なぜコンビニチェーンはドミナント戦略を採用するのか?問題点は?

出典:ESTANi
 

はじめに

街中や地域の中で同じコンビニチェーンの店舗同士がすぐ近くにあるのを見かけたことはありませんか?
 
「なぜこの距離で同じコンビニがあるのだろう?」と疑問を持った方もいるかも知れません。
この記事ではコンビニチェーンが採用するドミナント戦略について解説します。
 

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ドミナント戦略とは


出典:社会人の教科書
 
同じエリア内に同じコンビニがいくつも出店している光景。
一見無駄ではないかとも思える光景ですが、それはドミナント戦略という経営戦略なのです。
 
ドミナント戦略とはどのようなものか、まずはその概要から見ていきましょう。
 

ドミナント戦略とは

コンビニチェーンやフランチャイズの経営手法のひとつで、エリアを限定し、集中的に店舗数を拡大していく戦略です。
 
新しく出店計画を立てる場合は、その地域の特性、人口や年齢、家族構成や所得、競合他社の店舗、立地、交通アクセスなど様々な調査をします。
その調査結果から出店の最終的な判断がされます。
 
出店が決まれば計画が進みますが、出店するのは1店舗だけではなく、そのエリアの売り上げを占有するために複数の店舗を出店します。
そのため狭いエリア内に同じ店舗が複数見受けられるようになるのです。
これがドミナント戦略の概要です。
 

ドミナント戦略のメリット


 
企業はドミナント戦略を採用することでどのようなメリットがあるのでしょうか?
アメリカのスーパーマーケット大手、ウォルマートも採用し業績拡大の要因となったドミナント戦略の大きなメリットを見ていきましょう。
 

地域の特性に合わせた販売戦略がたてられる

エリアの人口・年代・家族構成などに合わせた最適な販売戦略を立てることができます。
そのエリアの消費者のライフスタイルに合った戦略を継続的に広げていくことができます。
 
立地や混雑する時期、時間の分析も容易になるので人件費などのコスト削減にもつながります。
 

エリアを独占することで認知度が高まる

同一エリアに複数の店舗を構えることで消費者からの認知度が高まります。
商圏を絞ることで消費者を囲い込み、売り上げを占有することができます。
 
消費者は見慣れた店舗に安心感を覚えるので、地域に根付いた店舗となることが可能です。
 

競合他社の参入を防ぐことができる

ドミナント戦略を展開することで競合他社の参入障壁が高くなります。
消費者の行動は習慣化されているので、「いつものお店」で買い物をすることが習慣になっています。
 
そのようなエリアに新規店が参入し、売り上げを立てていくことは容易ではありません。
ドミナント戦略では他社との競争で疲弊することがなくなります。
 

広告・マーケティングの効率化ができる

同一エリアの消費者をターゲットにすることで、効率的な宣伝をうつことが可能になります。
エリアの消費者の特性をつかみやすく、複数店舗で同様の顧客を抱えているのでマーケティングにかかるコストも少なく抑えることができます。
 

商品配送の効率化

エリア内に高密度で店舗展開をすることで商品の配送が効率的になります。
効率の良い配送スケジュールを組むことで人件費や輸送車両にかかるコストも抑えることができます。
 
また、エリアマネジャーなどの地域統括者の巡回も効率的に行うことができます。
 

ドミナント戦略のデメリット

どのような経営手法にもデメリットはあり、ドミナント戦略も例外ではありません。
次はドミナント戦略のデメリットについて見ていきましょう。
 

市場の変化が全店舗に影響する

商圏を絞った店舗展開をしているので、エリアの市場の変化が全店舗に影響してしまいます。
エリアの人口推移や顧客の年代の変化によるニーズの減少などの細かな変化でも、多店舗になればその影響も大きくなります。
 
また、自然災害の発生にもエリアの店舗全体で影響を受けることになります。
万が一、大きな自然災害が発生した場合は売り上げにも壊滅的な影響が出ることが予想されます。
 

自社店舗同士で顧客の奪い合いになる

ドミナント戦略では出店計画を誤ると自社店舗同士で顧客を奪い合うことになりかねません。
特にコンビニチェーンで採用されているフランチャイズ展開ではその影響は顕著に現れています。
 
自社店舗同士での顧客の奪い合いのことをカニバリゼーションと言い、行き過ぎたドミナント戦略はフランチャイズ展開をする上での課題となります。
 

まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
この記事ではコンビニチェーンが採用するドミナント戦略について解説してきました。
 
ドミナント戦略には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
それでもドミナント戦略が採用され続けているのはデメリットを上回るメリットがあるからではないでしょうか。
 

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