オリンピックの跡地利用はどうなる?過去の例でわかる経済影響について

はじめに

オリンピック跡地はどう活用されているのか、東京2020オリンピック開催に伴い、終わった後の各会場の使い道は少し気になるところです。
 
オリンピックが開催された場所となると、それだけでもかなり知名度があり、経済効果は将来的にも得られそうな気がします。
実際のところはどのような活用方法や経済影響があるのか、過去の例をもとに詳しく見ていきましょう。
 

東京オリンピック開催による購買意欲への影響は?こちらをチェック。

http://research-online.jp/economy/3088/
 

東京オリンピックによる土地価格への影響や経済効果はこちらをチェック。

http://research-online.jp/economy/2886/
 

選手村マンションの販売予定について


オリンピック跡地を活用するため、東京2020の場合は選手村跡地のマンション販売が計画され、五輪終了後に改装工事をしてから購入者に物件が引き渡される予定です。
 
「晴海フラッグ」と呼ばれるこのマンション。
オリンピック跡地の活用方法としてはかなりの話題を集めていますが、東京2020は時代背景により開催をためらった経緯もあり、マンションの価格もあらゆる憶測を呼んでいます。
 
選手村は銀座駅から2.5km、東京駅からは3.3kmというロケーションで、湾岸立地で最寄り駅は都営大江戸線の勝どき駅。
徒歩で20分ほどかかる少し孤立感のある場所です。
 
売れ残りが出るだろうという不動産関係者の意見も多かったのですが、滞在している選手によるSNSでの発信により、晴海フラッグ人気が密かに高まっているとのことですね。
 
インスタグラムで選手村のベランダからの眺望を投稿する人。
開放的なビル群の眺めに、マンション購入を考える人もいるかもしれません。
 
また新国立競技場周辺は、すでに東京体育館やラグビー場などの運動施設がありますので、このようなロケーションを考え、オリンピック跡地はスポーツの拠点として活用する案もあるようです。
 

シドニー大会の跡地

2000年にシドニーで開催されたオリンピック跡地は、環境配慮をコンセプトにしたことが特徴で、緑地地域が半分以上を示すシドニーオリンピック公園として活用されています。
 
大会終了後に跡地開発が着々と進み、運動公園だけでなく住宅街やオフィスなども考慮した複合都市的開発となり、「クアド・ビジネスパーク」と呼ばれる5階だけのオフィスビルも整備。
 
オリンピック終了後、8年が経過してから、オーストラリア最大手の銀行が大規模なオフィス建設も行っています。
 
シドニーオリンピック跡地の活用ぶりは、予定通りに新たなビジネス拠点や公園として賑わい、ビジネスイベントの会場としても活用。
2012年からはタワーマンション建設も進み、新しい街が誕生したともいえます。
 

リオデジャネイロ大会の跡地

世界が注目するオリンピック。
開催国は巨額な予算で会場を整えるため、オリンピック跡地としてもできれば最大限に活用したいのはどこも同じでしょう。
 
まだ記憶にも新しい2016年のリオデジャネイロ大会は、現地会場は廃墟化しているという話もあります。
オリンピック村は高級コンドミニアムとして改築され販売されたものの、買い手が見つからず、空き家のまま放置状態。
 
世界最大規模と呼ばれたサッカーのマラカナンスタジアムは、巨額な電気代の未払いやマネージメントの争いなどが原因で閉鎖状態になっています。
 
五輪会場のひとつであったカリオカ・アリーナも廃墟化して、現在は活用されていない様子。
これだけの敷地に建設された建物や敷地は、資金や計画次第では新たな都市計画になるはずなのでしょうが、関係者の取り組み次第ではゴーストタウンのように廃墟化する可能性もあるということなのです。
 

ロンドン大会の跡地


2012年に開催されたロンドン大会は、メイン会場のクイーンエリザベス・オリンピックパークがとても有名です。
 
ロケーションとしては、東京駅から夢の島公園ほどの距離で、オリンピック施設を建設する前は古い工業地帯。
 
土壌汚染や廃棄物投資などが課題でしたが、大会終了後は再開発を担う大手機関が設立され、オリンピック跡地の活用は着々と計画されました。
 
ロンドン大会では、競技施設は最初から大会終了後に残さない計画で仮設の状態で整備。
スタジアムは8万席の観客席を5万4千席に減らし、残りは撤去しました。
 
ホッケー会場は、オリンピック公園内の違う場所に移動して、ショッピングモールをオープン。
モールがあるエリア内には、ロンドン交通局や金融機関、政府関連の施設の移転も決定したのです。
 
選手村は3300室建設されましたが、オリンピック跡地として2818戸の住宅として販売。
そのうち半分は低中所得者向けで、生活に必要な設備も完備されました。
 
学校も併設され、合わせて教育施設も開校しています。
ロンドンのオリンピック終了後は、理想的な活用がされているといえますね。
 

まとめ

有名な選手が金メダルを獲得した場所、選手が滞在した選手村と、開催国にとっては色々な思い入れがあるオリンピック跡地。
 
多様な人々が大会中に交流した場所なので、新しいコミュニティとして快適な生活の一部に変わってほしいものですね。
 
外国人観光客数が増えている東京。
オリンピックがさらに火付け役となり、跡地の開発も世界的に注目されるとよいのですが、現実的には色々な問題も抱えている様子です。
 
今後は長い目で東京オリンピック跡地の開発ぶりを見守っていくことになりそうですね。

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