はじめに
公的医療保険制度は日本の自慢でもあり、諸外国の医療制度よりも充実しているため、私たちは安心して気軽に医療機関に通うことができます。
日本では原則的に、国民全員が公的医療保険に加入することになっていますが、全ての医療費が対象にならないことはご存知でしたか。
そこで今回は、公的医療保険制度で対象外になる費用について焦点を当ててみましょう。
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公的医療保険制度について
日本の公的医療保険制度とは、ケガや病気で医療機関に行った時、医療費の一部を健康保険が負担してくれるありがたい制度です。
加入している人は「健康保険証」が交付され、受診する際に医療機関の窓口で提示していますよね。
この制度は患者の医療費負担を軽減する目的で、国や地方公共団体、また企業などが費用の一部を負担。
公的医療保険制度の対象になるのは国民全てで、被保険者に合わせて「国民健康保険」「健康保険組合」「全国健康保険協会」「共済組合」「後期高齢者医療制度」がありす。
窓口での自己負担額
公的医療保険制度で対象外になるのは、窓口で支払う自己負担額があります。
医療費は全額保険組合などが支払ってくれるわけではなく、医療費の3割は自己負担となりますので、1万円の医療費なら自腹で3,000円は医療機関の窓口で支払うことになります。
75歳以上になると、負担割合は収入により異なり、原則は1割負担。未就学児は市町村により、独自で全額負担してくれる場合もあります。
先進医療
ガン治療などで行われる「先進医療」とは、厚生労働大臣の承認を受けた特定の大学病院などで研究や開発がされ、実施されている医療技術のこと。
将来的には公的医療保険制度で対象になるといわれていますが、現在は全額自己負担になっています。
ただし先進医療を受ける場合、診察や検査、投薬などは健康保険が適用。
治療の種類によっては、先進医療を受けると200~300万円ほどの高額になるケースもあります。
入院に関する費用
手術や治療のために医療機関に入院が必要になった場合、公的医療保険制度があるのでさほど心配はないだろうと安心する人も多いはず。
しかし健康保険が適用されるのは、治療に必要な診療に限られていますので、入院にかかる食事や日用品、交通費などは自己負担になります。
その中でも大きいのが「差額ベッド代」と呼ばれるもので、この費用に関しては病院が自由に設定できることが特徴です。
設備が充実している医療機関なら、1日20万円ほどベッド代がかかる場所もありますので、かなり差がある費用といえるでしょう。
一般的には4人部屋の場合、平均で約2,440円、個室平均は約7,837円という説がありますが、差額ベッド代は個室を希望した場合に請求されますので、必ず同意書を確認しておきましょう。
同意なく病院側が勝手に個室に入院させてしまった場合は、基本的に差額ベッド代は支払わなくてもよいとされています。
マッサージも注意が必要
整骨院で腰痛改善のためにマッサージをしてもらおうと公的医療保険制度を使っても、対象外になる場合があるので注意しましょう。
健康保険が整骨院で使えるのは、急性のケガをした時。具体的には骨折、捻挫、打撲、挫傷、不全骨折、脱臼などが公的医療保険制度の対象になります。
また柔道整復師は医師ではないので、整骨院から接骨院に通う場合は、医師の診断を受けて同意を得ることも必要です。
整骨院で日常的な腰痛や肩こり、慢性的な体の痛みのためのマッサージは健康保険の対象外。
適用が認められない場合は全額自己負担になるので、事前に確認しておきましょう。
美容目的の治療
近年人気がある医療クリニックの脱毛など、病気ではない美容目的の治療は、公的医療保険制度の対象外になる場合がほとんどです。
そもそも健康保険は、治療が必要な病気やケガが対象であり、国が保険診療として認めたものだけ。
そのため美容外科治療の保険適用は少なく、全額自己負担でかなり高額になる施術もあります。
ただし生まれつきの病気ややけど、ケガなどは形成外科で保険適用になりますが、厚生労働省の薬事審査で承認されていない治療方法や機器は健康保険の対象外になります。
たとえば豊胸手術、二重瞼手術、シミとりやリフト手術など。これらの美容的な治療は緊急性がなく、ケガや病気のような治療の必要性はないと判断されます。
出産費用
出産費用はケガや病気とは違いますので、公的医療保険制度の対象外になっていますが、帝王切開や妊娠中毒症などは保険が適用されます。
また出産費用に関しては、何十万円もの負担を軽減するため、健康保険から出産一時金が支給されますので出産費用はかなり負担が楽になるでしょう。
育児に関する公的な補助もたくさんありますので、少子化をストップさせるためにも出産費用などは事前に確認しておきたいですね。
まとめ
公的医療保険制度は、医療費の負担が楽になるシステムですが、長期的な治療が続くと高額な医療費の請求がされることもあります。
そのような万が一の備えのために、民間の保険に加入しておくことも方法ですね。