日本では子供のころから協調性を重んじるところがあります。でもそれは協調性ではなく、同調性かもしれません。
同調性とは「他のものに調子を合わせること」、協調性は「利害や立場の違う者同士が互いに譲り合って調和していこうとすること」とあります。
日本人の特性もあるのかもしれませんが、多数派の意見に合わせるほうの同調性をおこなっている人が多いように感じますね。
この記事の目次
同調圧力とは
同調圧力とは「集団において、少数意見を持つ人に対して周囲の多くの人と同じように考えて行動するよう暗黙のうちに強制すること」(※1)とコトバンクには記載されています。
「納得して決める」と「我慢して合わせる」には大きな違いがある
自分が納得していないのに他人に無理やり合わせるのは、協調ではなく我慢です。得てして同調圧力とは、「納得」よりも「我慢」して誰かに合わせるほうに使われます。
我慢が体に与える影響は、計り知れないものがあります。我慢するということは、まずストレスがかかっている状態になります。
ストレスの原因となるケース
人がストレスと感じるものには、さまざまなケースがありますね。大勢で混雑した電車の中、騒音、人間関係や、ときにはインターネットのSNSにまでストレスを感じることもあります。
社会で必要なルールやマナーを守って、日常を過ごすのは大切です。しかし度を越した要求は、ルールやマナーではありません。
たとえば、終業後の定期的な飲み会やゴルフ、愚痴を言い合う同僚とのランチ……。
気の合う同僚との楽しいひと時ならば、ストレス解消にもってこいですが、気の滅入るようなお付き合いは苦痛にしかなりません。
過度のストレスは体を壊す一因になる
嫌だと思いながらも我慢して付き合い続けていくと、ストレスはそのうちに「キラーストレス」と呼ばれるものに変容していくことがあります。
キラーストレスになると、血管や脳を破壊したりガンを悪化させたりなど、病気に悪い影響を与えることがわかっています。自律神経失調症になったり、うつ病になったりするのも、ストレスが過多にかかるのが一因ともいわれていますね。(※2)
社会人として、また成熟した大人として成長するために適度なストレスは必要ですが、身体の変調をきたすまで我慢するのはよくありません。
それでは過剰なストレスになる同調圧力から自分を守るには、一体どうしたらいいでしょうか?
同調圧力に屈しない方法
同調圧力に屈しないというと、同調圧力に抵抗することだろうか?と不安になる方もいるかもしれません。しかし抵抗には大きなエネルギーが必要です。
相手からの圧力に疲れている人が、さらに力を出すなど無理でしょう。そこで相手の圧力を受け流す方法を考えてみました。
ノートに書いてみる
どのような同調圧力が自分にかかっていて、どの部分がもっとも疲れる原因になっているのかをノートに書きだしてみましょう。
とくに何に対して嫌だと感じているのか注意して書いてみてください。
紙に書きだすことで、自分の考えていることが明確になり、客観的に自分を見つめることができます。原因が明確になり、対策について考えられるようになるかもしれません。
また、書くこと自体がストレス解消になりますので、おすすめですよ。
疲れる原因から自分を離す
ストレスに感じている原因から、離れる方法を考えてみましょう。
たとえば、定期的な飲み会やゴルフが憂うつならば、あえて習い事を同じ時間帯に入れてみるのもいいかもしれません。
ヨガやジムなどで体を鍛えたり、ベランダやお部屋でガーデニングを楽しんだりするのもおすすめです。花や緑にはストレス軽減効果があるそうですよ。(※3)
同じお金を使うなら、自分のスキルアップのために使ったほうがいいですよね。
おうちでのんびり過ごすのも、心の回復には大事なことだと覚えておきましょう。「私用がありますので、お休みします」と断るのも、ときには大切ですよ。
少数派であることに自信を持つ
人と違うことに劣等感を抱く必要はありません。
多数派がいることで、会社や社会の方向が決まって動いていきます。しかし、多数派=正義ではありません。
時には、少数派の思わぬ意見がきっかけで新しい商品やサービスが生み出されることもあります。多数派も必要ですが、少数派がいるからこそ変化が生まれるのです。
エジソンやアインシュタイン、イーロン・マスクは少数派(マイノリティ)から生まれました。
世の中の発明は少数派から生まれています。偉人のようにはなれないかもしれませんが、少数派であることに自信を持ちましょう。
転職する
理不尽な同調圧力を受けている職場なら、思い切って転職するのもありです。終身雇用制度が崩れ、今までとは違った新しい職業も生まれてきています。
AIの発達により、消えていく職業もあります。一つの職場・一つの仕事に固執するよりは、転職をしてさまざまな職業を経験するほうが自分にとってメリットになるでしょう。
まとめ
日本では同調性や協調性を重んじてきました。また小学校のころから協調性を大切にし、みんなで何かを成し遂げることを重要視してきたため、ひとりだけ違うことに対して特に過敏になる傾向があります。
同調圧力を受けていると感じるならば、原因を探して上手に受け流せるようにしてみましょう。それでもうまくいかなかったら、思い切って転職する道もあると気楽に構えていきましょうね。