はじめに
昨今、「サステナブル」が叫ばれるとともに、SDGsが注目を浴びています。
SDGs(Sustainable Development Goals:エスディージーズ)は、日本語で「持続可能な開発目標」と訳されます。
SDGsは、国連に加盟するすべての国が、2016年から2030年までの15年間に渡り、達成に向けて取り組むべきとされる共通目標です。
このSDGsを上手に取り入れることで、持続可能な世界の実現に貢献するとともに、企業は大いに成長することができるでしょう。
今回は、日本におけるSDGsの経済効果や認知度、そして企業に与える影響についてご紹介していきます。
日本と世界の食料自給率を比較!こちらをチェック。
http://research-online.jp/economy/3319/
早期退職、FIRE(ファイア)に必要な貯金はいくら?こちらをチェック。
http://research-online.jp/economy/3121/
SDGsの17の目標とは
まず、SDGsが掲げる17の目標を知っておきましょう。
これらすべて、もしくはいずれかを自社のビジネスと繋げていくことが、これからの時代の成功の鍵となります。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの経済効果
出典:MUFG
次に、SDGsが及ぼすであろう経済効果についてご紹介します。
経団連は、課題解決イノベーションの投資促進をめざし、東京大学、GPIFと共同研究を実施しました。(2020年3月公表)
報告書において、 Society 5.0 の実現、 SDGs の達成による2030年の経済効果・社会的効果を分析予測しています。
分析の基となったのは21世紀政策研究所における慶応大学・野村浩二教授による論文(2020年7月公表)で、それによると2030年に名目GDP900兆円、年平均名目成長率3.5%を見込んでいるとのことです。
また、日本の環境省によれば、SDGsが創出する市場機会価値は年間12兆ドル、日本円にすると約1200兆円。2030年までに創出される雇用は世界で約3億8000万⼈だと推計されています。
企業がSDGsを達成することにより、大きな経済効果や雇用が生み出すと期待されているのです。
※出典:環境省 すべての企業が持続的に発展するために 持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド[第2版]
SDGsの認知度
出典:dentsu
株式会社電通が2021年1月22~25日に全国10~70代の男女計1,400人を対象に行った、第4回「SDGsに関する生活者調査」によれば、生活者のSDGs認知率は54.2%となっています。
2020年1月の第3回調査と比べ、SDGsを認知する人の数はほぼ倍増しました。
学校で学ぶ機会の多い10代のSDGs認知率は、7割を超えています。
職業別では、学生(76.1%)、公務員(70.2%)、会社員(事務系)(64.3%)の順で認知率が高くなりました。
また、専業主婦(夫)のSDGs認知率は42.1%で、学校・職場以外の認知経路も拡大してきていることが示唆されています。
SDGsの認知経路の上位は、テレビ番組(47.3%)、情報WEB(32.0%)、新聞(24.2%)となっています。
さらに、「パンデミック禍を経てSDGsへの関心が高まった」人は32.4%となっており、SDGs商品・サービスの利用意向も高いといえます。
パンデミック禍がSDGs商品・サービス浸透のきっかけになる可能性は大きいのです。
SDGsへの取り組みにより企業イメージは向上する
現在、たくさんの企業がSDGsへの取り組みをアピールしています。
たとえば、TSUBASAグループ 株式会社アイ・エヌ・ジーは以下のような取り組みを行っています(出典:PR TIMES)。
・渋谷で運営しているフリースペースではドリンクバーの使用にマイボトルを推奨
・紙アンケートの廃止
・会員登録時やアンケートの性別回答欄に“その他”を設ける
こういった行動を知った多くの⼈が、企業に対する信用度を上げるのです。
また「この企業で働いてみたい」という意識も芽生えさせ、人材確保の点でも役立つといえるでしょう。
さらに、SDGsには社会が抱えるさまざまな問題が内包されており、いま社会が必要としていることが示されています。
これらを意識することでリスクを回避できる上、地域や企業間での信頼をも獲得することができるでしょう。
それは、新たな事業パートナーと出会いや、新たな事業の創出にも繋がります。
まとめ
日本におけるSDGsの経済効果や認知度、そして企業に与える影響についてご紹介しました。
想像以上にSDGsは国民の関心ごととなっており、パンデミック禍を経て今後さらに意識されていくことでしょう。
これは大きなビジネスチャンスであるとも捉えられます。
もちろん、SDGsへの取り組みは企業に利益を生み出すだけでなく、サステナブルな環境・社会・経済に貢献することとなります。
現代において、一人勝ちを目指すことは得策であるとはいえません。
SDGsを活用し、企業にとっても世界にとってもよい未来へと向かっていきましょう。