この記事の目次
かっぱ寿司社長逮捕の背景
かっぱ寿司の社長の経歴
まずは、かっぱ寿司の社長の経歴をまとめます。1998年にすき家などを傘下に入れたゼンショーホールディングスの社員となりました。 当該会社でゼネラルマネージャーに就任してからは、取締役または執行役員としてさまざまな企業を転々としています。そのため、飲食業の実態は幅広く見てきた人物です。他にも、田邊氏は特徴的な経歴を持っています。元々は「はま寿司」の取締役も務めていた
田邊氏は、元々ライバル店である「はま寿司」の取締役も務めていました。期間は2014年6月〜2017年9月までの3年間です。 はま寿司の取締役に就任したあとは、ジョリーパスタやココス・ジャパンの社長などと飲食業界を転々としていました。つまり、経営者の経験は非常に濃いといえます。2020年にかっぱ寿司の執行役員副社長を務める
さまざまな企業のトップを務めたあと、田邊氏は2020年にかっぱ寿司の執行役員副社長の役職に就きました。その1年後、同社の社長に就任します。 ちなみに、かっぱ寿司を運営する企業の正式名称はカッパ・クリエイトです。会社設立日は昭和56年11月21日であり、資本金は1億円となっています（※4）。逮捕された理由とは
はま寿司の売上データを無断で入手した
田邊氏が逮捕された理由は、はま寿司の売上データを不正に入手したためです。2021年にはすでに家宅捜索（※5）されており、その1年後に逮捕と事態が進展しました。 元々勤務していた会社の運営状況を調べて参考にしたかったと本人は述べています。あわせて、違法だとは思わなかったと説明（※6）していました。 他社の企業秘密を無断で持ち出す行為は、不正競争防止法に違反します。「10年以下の懲役又は2000万円以下の罰金、またはこれを併科する」と定められており（※7）、比較的重たい刑です。かっぱ寿司も書類送検の対象に
今回の事件で逮捕された人物は、田邊氏だけではありません。データのパスワードを教えたはま寿司時代の元同僚の湯浅氏やカッパ・クリエイト社部長の大友氏も逮捕（※8）されています。さらには、かっぱ寿司も書類送検の対象（※9）となりました。 企業と社長の両方を罰するルールは、両罰規定と呼ばれます。しかし、当然ながらかっぱ寿司自体を牢屋に入れることはできないため、仮に有罪判決を受けたら罰金刑で処罰されます。裁判は時間がかかるため、今後の見通しにも注目しましょう。今後の対応
社長は自ら辞任を申し出た
田邊氏は、事件が発覚したあとは2022年10月3日付の通知書で自ら辞任を申し出た（※10）と発表されています。取締役会でも正式に受理されました。かっぱ寿司は事実解明のため、今後も捜査に全面的な協力をすると明らかにしています。新たに山角豪氏が社長へ就任（※11）
かっぱ寿司では、山角豪氏が新たに社長へ就任することを発表しました。2000年5月にガストでおなじみの株式会社すかいらーくへ入社した経歴を持ちます。そこから居酒屋や菓子業者も経験し、田邊氏と同じくさまざまな業界を転々としていました。 2022年6月にカッパ・クリエイト株式会社の取締役を務め、およそ4か月後の10月3日で正式に代表取締役社長となりました。かっぱ寿司側は山角氏を選んだ理由として、フードビジネスとコンプライアンスの双方に精通しているためと述べています。株価は少しずつ持ち直している
かっぱ寿司は、これらの情報を投資家向けに発表しています。株主は企業の発展においても重要な存在であるため、企業側も今後の対応には細心の注意を払うと考えられます。 かっぱ寿司の株価は、事件が報じられた2022年10月3日に1株200円以上の下落を見せました（※12）。1年間の区切りでみると、一時は最も低い水準まで落ち込みました。しかし、翌日からは右肩上がりで持ち直しています（2022年10月9日現在）。 http://research-online.jp/all/economy/14493/ http://research-online.jp/all/economy/13909/ http://research-online.jp/all/13990/まとめ
今回は、かっぱ寿司の社長が逮捕された背景と株価について解説しました。このようなニュースがあったときは、市場が大きく動く可能性も高くなります。 情報をしっかりと集め、どのように行動すべきかを入念に考えましょう。節約だけではなく、資産を増やしたい方はリサーチオンラインへご相談ください。
