的

米国が「非相互的な貿易慣行」と位置付ける関係を是正

米国内産業・労働者の保護と、貿易赤字の縮小が狙い

対象国と税率の特徴

🇯🇵日本・EU・韓国

15%

追加関税

🇬🇧英国

10%

維持

🇹🇼台湾・ベトナム

20%

追加関税

🇮🇳インド

25%

追加関税

🌏その他新興国

19%

前後(国により幅がある)

全体の平均実効税率

18.3%

1934年以来の高水準

発動までの交渉の流れ

4月

第一弾として全地域に一律10%課税を実施

7月

主要国との集中交渉により、当初案(25%)から引き下げ合意

8月7日

相互関税が正式発効

8月12日

中国との交渉期限(延長措置)。成否次第で追加の関税変更が見込まれる


新税率と変更前との比較(主要国・地域一覧)

新税率と変更前との比較(主要国・地域一覧)

今回の相互関税導入により、主要国・地域の税率が大きく変動しました。当初案や4月公表時の税率と比較すると、日本・EU・韓国をはじめ多くの国で引き下げが見られますが、物価や企業活動への影響は避けられません。

国・地域別の新税率比較

国・地域 新税率 4月公表時の税率 変化幅
🇬🇧 英国 10% 10% ―(維持)
🇯🇵 日本 15% 24% ▼ 9ポイント引き下げ
🇪🇺 EU 15% 20% ▼ 5ポイント引き下げ
🇰🇷 韓国 15% 25% ▼ 10ポイント引き下げ
🇮🇩 インドネシア 19% 32% ▼ 13ポイント引き下げ
🇵🇭 フィリピン 19% 17% ▲ 2ポイント引き上げ
🇹🇭 タイ 19% 36% ▼ 17ポイント引き下げ
🇰🇭 カンボジア 19% 49% ▼ 30ポイント引き下げ
🇲🇾 マレーシア 19% 24% ▼ 5ポイント引き下げ
🇹🇼 台湾 20% 32% ▼ 12ポイント引き下げ
🇻🇳 ベトナム 20% 43% ▼ 23ポイント引き下げ
🇮🇳 インド 25% 26% ▼ 1ポイント引き下げ

← 左右にスクロールして全体をご覧ください →

注目ポイント

最も低い税率は英国の10%、日本・EU・韓国は15%で横並び。

台湾・ベトナム・インドなど新興アジア諸国では20~25%と高めの設定が続く。

全体の平均税率は18.3%に上昇し、米国の関税水準としては歴史的高水準。



日本・EU・韓国との交渉ポイント詳細

日本・EU・韓国との交渉ポイント詳細

日本・EU・韓国は、当初案の25%から15%への引き下げを勝ち取った主要交渉国です。しかし、合意内容には曖昧な点も多く、今後の運用次第で追加の影響が出る可能性があります。

当初案 25% → 合意 15% に引き下げ成功

日本の交渉結果

外務・経済再生閣僚が4月以降8回渡米し、トランプ政権との交渉を継続
当初通告されていた25%の相互関税を15%に引き下げることに成功
自動車関税(27.5%→15%)の引き下げも合意したが、大統領令の条文には明記されておらず、今後の運用に注目が集まる

EUの対応

日本と同一スキームで15%課税で合意
既存関税率が15%以上の品目は相互関税の適用外となるため、一部では影響が限定的になる見通し

韓国の合意内容

EU・日本と同条件で15%課税に合意
輸出比率の高い半導体や自動車部品が対象となる可能性があり、サプライチェーンへの影響が懸念される

今後の課題

自動車・鉄鋼・アルミ製品など、例外規定が複雑であり、発動後の運用で対象範囲が拡大する可能性も
中国交渉(8月12日まで)との兼ね合いで、さらに追加調整が行われる可能性が残る

消費者・企業に及ぼす影響とは?

消費者・企業に及ぼす影響とは?

今回の相互関税発動は、消費者物価の上昇から企業収益、雇用まで幅広く影響を及ぼす見通しです。特に輸入依存度が高い分野では、負担が直接的かつ長期的になる可能性があります。

💰

消費者への波及(物価上昇)

輸入品価格の上昇が避けられず、消費者物価が一段と上昇するリスクが高い
代替が難しい必需品や海外ブランド品は特に価格が上がる見込み
エコノミストの分析では、8月末から9月にかけてインフレ圧力が強まる可能性が指摘されている
🚗

自動車市場への影響

日本車・韓国車にかかる追加関税15%は、米国市場での販売価格上昇につながる
当初案の25%よりは緩和されたが、依然として消費者負担は大きく販売台数減少の懸念がある
米国内の自動車メーカーも部品輸入コストの上昇で価格改定が避けられない
🏭

中小企業・業界別の打撃

関税負担が重くのしかかる分野:

建設・鉱山用機械
半導体製造装置や光学機器
食品・農水産品
輸出コストが増加し、価格競争力の低下や収益悪化が顕著になる可能性
サプライチェーンの組み直しを余儀なくされる企業が増加
🏢

大企業の業績悪化例

キヤノン 2025年度最終利益見通し

30億円減額 → 3,300億円に下方修正

欧州や米国市場向けの出荷が減少し、新規投資の先送りが広がる傾向が見られる
👥

雇用・賃金への波及

中小製造業経営者からは「15%でも賃上げ継続は難しい」との声が多い

不透明感から採用や解雇の判断が先送りされ、労働市場の停滞が懸念される

マクロ経済への影響と政策対応

マクロ経済への影響と政策対応

GDP成長に与える影響

民間試算によれば、日本の実質GDPに最大0.2ポイントの押し下げ効果
昨年の年間成長率は0.1%のみ。今回の影響は「成長分を相殺」する規模。

消費マインドの低下

関税強化への懸念を背景に、個人消費への心理的打撃が顕在化。
特に7〜9月期は、消費減速リスクが高まると見られている。

サプライチェーンと企業戦略の見直し

調達先の再構築やサプライチェーン多元化、自国内回帰の模索が進行中。
長期的な企業構造・製造業の転換を迫られる可能性。

金融政策の反応

FRB

米国

政策金利

据え置き

「独立性を維持」との声明
2025年7月末の会合にて

日銀

日本

政策金利

0.5%

「先行きの不透明感が強い」
上田総裁が警戒を表明

金利見直しは9月以降となる見込みで、急変時の対応が課題。

8月7日と8月12日:世界経済の重要な分岐点

8月7日

相互関税が発効。特に日本・EU・韓国で15%の新税率が適用開始。

8月12日

米中交渉の期限。合意内容によっては関税水準・世界経済の動向が大きく変化。

この二つの日付が、今後の政策・市場・企業の舵取りに大きな影響を与える節目となります。

FAQ|相互関税と世界経済への影響

FAQ|相互関税と世界経済への影響

新たな貿易体制の理解のために

  • Q.1 相互関税とは何ですか?

    A. 相互関税とは、米国が「非相互的な貿易関係」を是正する目的で導入した貿易措置です。相手国が米国に対して課している関税率と同等、もしくはそれ以上の関税を米国が課す仕組みで、今回の大統領令では日本・EU・韓国に対して15%の税率が適用されます。

  • Q.2 いつから新しい関税が適用されますか?

    A. 新しい相互関税は2025年8月7日から発効します。なお、中国との交渉は8月12日まで延長されており、この交渉結果によっては追加的な税率変更が起こる可能性があります。

  • Q.3 日本経済への影響はどの程度ありますか?

    A. 民間試算では、関税の影響で日本の実質GDPが最大0.2ポイント押し下げられると予測されています。昨年の成長率(0.1%)を上回る規模であり、企業収益の悪化や雇用・賃金への波及が懸念されています。

  • Q.4 自動車業界にはどんな影響がありますか?

    A. 日本車に対する追加関税が15%課されることで、米国市場での価格上昇が避けられません。当初案の25%からは緩和されたものの、販売台数減少やコスト上昇が業界全体に打撃を与えるとみられています。

  • Q.5 個人消費や物価はどうなりますか?

    A. 輸入品の価格が上昇するため、消費者物価の上昇が加速する可能性があります。特に海外からの代替が難しい商品では負担増が顕著で、家計の圧迫や消費マインドの低下につながる恐れがあります。

⚠️

相互関税の影響は今後も注視が必要です。
最新の情報を確認し、適切な対策を検討することが重要です。

結び(まとめと見通し)

  • 当初の25%案から15%へと引き下げられたとはいえ、日本・EU・韓国に対する新関税は世界貿易に広範な影響を与える構造的な変化。
  • 消費者の価格負担、中小企業の収益圧迫、国内雇用・賃金への影響、さらにはサプライチェーンの再構築など、波及効果は多岐にわたる。
  • 中央銀行の金利政策は現在のところ据え置きだが、不透明感が強まる中、迅速な対応が求められる。
  • 特に8月7日と12日がターニングポイントとなるため、今後は政治・経済・貿易の動向に注視が必要です。

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