2022年5月5日、岸田総理はロンドンの金融街で次の言葉を述べました。Invest in Kishida.(インベスト イン キシダ。)日本語で、岸田に投資してくださいという意味になります。つまり、日本に投資をしてくださいと、世界の投資家に呼びかけました。
この発言の意図は、2022年から低迷している円安や成長率が鈍化し、世界の投資家から期待されなくなっている現状を受け、日本に資金を集めようというものだと推測されます。
そして、国内では貯蓄から投資へ促す資産所得倍増プランをおこなおうと計画を練っている段階です。資産所得倍増プランの目的は、日本国籍である個人や家計がもっている金融資産の割合を見直し、日本人のもつ資産を上げて、同時に国力も上げていく必要があります。
また資産所得倍増プランとともに、新型コロナウイルスの規制緩和を発表して、世界の投資家たちが安心して日本に投資していただけるように呼びかけました。
資産所得倍増プランとは
資産所得倍増プランとは、日本の家計の金融資産の構成比率を考え直そうという考えで、2022年5月5日に岸田総理が発表したプランです。
2021年末、日本の家計の金融資産の半分を預貯金が占めるという割合になっていました。国民の貯蓄率が増加すると、経済は低迷する傾向にあることから、日本の家計の金融資産の割合と諸外国の家計の金融資産を岸田総理は鑑みて、お金を貯めることより投資に回すように計画を立てました。
日本に籍のある個人の総金融資産額はおよそ2000兆円に上ります。岸田総理はこの2000兆円に目をつけました。この10年間でアメリカは家庭における金融資産を3倍にし、イギリスは2.3倍に増やしたように、個人がもつ資産をうまく運用して諸外国に追随しようと考えたのです。(※1)
しかし、預貯金以外の金融商品は元本が保証されているものは少なく、投資は資産が減ってしまう可能性もあります。果たして、投資を推進することが日本の国力アップにつながるのでしょうか。
私たちにできること
資産所得倍増プランを打ち出した岸田総理ですが、私たちにできることは限られています。それが、自分の資産は自分で守っていくことです。自分の資産を隣の誰かが守ってくれる訳ではありません。
政府が貯蓄をするより投資をするように推進してきたとしても、自分の頭で現状を整理して、未来を予測していく必要があります。仮に政府の言うとおりに投資をおこない損をしたとしても、政府が損した金額を全額負担してくれる可能性は限りなく低いです。
投資を推進していく政府になっていく可能性は高いですが、結局自分がどうしていくべきかを判断していかなければならないのです。どう行動しても、最後は自己責任となります。
資産運用をおこなう際は、明確なゴールや短期的な目標を決めておくといいでしょう。60歳までに2000万円分の資産を目指すであったり、30歳で家を建てるからその頭金1000万円を用意するだったりと、人によって設定する目標はさまざまです。
金融商品は数多く存在し、利回りやリスクも異なります。そのため、どの金融商品が自分に適しているかを判断して運用していく必要があるのです。
政府は預貯金以外の金融商品への投資を推進していますが、預貯金が絶対悪というわけではありません。2022年時点、預貯金は利回りこそ高くありませんが、元本が保証されているため安全性が他の金融商品よりも高いです。
ただし、銀行の利率はかなり低いため、元本は保証されているものの、投資のようにさらなる利益を得ることは難しいでしょう。効率的な資産運用として、投資を選択するのもおすすめです。
まとめ
2022年5月5日、ロンドンの金融街にて岸田総理は、Invest in Kishida と呼びかけ、日本に投資をしてほしいと世界の投資家たちにアピールしました。岸田総理が2022年現在考えている計画は、資産所得倍増プランです。
このプランの目的は、個人や家庭がもつ金融資産を増やすことです。そのため、今まで多くの日本人は預貯金をおこない資産運用をおこなってきましたが、メインの金融資産を預貯金以外の金融商品に変えていこうと推進しています。
日本に籍がある方の個人の総金融資産額はおよそ2000兆円とされていて、この2000兆円を投資に回して運用していくことで、アメリカやイギリスのように家庭や個人の金融資産を増やしていこうとしています。
資産運用をおこなう際は、明確なゴールを決めておくと良いです。明確なゴールを設定しておくことで軸がブレることなく、ゴール達成のために資産を運用していくことができます。
私たちにできることは、自分の資産を自分の力で守っていくことです。投資を勧めている政府ですが、政府は全責任を取るわけではありません。責任は投資をおこなった自分の責任になります。したがって、自分の目で見て、自分の頭で考えて、運用方法を決めていくことが必要です。