我々は、日々の暮らしの中でいくつもの生活費を支払っています。節約や資産運用をするためには、これらの出費にも目を向けなければなりません。
ここでは、NHKの受信料の値下げを取り上げます。浮いたお金を投資などに使うためにも、どの程度金額が変わるのかを押さえましょう。
この記事の目次
NHKってどんな会社?
まずは、NHKについて紹介します。幼少期に見ていた方もいるでしょう。NHKは、民放とは異なる特徴を持っています。これまでの歴史と現状から、まずは法人そのものを理解しましょう。
放送法に基づく特殊法人
NHKは、1950年に設立された放送法に基づく特殊法人です(※1)。正式名称を「日本放送協会」と呼びます。1番の目的は、日本全国で公共の福祉のために放送を届けることです(※2)。インターネットの発達に伴い、ネットニュースも提供するようになりました。
NHKで見られる番組には以下のものがあります。
- ニュース
- スポーツ
- ドラマ
- アニメ
- 教育など
地上波のみならず、衛星放送(BS)でも番組を提供しています。
全国民からの受信料を財源とする
NHKの特徴は、全国民からの受信料を財源としている点です。こちらは放送法第64条(※3)を根拠としています。NHKを一切見ていなくとも、テレビを設置している方は原則として受信料を支払わなければなりません。特定の要件が定められているふれあい収納を除き、主な支払い方法は3種類あります(※4)。
- 継続支払い
- 口座振替
- クレジット継続払い
具体的な金額は後述するものの、現行上では口座振替やクレジット払いの方が安くなっています。BSに対応している場合は、費用も上乗せされるため契約時に確認しておきましょう。ただし、生活保護世帯や一部の非課税世帯は免除されるケースもあります(※5)。
NHKプラスでネット配信も提供(※6)
他にも、NHKは「NHKプラス」を提供しています。こちらは、NHKの各番組をインターネットのサイトから視聴できるサービスです。リアルタイムのみならず、番組を見逃した方に対しても配信を行っています。
NHKプラスを利用しても、追加料金は発生しません。ただし、申し込みと認証の手続きを済ませる必要があります。家族数人で暮らしている方は、チャンネル争いも起こるはずです。NHKを定期的に見るのであれば、登録しておいて損はないでしょう。
宣伝や広告が禁止されている
NHKは宣伝や広告が禁止されているところも特徴のひとつです。NHKを見たことがある方は分かると思いますが、番組中にCMは一切挟みません。このルールの根拠は、放送法第83条1項によって示されています(※7)。
とはいえ、番組中に他の企業の名称を出していけないわけではありません。必要がある場合は、企業の名称やロゴが使われる場合もあります。なお、こちらも放送法第83条2項で正式に認められている権利です(※8)。
値下げに至った経緯
国民の払う受信料が経営のベースにあるNHKですが、2023年10月以降に値下げが決定されました(※9)。日本国内での商品の値上がりが続く一方で、注目すべきニュースといえるでしょう。ここでは、受信料の値下げに至った経緯を紹介します。
受信料未払いやテレビ離れが増える
NHKが値下げに至った背景には、受信料未払いとテレビ離れがあります。NHKの受信料は、テレビを設置している方は支払うのが原則です。しかし、未払い者が年々増加しました。2021年度は、支払った世帯が全体で78.9%です(※10)。前年度(2020年度)よりも0.1%減少しています(2020年度は79.0%(※11))。
加えて、インターネットの発達もありテレビ離れが増加しました。こうした理由により、NHKは、テレビ所有者の負担を軽減すべく受信料の値下げを決断します。
NHK受信料が1割値下げに(※12)
具体的な案は、NHKの受信料を1割値下げすることです。改正前と改正後の金額を表でまとめましょう。
改正前 | 改正後 | |
地上契約
(口座振替・クレジット払い) |
月1,275円
(月1,225円) |
月1,100円
(月1,100円) |
衛星契約(BS)
(口座振替・クレジット払い) |
月2,220円
(月2,170円) |
月1,950円
(月1,950円) |
これまで口座振替やクレジット払いでは料金が安くなっていました。しかし、支払い方法にかかわらず料金が一定になる予定です。
月単位では175円(125円)〜270円(220円)程度の値下げでも、1年で見ると約1,500円〜3,000円も変わります。
親の扶養に入る学生は原則免除へ(※14)
他にも、親の扶養に入る学生は免除となる予定です。これまでは大学生で1人暮らしをしている場合、テレビを設置していれば受信料の支払いが必要でした。しかし、ルール改正によりこれらの費用が免除されます。
たとえ大学生でも、浮いたお金にはさまざまな使い道があるはずです。将来の備えのためにも、若いうちから投資を検討してみてもいいでしょう。ただし、コツコツと積み立てるタイプのものを優先してください。
http://research-online.jp/all/economy/14672/
http://research-online.jp/all/life/14008/
http://research-online.jp/all/economy/13848/
まとめ
今回は、NHKの受信料の値下げについて解説しました。あらゆる値上げの報道がなされる中、このように生活費が下がるケースは今後もあるかもしれません。
出費が少なくなるときは、投資を行う絶好のチャンスです。節約以外の方法で資金を貯めたい方は、リサーチ・オンラインへお問い合わせください。