選挙による賃金上げ、実際どうなる?

日本はここ数年で、平均賃金が少しずつ減少しています。新型コロナウイルスの到来により、企業の運営が厳しくなったことも理由のひとつとして挙げられるでしょう。

雇用の環境を是正するうえでも、政策である程度景気を上げることが重要です。ここでは、賃金上げを掲げている政党について紹介します。選挙の結果次第では、今後の経済状況にも大きな影響を与えるかもしれません。 

選挙はいつある?

次の参議院選挙は2022年7月10日(※1)に行われます。6月23日から期日前投票が開催されている(※2)ため、当日に予定がある人は事前に投票を終わらせましょう。

前回の衆議院選挙では、自民党が大勝して与党となりました。仮に、参議院選挙でほかの政党が票を多く獲得した場合は、国会で2つの党が指揮を採ります。この状況が「ねじれ国会」です。

衆議院と参議院でトップの政党が変わると、法案がじっくりと審議される可能性も高まります。一方で、お互いの主張が通りづらくなり、政策の実現までに時間を要する点がデメリットです。

とはいえ、選挙の結果によっては賃金も大きく見直されるかもしれません。自分の考えに合っている政党を選びましょう。

賃金上げを公約しているところはどこ?

ここで、賃金上げを公約(マニフェスト)としている政党について紹介します。該当するところは下記のとおりです。 

  • 自民党
  • 公明党
  • 立憲民主党
  • 国民民主党
  • 日本共産党
  • れいわ新選組
  • 社会民主党

それぞれの公約を簡単にまとめましょう。

「新しい資本主義」を掲げる自民党

自民党は「新しい資本主義」を掲げ、賃金上げへ本格的に取り組むと主張しています。最も重視しているポイントは「人への投資」です。金融資産の購入を促すことで、経済全体の強化を図ります。 

しかし、自民党の賃金上げの政策では、具体的な金額の目標は明らかにされていません。6年前の最低賃金1,000円の目標も公約に明記しなかった(※3)と報じられており、慎重に判断していることがうかがえます。

最低賃金930円から1,000円超えを目指す公明党

公明党の場合は、最低賃金を「930円から1,000円超え」に上げる(※4)と主張しています。2012年から自民党と連立政権を結んだことが大きな注目を集めました。

2022年現在も解消しておらず、公約には「人への投資」のワードがあります(※5)。自民党に代わって、より具体的な基準を示したといえるでしょう。

消費の促進で賃金値上げを図る立憲民主党

立憲民主党の公約では、賃金上げを総合的な政策で目指すと意気込んでいます。具体的に最低賃金をどこまで上げるかは明確にしていませんが、正社員を増員した企業に対する社会保険料の引き下げ(※6)にも着目しました。 

消費税の減税にも目を向けており、全体的に消費を促進させると公言しています。立憲民主党側は現時点の金融政策や円安の改善を急いでいる点も特徴です。

「給料が上がる経済」を目指す国民民主党

国民民主党は消費税の引き下げや物価高騰の対策の側面から、「給料が上がる経済」を目指します。自民党や立憲民主党と同様に、最低賃金をいくらまで上げるかは明示していません。

国民民主党の特徴は、「インフレ手当」として一律10万円の現金給付に触れている(※7)ことです。また、立憲民主党とは反対に「金融緩和は維持すべき」だと考えています。

最低賃金1,500円を目指す3党(※8)

最低賃金1,500円を目指す党は3つあるため、まとめて紹介します。1,500円までの引き上げは、日本共産党とれいわ新選組、社会民主党が掲げている公約です。

日本共産党と社会民主党は大企業の内部留保に課税しようと取り組んでいます。一方で、れいわ新選組は消費税の廃止と春夏秋冬の年4回で、10万円給付を主張している点が特徴です。

直接は明言していないものの経済政策に取り組む政党

日本維新の会やNHK党に関しては、賃金上げの話はとくに取り上げていません。ただし、異なる見方で経済政策の案を掲げています。例えば、日本維新の会は毎月一律給付する「ベーシックインカム」の導入(※9)を狙う政党です。

NHK党の場合は、消費税や社会保険料の引き下げを重点的に考えています(※10)。双方とも、「家計の負担の軽減」に重きを置いているといえるでしょう。

実際、企業はどうなる?

では、実際に賃金上げの政策が行われると企業はどうなるのでしょうか。まず、考えられることは人件費の負担増です。企業によっては、あまり利益が出ない月でも費用が大きくなるかもしれません。

一方で、日本全体の経済状況が改善されれば、賃金上げによる負担も軽減される可能性があります。どの政策が景気に結びつくか、慎重に投票することが大切です。

http://research-online.jp/all/economy/4094/

まとめ

各政党の賃金上げ政策が、どのような結果をもたらすかは正確にはわかりません。どの公約も見方を変えれば、メリットやデメリットがあるものです。選挙の投票に「正解」はありません。

しかし、今後の日常生活に良い影響を与えるためには、積極的に選挙へ参加しようとする心構えが必要です。当然、必ず意思が反映されるわけではないものの、政治や経済に興味を持つきっかけとなるでしょう。

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