韓国政権交代は日本にとってもさまざまな影響が想定され、できるだけよい変化を期待したいところです。そこで今回は、お隣の国韓国の政権交代により考えられる日本への影響について、さまざまな視点から検証していきましょう。
日本と韓国にはこんな歴史がある!
韓国コスメ、K-POPなど、韓国文化や生活様式は日本にもたくさん普及しています。それは単に韓国と距離が近いということだけではなく、日本と韓国にはさまざまな結びつきがあるため。
歴史を簡単に振り返ってみますと、4~7世紀に朝鮮半島に進出した大和政権、16世紀は豊臣秀吉が朝鮮半島に出兵。さらに江戸時代には朝鮮通信使が来日。
現在も韓国内に日本に対して複雑な気持ちを抱く要因になっている、日本の韓国植民地化も1910~1945年に起こった歴史があります。とても身近な外国という印象がある韓国ですが、正式な国交が始まったのは1965年のこと。
日本と大韓民国の間の基本関係に関する条約が結ばれたことがきっかけとなっています。ニュースでもよく話題になる竹島問題。日本も韓国も「自国の領土」と主張を続け、韓国と日本はこのような問題を含め、現在も繊細な関係があるといえるでしょう。
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5年ぶりの韓国政権交代!
韓国の大統領選挙が先日行われ、野党の尹錫悦(ユン・ソギョル)氏が当選。5年ぶりの韓国政権交代となり、世界的にも注目を集めています。今回の選挙では革新勢力と保守のぶつかりが激しく、日韓関係の将来にも影響を与えると多くの人が注目していましたが、韓国国民の関心も高く事前投票は過去最高を記録したほど。
TV討論会では、韓国の不動産価格の上昇や就業事業について双方の意見がぶつかるなど、韓国民の不満をどう変えていくか論争が続けられていました。
結果的に保守系最大野党「国民の力」の尹錫悦前検事総長(61)が「共に民主党」の李在明前京畿道知事(57)との大接戦を制した結果となり、日本との関係がどう改善されるか、日本でも大きなニュースとして取り上げられています。
日韓関係にどう対処していくのか?
新大統領の尹錫悦(ユン・ソギョル)氏は、選挙戦で北朝鮮の核・ミサイル問題に関しても日米韓の3か国の連携に意欲を示していますし、シャトル外交の復活で日本の関係をよりよくする意欲を示しています。
反日世論は政治に利用しないとも公言しているため、日韓関係は明るい兆しが見えているようにも感じます。しかし日本国内では、韓国政権交代だけでは簡単に関係が改善しないという見方も多く、国民感情に左右されやすい韓国の指導者は当選後に主張がコロッと変わってしまうこともあり、楽観視できないという冷静な判断も。
また新大統領は歴史認識の溝が深く政治経験も少ないため、日本が韓国に過度な期待をするのは避けるべきという声も日本政権内であがっています。
日本への影響について
韓国は日本にとって輸出、輸入ともお世話になっている貿易相手国。日本から輸出するものには半導体や鉄鋼板、プラスチック、化学原料などが挙げられます。
逆に韓国から輸入するものには精油製品や半導体などがあり、輸出入ともに日本と韓国は産業構造が似ていることが、品目に同じものが多い特徴になっています。
経済的な部分以外でも韓国と日本には文化の結びつきもあり、磁器を作る技術が朝鮮から日本にやってきた歴史も。しかし現在は日本に支配されていた思いが強く、日本の文化を未だに受け入れられない人も多いようです。
新政権で受ける日本への影響はまだまだ未知数ですが、比較的日本に対してもオープンな若年層に支持されている新大統領のため、日韓ともに好感度が期待できるともいえるでしょう。
過去5年間、日韓関係は慰安婦問題をはじめ国交正常化最悪といわれるほどの冷え込み状態が続いていましたので、政権交代で関係が少しでも改善されることは多くの人が期待しているはずです。
難題を抱えてスタートする韓国新政権
就任を5月に控えた尹錫悦(ユン・ソンニョル)氏ですが、韓国国内の雇用問題や経済活性化など、あらゆる難題がある中でのスタート。時代背景に影響を受けたのは韓国も同じ。
失業者の増加をはじめ、自営業や中小企業の収入保障を打ち出すなど、とても前向きに経済立て直しを計画しているとのことです。しかしこれらの公約は前大統領ともさほど違いはなく、新鮮味がないという厳しい声も国内にあるようです。
今回の大統領選挙では得票率1%の僅差であったことから、(※注1)有権者の思いは国内で二つに分かれたともいえるでしょう。韓国の大統領は人気が近くなるにつれ支持率が下がる傾向がありますので、今後の活躍を期待するのは韓国社会も世界も同じなのでしょう。
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まとめ
韓国政権交代で日韓の関係が少しでも改善され、あらゆる面でお互いに助け合う関係が生まれることを期待したいですね。長い日本と韓国の歴史には、双方触れたくない部分もありますが、時代の変化とともに有権者の価値観や考え方が変わってきているのも事実。
政治経験のない人が大統領になるのは、韓国政権でも異例中の異例といわれていますので、今までにはない政治が繰り広げられるのかもしれません。
参照元
※注1:西日本新聞