はじめに
たばこの値上げは、喫煙者への影響が一番大きいと想像できますが、過去に何度も値上げが続く「たばこ」は、コストのために禁煙を考える人も少なくないはず。
喫煙しないから大丈夫という人も、実は注目しておきたいたばこ値上げのニュース。
経済的にはどのような影響があるのか、詳しくご解説していきましょう。
最低賃金引き上げによる経済効果や問題点はこちらをチェック。
http://research-online.jp/economy/3380/
キャッシュレス決済のメリットや種類について解説。こちらをチェック。
http://research-online.jp/economy/1848/
たばこ値上げの概要について
2021年10月1日に、たばこ税が増税されるというニュースを聞き「またたばこ値上げ?」とショックを受けている喫煙者はとても多いでしょう。
たばこ税が増税されてしまうと、たばこ会社も商品の値上げを考えずにはいられないはず。
近年利用者が増加している加熱式たばこも、今回の増税で値上げするという各社の発表があります。
大手メーカー、PMJ(フィリップ・モリスジャパン)やJT(日本たばこ産業)はたばこ値上げに伴い、財務省へ小売定価改定の認可申請をして認可されています。
現在の予定では、JTは各商品30円~110円アップ、BATJ(ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン)は各20円~100円アップ、PMJは各10円~100円アップとのこと。
JTの場合で見ると、紙巻たばこ127銘柄、葉巻たばこ18種類、かぎたばこ22種類、パイプと刻みたばこ3種類・加熱式50銘柄の合計223銘柄が値上げ対象になっています。
人気商品の加熱式たばこ「メビウス・プルーム・テック専用」は、現在540円~570円に料金改定の予定です。各社取り扱う銘柄数はとても多く、たばこ値上げはあらゆる影響を受けるものと思われます。
喫煙者にとっては数十円値上げされるだけでも、決していい気分にはならないでしょう。
たばこ値上げ推移について
たばこ値上げにはどのような料金改定があったのか、直近の推移について見ていきましょう。
JTの主力商品である「セブンスター」。
2018年10月の改定で40円アップして500円、2019年10月の改定で10円アップの510円、2020年10月の改定で50円アップの560円。
そして2021年予定は40円アップで600円になると見られています。
たばこ1箱が600円の時代、健康のために…と喫煙を迷っていた人も、このたばこ値上げニュースは真剣に本数を減らす機会になるかもしれません。
なぜたばこばかり値上げされるのか、そんな不満の声もあちこちで聞かれています。
たばこ値上げは、経済的に税収の増加が目的のひとつ。
さらに健康増進のため、禁煙を促すためにたばこ値上げをするともいわれています。
若い喫煙者を減らすためにも、たばこ値上げは仕方ないと納得できる人もいるかもしれませんが、その論理だけではなかなかたばこ値上げが社会的に進展せず複雑であることは確かですね。
たばこの税収について
たばこ値上げで期待される税収のアップですが、一体喫煙者はどれくらい日本経済にメリットを与えているのか、少し気になるところです。
「たばこ」はどんどん買ってくださいと推進される商品ではなく、健康のために吸い過ぎに注意など、購入意欲を低下させるような言葉が商品に記載されている不思議なアイテムのひとつ。
体に悪いとわかっていても、合法的に世界的に販売されているものです。
たばこ税は小売価格の6割以上が税金といわれるほど、とても税収が期待できる商品。
そのため国でも健康を一番意識するのであれば、もっと政府が厳格な規制をして販売してもよいはずでしょう。
しかし経済利益を考えると、大人になれば「誰でも買える」という位置づけで、喫煙者からの税収を期待しています。
たばこ値上げが経済影響を与える理由として、たばこには「国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税」と4つの税金が含まれていることが特徴です。
たばこが与える経済影響は?
たばこ値上げの影響が直にあるのは喫煙者。
たばこ代がもっとかかるようになり、禁煙も頭の中でちらつくでしょう。
しかしそれだけでなく、「喫煙」自体が与える影響として、喫煙者と非禁煙者ともに関連する超過医療費が問題に。
受動喫煙という言葉が近年よく聞かれるようになり、たばこは自分だけでなく周囲の人にも影響を与えるものです。
喫煙関連疾患による医療費は、アメリカの場合8兆円前後との報告も。
さらにたばこの火の消し忘れによる火災、消防労働や清掃にかかる費用も、年間で億単位も発生しています。
喫煙により体調を崩すと労働力損失にもつながり、喫煙が招く経済損失は数兆円にもなるとの研究があります。
たばこ値上げによる影響について
たばこは欧米では1箱1000円台の国も決して少なくはなく、日本のたばこは安いというイメージを持っている人も多いようですね。
今回のたばこ値上げによる影響は想定されていますが、とくに気になるのが喫煙率。
国の政策で全体の喫煙率を2022年までに12%に引き下げる目的があるものの、現在は18%前後で、中年男女の場合は喫煙率が横ばいで続いています。
では非喫煙者にとっての影響ですが、たばこ値上げは喫煙者を減らす可能性があるメリットがあること、税収アップが期待できることが支援する理由。
逆に値上げしないと、税収減がお酒などの他のアイテムになるのでは?という懸念を持つ人も多いようです。
まとめ
たばこ値上げの影響は、喫煙者に対する風当たりがさらに強くなることは想像できますね。
経済的にもメリットとデメリットがあるたばこ値上げ。一体最終的にはいくらになるのでしょうか。