国の低金利政策により、ゼロ金利といわれて久しい昨今です。メガバンクの定期預金の金利をみても0.002%程度です。(※1)
低金利のいま、投資信託や国債、社債を買って運用しようと考えていませんか。しかし、何を選んだらいいのか悩みますよね。
今回は、元本保証がされ比較的リスクが少ない「社債」について解説していきます。
株式投資に比べマイナーな社債とは、いったいどんな仕組みなのか一緒に学びましょう。
この記事の目次
社債とは
社債とは、企業がお金を借りるために発行する「借用書」のようなものです。企業がこれから事業拡大や事業スピードを上げたい場合は、資金が必要です。
企業が資金調達するには、金融機関からの融資や株式の発行などが一般的ですが、社債を発行するという方法もあります。
社債は一般の企業が発行する債券のことで、投資家から投資を受けて満期まで利息を支払い、満期に全額返済するという有価証券です。
企業側は金融機関からの融資の場合、融資を申込んだ金融機関からしか資金を受けることができませんが、社債を発行すれば購入してくれた投資家から資金を集めることができるメリットがあります。
社債を買う側は、満期になるまで利息を受け取ることができるうえに、満期時には全額戻ってくる仕組みになっています。
社債の利回りは金利情勢などにも左右されますが、国債や地方債よりも高めなのも魅力のひとつです。
ここで、債券と聞くと株式とどこが違うのか分からないと思う人もいるでしょう。社債と株式の違いに少しふれておきましょう。
社債と株式の違い
企業側にとっては資金調達の方法で、投資家にとっては資金の運用方法として知られている社債と株式ですが、実はまったく異なります。(※2)
社債 | 株式投資 | |
特徴 | 借入金 | 出資金 |
利息 | 設定された利息の支払い | 株価の変動によって配当金を支払う |
元本 | 全額返済 | 返済されない |
社債は企業がお金を投資家から借りているので、返済義務があります。
一方、株式は投資家に企業の成長を応援してもらい、経営参加権を得る代わりに出資を募るシステムです。
出資金は返済義務がありませんが、企業の成長や業績によって配当金が支払われ株式の売却時には利益を得ることもできます。
大きな利益を期待するなら株式は魅力的ですが、投資した企業の業績が振るわない場合は利益を得ることができないリスクも伴います。
その点、社債は設定された利息を受け取りながら償還時には元本が返済されるので株式より少ないリスクではじめられるのがメリットです。
社債の始め方
社債を実際に始める場合は、証券会社を通じて購入します。
しかし、ひとつの証券会社で様々な銘柄を取り扱っているわけではないので、自分が購入したい社債がないことがあります。
事前にいくつかの証券会社を、比較してから購入することをおすすめします。
社債を始めるにあたり必要な資金
社債を購入するにあたって、どの程度の資金を用意すればいいのかが一番気になるところです。
購入にはある程度まとまった資金が必要となり、最低でも約10万円〜100万円を準備しましょう。
しかし「そんな大金、持ち合わせがないな」「もっと少額で始められないかな」と思う人もいますよね。
大きな資金がない場合は、投資信託で社債を購入する方法もあります。
投資信託で社債を購入すれば、100円から投資できるものもあるので気軽に始めることができます。
社債の5つの種類
社債には5つの種類があります。それぞれ詳しく説明します。(※2)
社債の種類 | 特徴 |
普通社債 | 一般的な社債。ほとんどの場合固定金利 |
転換社債 | 一定条件において株式に転換できる社債 |
ワラント社債 | 一定の価格で発行会社の株式を買える権利が付帯されている社債 |
劣後債 | 元本と利息の支払い順位が低い代わりに、利回りが高く設定された社債 |
電力債 | 電力会社が設備資金調達のために発行している社債 |
それぞれの社債の特徴を理解して、自身の運用計画と照らし合わせて選ぶようにしましょう。
注意すること
社債を購入する前に、注意しなくてはならないことを解説します。
発行体の破綻する可能性
社債を始める上で、注意する点は「発行体が破綻した場合、利息や元本の支払いが滞る」というリスクがあります。
今まで述べてきたように、社債は償還期限が定められており満期時には元本が返済される仕組みです。しかし、中には元本の一部や全額返済されないことがあります。
債務不履行になる一番大きな原因は、発行体の倒産や破綻です。
投資の中でも比較的リスクが低い社債ですが、全くリスクがないわけではないので始める前には発行体の信用力を確認することが重要です。
中途換金をした場合
満期前に売却した場合は購入価格を下回る可能性があります。
社債は中途換金をして現金化することができますが、時価で譲渡するため時価が購入時より下落していれば損失が出る結果になります。
また、社債の中途換金は買い手がいなくては成立しません。
社債の流動性が低くなってしまった場合は中途換金ができないリスクもあります。
http://research-online.jp/all/asset/16209/
http://research-online.jp/all/asset/16152/
http://research-online.jp/all/asset/15850/
まとめ
今回は社債について解説しました。
はじめて社債を購入する場合は、発行体の状態を事前確認することで安全に始めることができます。
必要な資金は約10万円からですが、余裕資金があればもっと増やすこともできますので運用計画に合わせて検討してみてください。
銀行の定期預金よりも利回りのよい利息の受け取りは、魅力的です。
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