2022年4月から高校で金融教育がスタートしました。この影響もあり、投資に対して興味を抱いた方もいるでしょう。投資と一口に言っても、種類はさまざまなものがあります。
ここでは、不動産投資の一種であるREITの始め方を解説します。仕組みを押さえたうえで、スムーズに開設するための参考にしてください。
この記事の目次
REITとは
REITとは証券会社に資金を預け、当該会社が投資家の代わりに不動産投資を行う方法です(※1)。証券会社は不動産を所有し、売買や家賃などの収入を得ます。その一部を投資家に与える仕組みです。REITの始め方を解説する前に具体的な特徴を紹介します。
直接の不動産投資よりもお金がかからない
不動産投資には、自らが土地や建物を購入して行う方法もあります。ローンの設定が可能とはいえ、この方法は不動産を買うために多額のお金が必要です。収益を得られたとしても、ローンの完済も同時に目指さなければなりません。
一方で、REITの場合は証券会社がすでに不動産を所有しています。ファンド(商品)によって金額は異なるものの、10万円未満から始めることも可能です(※2)。不動産投資に興味がありながらも費用面で不安な方は、REITを検討するといいでしょう。
分散投資を行える
REITは、分散投資が行える点もメリットのひとつです。証券会社は複数の不動産を所有しており、これらすべてに集めたお金を投資しています。そのため、比較的リスクを抑えられます。
さまざまなリスクを考慮すると、1つのものに投資するスタイルは避けなければなりません。ただし、複数の不動産を所有することは経済面でも難しいはずです。そこで、分散投資を簡単に行えるREITをおすすめします。
J-REITと海外REITの違い
一般的に日本のREITは、「J-REIT(JAPAN-REIT)」を指します。一方で、海外の証券会社に投資する手法が海外REITです。これらの違いは、開発できるか否かにあります。
J-REITの場合は、証券会社の開発が認められていません(※3)。証券会社自身では新たに土地をつくれないため、購入して投資に活用します。海外REITの場合は、開発行為も可能です(※4)。
そのため、既存の不動産にとらわれない海外REITのほうが利回りは高くなります。しかし、国外を拠点とするため情報が得られにくいといったデメリットもあります。情報収集や購入のしやすさを重視するのであれば、J-REITがおすすめです。
REITの始め方
REITの始め方は、大きく分けて3つの手順があります。
- 証券会社を選ぶ
- 必要書類の準備
- 口座へ入金
それぞれの手順を簡潔に説明します。
証券会社を選ぶ
まずは、REITを提供している証券会社で口座開設をしてください。代表例が下記のとおりです(取扱本数は変動する可能性があります)。
(2023年2月25日時点)
証券会社 | REITの取扱本数 |
SBI証券 | 60本(※5) |
楽天証券 | 62本(※6) |
マネックス証券 | 62本(※7) |
上記の証券会社は、いずれも本数がほとんど同じです。これらを含めた各証券会社のメリットを考慮しながら選ぶといいでしょう。
必要書類の準備
口座を開設する際には、次のような本人確認書類を準備します。
(※8)
- 運転免許証
- マイナンバーカード
- パスポート
- 住民票の写しなど
ただし、必要書類は各証券会社によって異なります。それぞれの規約を確認してください。
口座へ入金
口座の開設手続きが完了したら入金を行います。上述したとおり、REITはファンドによって金額が変動します。自分の経済状況を確認しつつ、無理のない金額を入金してください。
投資の基本は、余剰資金で運用することです。生活に支障が出ないよう注意しなければなりません。
注意すること
どの投資も運用するうえではリスクが伴います。REITもまた例外ではありません。REITに関する注意点を2つ紹介します。運用するかを決めるときには、これらのポイントを押さえてください。
自然災害によるリスクがある
日本は、自然災害が多い国です。地震や台風が起こると、不動産にも被害をもたらす危険性があります。当然、甚大な被害を受ければ不動産の価値が下がるかもしれません。
とはいえ、自然災害自体を止めることはできません。ファンドを選ぶ際には、どの地域の不動産に投資しているかを確認しましょう。ハザードマップも参考にし、リスクの低いファンドを選んだほうが賢明です。
相場が大きく変動する可能性も
REITは、投資信託と比べて相場が大きく変動しやすい特徴を持ちます。経済が急に悪化すれば、不動産を借りる人が少なくなることもあるでしょう。この状況では家賃などの収益が得られなくなり、基準価格(不動産の値段)の減少も招いてしまいます。
もちろん、反対に不動産価格の高騰で高額な配当を得られる可能性もあります。変動の大きいファンドは、ハイリスク・ハイリターンの投資になると覚えてください。
また、REITには元本保証がありません。購入金額を大きく下回れば、結果的に損してしまいます。こうしたリスクは念頭に置きつつ、無理のない金額で運用しましょう。
http://research-online.jp/all/asset/15850/
http://research-online.jp/all/asset/15780/
http://research-online.jp/all/asset/15747/
まとめ
今回は、REITの始め方と特徴を紹介しました。REITを始める際には、証券会社への口座開設手続きが必要です。各会社によってやり方が異なるため、よく確認しながら手続きを行ってください。
REITは、自ら不動産を購入するよりも気軽に投資ができます。費用を抑えつつ、分散投資ができる点も魅力です。一方で、REITには自然災害や価格変動などのリスクもあります。
メリットとデメリットを念頭に置いて利用しましょう。不動産投資で資産を増やしたいと考えている方は、リサーチ・オンラインへお問い合わせください。