青色申告という言葉を聞いたことがある人は多いはずですが、そもそもどのような人が対象になる申告なのかわからない人も多いはず。そこで今回は、確定申告の際によくいわれる青色や白色の違いについて詳しくご解説していきましょう。
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この記事の目次
青色申告とは何か?
毎年やってくる確定申告の時期。そもそも確定申告はひとつではなく、大きく分けると「青色申告」と「白色申告」があります。なぜ種類が異なるかというと、それぞれの申告には違った税制上の優遇措置や必要な書類などがあるため。
青色申告とは日々の取引を記録する帳簿があり、その帳簿に沿って確定申告を行う方法です。青色申告の大切なポイントは、「正規の簿記の原則に従い作成された帳簿」が義務づけられていること。
青色申告は複式簿記が原則で、確定申告の際は貸借対照表や損益計算書の作成が必要になります。このような帳簿づけがあるため、少し手間になるのは想定内かもしれません。その代わり青色申告で確定申告をすると、多くの節税メリットが期待できることが特徴です。
どんな人が青色申告をするの?
青色申告は、個人事業主だけが対象になっているイメージがありますが、給与所得者の会社員も対象になる所得がある場合は青色申告が可能です。
青色申告ができる人の所得は、まず自由業や小売業、農業や漁業などの「事業所得」、アパートやマンション経営の「不動産所得」、所有する山林伐採による「山林所得」があります。
逆に青色申告で確定申告ができないのは、会社の給与や退職金、不動産や借地権などを譲渡した場合の所得、雑所得などが含まれます。
10万円と65万円の控除の違いについて
青色申告の確定申告は節税のメリットがあり、青色申告特別控除10万円もしくは65万円の利用が可能です。青色申告の保存帳簿で必要なのは、10万円控除の場合は「現金出納帳・売掛帳・買掛帳・固定資産台帳・経費帳」、65万円控除は「現金出納帳・売掛帳・買掛帳・固定資産台帳・総勘定帳・仕訳帳」と種類が多くなることが特徴。
不動産所得の用件としては、マンション1室以上は10万円控除、アパート10室以上、貸し家5棟以上は65万円控除など、それぞれの条件があります。
青色申告のメリットとデメリット
青色申告の一番のメリットは特別控除があること。収入から10万円もしくは最大65万円まで控除されるため、節税効果がかなり期待できます。また生計を同一にする家族の給与も全額必要経費にでき、上限設定はありません。
また個人事業主などにとってもメリットになるのは、赤字を3年間繰り越せること。このメリットは、1年目と2年目に赤字で3年目に黒字でも、3年目の事業所得はゼロにすることが可能です。
他にも青色申告のメリットは、30万円未満の減価償却資産は一括資産、自宅がオフィスなら、家賃や光熱費の一部は経費計上できること。デメリットとして注意したいことは、青色申告はすぐにできず、その年の3月15日までに管轄の税務署に「青色申告承認申請書」と「開業届」を提出しておくことが必要です。
また65万円の控除を受けるには複式簿記の知識が必要になりますので、苦手な人は会計ソフトを使わざるを得ないこともあるでしょう。また基礎控除分の48万円を下回っても、青色申告は確定申告をしなければなりません。
白色申告とは何か?
白色申告は、青色申告のような面倒な帳簿づけがありません。青色申告は事前に開業届と青色申告承認申請書の提出が必要ですが、この手続きを事前にしない場合は白色申告になります。
確定申告で提出するものは青色申告よりも少なく、「確定申告書B」と「収支内訳書」の2点。帳簿づけは必要ですが、簡易簿記で記帳できるため複雑な簿記の知識がなくても可能です。
個人事業主でも青色申告ではなく白色申告をしたほうがよいケースもあります。たとえば高額医療費を支払った場合や、年の途中で退職した場合、本業以外で源泉徴収される場合など。
基本的に事業で利益がある場合は、青色申告のほうが節税効果は期待できるものの、記帳の手間が少ないため事業主のビギナー向けともいえます。
白色申告のメリットとデメリット
白色申告は事前申請が不要なことはメリット。また複式簿記の手間がないことも、書類の作成で負担が減る理由です。ただ確定申告の際に申告書に合計額をまとめて記載するので、毎日の帳簿づけが軽減されますが、全く記録が不要ではない点は注意が必要でしょう。
またデメリットは、青色申告のような税金の軽減メリットがありませんので、事業収入がある場合は白色から青色に変更したほうが節税できることもある点。どちらを適用するか考えることも多少の負担にはなるでしょう。
まとめ
青色申告で確定申告する際は、手間がかかるから白色申告にしようとは、簡単には決断できない部分が色々とあります。それぞれに適した条件や、申告をするための要件を満たしているかどうかをまずは判断してみましょう。
わからない時は税務相談など、自治体の窓口などにアドバイスしてもらうこともオススメです。