新しい診療としてオンライン診療が始まったのをご存じでしょうか?込み合う電車に乗らず、自宅でゆっくりと身体を休めたまま、医師の診察が受けられる方法があるとしたら利用してみたいと思いませんか?
今回は開始して3年になる、まだ新しいオンライン診療についてご紹介します。
この記事の目次
オンライン診療とは?
オンライン診療とは、スマートフォンやタブレットなどの情報通信機器を使って、診察や薬の処方を受けられる新しい診療方法です。
従来の外来診療では通いにくく、治療を受けられなかった患者を中心に2018年4月より健康保険を使って診療ができるようになりました。受診できるのは、原則「対面での初診を済ませた患者」となっています。
新型コロナウイルス感染症の影響で規制緩和され、初診から受けられるように
現在は新型コロナウイルス感染症が広まり、対面での診療が困難になってきたため、2020年4月10日付(対応は13日より)オンライン診療に対する規制が緩和されています(※1)。過去に受診歴がなくても、初診時からオンライン診療が受けられるようになりました。
薬に対しても薬局や薬剤師との対面の規制が緩和され、医療機関から薬局へFAXなどで処方せんを送り、薬剤師によるオンラインでの服薬指導を受ければ自宅へ薬を配送してもらえるようになっています。
なにができる?
オンライン診療では、インターネットを利用して自宅で診察と薬の受け取りができます。
通常の外来診療では、交通機関を使って時間をかけて病院へ行き、診察の順番が来るまでのあいだ、待合室で他の患者さんと座って待たなければばいけませんでした。診療が済んでも薬が処方されれば、薬局へおもむいて薬を受け取りにいきます。
かかる時間は半日から場合によっては1日かかることも珍しくありません。多くの人にとって、通院は「時間がかかる」「大勢の人と待つ」ことで、憂うつな予定だったのではないでしょうか?
オンライン診療ならば自宅でリラックスして受診できる
オンライン診療が取り入れられれば、長い時間を病院のために費やす必要がなくなり、具合が悪ければ自宅で安静に横になったままで、診察の時間まで待機できます。
薬の処方も、薬局とオンラインでつないで手続きができ、薬は後日宅配で届けられます。オンライン診療が定番になれば、病院へのハードルがぐんと低くなりそうですね。
オンライン診療はすべての病院で受けられるわけではない
現在は新型コロナウイルス感染症の影響で、初診からオンライン診療を受けられますが、今後どうなるかは不明です。
現時点では「初診については原則直接の対面で行うべきである(※3)」と厚生労働省の指針に記載されているため、将来どのような診療方法になっていくのかは、新型コロナウイルス感染症の流行が収まらなければわかりません。
保険対象の疾患
現在オンライン診療で保険の適用を受けられる疾患は、以下のようなものになります。(※4)
全診療科 | 悪性腫瘍物 |
内科/小児科 | 糖尿病 / スフィンゴリピド代謝障害及びその他の脂質蓄積障害 / リポ蛋白代謝障害及びその他の脂(質)血症 / リポジストロフィー / ムコ脂質症 / 思春期早発症 / 性染色体異常 / 甲状腺障害 / 処置後甲状腺機能低下症 |
呼吸器科 | 結核 / 単純性慢性気管支炎及び粘液膿性慢性気管支炎 / 詳細不明の慢性気管支炎 / その他の慢性閉塞性肺疾患 / 肺気腫 / 喘息 / 喘息発作重積状態 / 気管支拡張症 |
形成外科 | ローノア・ベンソード腺脂肪腫症 |
循環器科 | 高血圧性疾患 / 虚血性心疾患 / 不整脈 / 心不全 / 脳血管疾患 / 一過性脳虚血発作及び関連症候群 |
消化器内科 | 胃潰瘍 / 十二指腸潰瘍胃炎及び十二指腸炎 / 肝疾患(経過が慢性なものに限る) / 慢性ウイルス肝炎 / アルコール性慢性膵炎 / その他の慢性膵炎 |
そのほか | てんかん・難病外来・糖尿病透析予防・小児科(特定の疾患)・在宅医療(特定の場合) |
オンライン診療の流れ
それではオンライン診療がどのように行われるのか、大まかな流れについてご紹介していきましょう。
1.診療内容の確認(オンライン診療をおこなっているか?)
オンライン診療は、基本は普段かかっているかかりつけ医へ相談する形となります。かかりつけ医を持っていない場合は、オンライン診療をおこなっている最寄りの医療機関に連絡して確認します。
2.診療予約
医療機関によって予約方法が異なるため、各医療機関のホームページを確認しておきましょう。指定のオンライン診療アプリをインストールして準備しておきます。周囲に人がいない静かな場所(自室)で30分ほど余裕をもって待機します。
3.診察
医療機関とオンラインで接続後、診察が開始されます。最初に(本人確認)健康保険証と顔写真付き本人確認書類の提示が必要です。
4.薬の処方を受けたら
最寄りの薬局を医師に伝えて診察後に薬局に連絡しましょう。薬局によってはオンラインで服薬指導が受けられ、薬が配送できるところもあります。またオンラインの服薬指導をしていない薬局もあるため、確認しておくといいでしょう。
まとめ
オンライン診療は2018年4月より健康保険の適用で利用できるようになりました。新型コロナウイルス感染症の広がりとともに、2020年4月から規制が緩和されて更に利用しやすくなっています。
今後どのような形でオンライン診療が受けられるようになるかはわかりませんが、感染リスクを抑えて診療が受けられるのはメリットがとても大きいです。いざというときには、オンライン診療という方法があることを覚えておいてくださいね。