2022年6月30日、新型コロナウイルスの感染者が全国で増加傾向とのニュースが流れ、新たな変異ウイルスも気になります(※1)。
このような状況の中、国内の製薬企業や研究機関が協力してワクチンの開発を進めているのをご存じでしょうか?
今回はその中のひとつ、塩野義製薬について紹介します。
この記事の目次
塩野義製薬 について
塩野義製薬は、大阪府大阪市中央区にある日本の大手製薬企業です。病院からの処方せん医薬品や、ドラッグストアなどで販売されている一般用医薬品を主に製造しています。
シオノギ製薬またはシオノギという名前で流通しているため、こちらの名前の方がピンとくる人も多いのではないでしょうか?
日経平均株価やTOPIX Large70、JPX日経インデックス400の構成銘柄にも含まれる企業、銘柄コードは【4507】です。
もともとは創薬型製薬企業
塩野義製薬は、もともと創薬型製薬企業でした。創薬とは、病気の診断・予防・治療などに役立つ新たな薬を開発・製品化する企業のことです(※2)。
1878年(明治11年)、大阪道修町に薬種問屋「塩野義三郎商店」として開業したのが始まりでした。さまざまな薬を開発しており、2010年代の抗HIV薬「テビケイ」や抗インフルエンザウイルス薬の「ゾフルーザ」などを作っています(※3)。
現在は治療や予防分野だけでなく、健康維持や増進などを支援する企業へと変化しようとしています。
ワクチンの開発状況
新型コロナウイルス感染症の爆発的流行が始まったころ、国内でいちはやく治療薬やワクチンの開発を塩野義製薬が表明しました。当時のニュースで注目を浴びたため、記事を覚えている人も多いでしょう。
現在はコロナウイルス感染症の流行を早期収束させるために、国と協力して以下のような2つの開発に取り組んでいます。
- 国内産予防ワクチンの開発
- 国内初めての治療薬の開発と供給
新型コロナウイルス感染症のワクチン開発はどの段階?
塩野義製薬のプレスリリースした情報によると、ワクチンの開発は最終段階で5つの臨床試験を実施しています(※4)。
国内の承認申請に向けて「独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PDMA)との事前評価相談を開始している」との記載もあります。国内開発のワクチン接種が受けられるのは、もう少し先なのかもしれませんね。
日本国内でワクチン開発しているところは5つ
日本国内で新型コロナウイルス感染症のワクチンを開発しているところは、塩野義製薬を含めた合計5つです。
- 塩野義製薬感染研/UMNファーマ
- 第一三共/東大医科研
- アンジェス阪大/タカラバイオ
- KMバイオロジクス東大医科研/感染研/基盤研/Meiji Seikaファルマ
- VLP セラビューティクス
それぞれ速度は違いますが、臨床試験の段階まで進んでいます。
またワクチンの早期実用化に向けて、厚生労働省でも大規模な生産体制がとれるように支援しています。
ワクチン開発の流れについて
ワクチン開発の流れは、大きく分けて3つのステップです。開発はワクチンの安全性や有効性の確認や品質などに留意しつつ、大量生産できるように進められます。
通常はワクチンが開発されるまで、年単位の期間が必要です。そして数億から数十億円もの費用が必要となります(※5)。
- 基礎研究
- 非臨床(動物実験)
- 臨床試験(臨床試験第1相試験から第3相試験まで3つ)
塩野義製薬ではどのような製品を作っているのか?
新型コロナワクチン開発で注目を浴びた塩野義製薬ですが、女性に向けた製品も複数作っています。なかには、皆さんが愛用している商品があるかもしれません。いくつか紹介しましょう。
【シミ・ソバカス対策】シナールシリーズ
女性にとって気になる悩みのひとつは、シミやソバカスかもしれません。シミ予防や、できてしまったシミにアプローチするのがシナールシリーズです。
- 塗ってシミ予防「シナールエクシア ホワイトメディカルエッセンス」
- 飲んでシミ対策「シナールLホワイトエクシア」
- 高純度ビタミンC「シナールEX」
【生理痛・頭痛・発熱】セデスシリーズ
発熱や頭痛、生理痛で外出がつらかったり、家事がおっくうになったりする人もいるかもしれません。頭痛薬を普段から常備している人もいるでしょう。塩野義製薬にはセデスという鎮痛薬があります。
胃にやさしいハイプロテクト、強い痛みにはハイGを利用するといいでしょう。
- セデス・ハイプロテクト
- セデス・ハイG
【うがい薬】イソジン
冬の時期になると欠かせないうがい薬、イソジンも塩野義製薬で作られています。独特のにおいと茶色い液体が少し苦手という人もいるかもしれませんね。
イソジンシリーズには、うがい薬をはじめとして除菌シートやハンドウォッシュ、傷薬・軟膏もあります。
まとめ
ワクチン開発で注目された塩野義製薬は、処方せん医薬品や市販医薬品などを製造販売している会社です。創薬という新たな薬を研究開発するのが主な会社でしたが、現在は病気だけでなく健康維持や増進のためのヘルスケアにも力を入れつつあります。
新型コロナウイルス感染症のためのワクチン開発も終盤にきています。塩野義製薬のワクチンを接種できる日が近いかもしれません。