2022年9月7日、一時、1ドル=144円台となりました。これは、24年前、1998年の1ドル=147円に迫る勢いともいえるでしょう。
ここまで円安になった場合に、身の回りにどのような影響があるのか知りたい人は多いのではないでしょうか。
本記事では円安の影響と、今だからこそできることを中心に解説します。円安となった今、どのような影響があり何ができるのかと悩んでいる方は参考にしてください。
この記事の目次
円安とは
日本円が他の通貨に対して、相対的に価値が上がった状態が「円高」、下がった状態が「円安」です。
一般的に日本国内のニュースで「円安」「円高」と言われる場合は、アメリカドルに対しての日本円の価値を表現しています。
例えば元々1ドル=100円だったと仮定しましょう。
これが、1ドル=80円になった場合、1ドルを購入する場合、少しのお金ですみます。ドルに対して円の価値が高いため「円高」と表現されます。
一方、1ドル=150円になった場合、1ドル購入するのに、多くのお金が必要です。ドルに対して円の価値が下がるため「円安」といいます。
つまり、現在のように円安になると「円」で「ドル」を購入するのに、多くのお金を払わなければなりません。
最安値の影響
最安値を受けさまざまな影響が出てきます。ここでは、良い影響・悪影響についてそれぞれみていきましょう。
円安による良い影響
円安が続くと、海外で稼いだ外貨を多くの円にできます。そのため、輸出企業にとっては追い風です。
海外の金融資産に投資をしている人にとっても、利子や配当金を円換算すると多くのお金が入手できるため、良い影響を受けるといえるでしょう。
普段の円安時であれば、海外の人にとっては同じお金を使っても、これまでよりもたくさんの買い物ができるようになるため、日本への旅行客増加が期待できます。ただし、現在は世界的にコロナ禍が続いているため、インバウンド消費の拡大がどれほどのものとなるのかは定かではありません。
円安による悪影響
日本では、食料やエネルギーをはじめ多くのものを輸入に頼っています。円安の影響を受けると、これらの費用はあがります。この費用上昇の影響を受けた商品が次々と値上げされるため、一般消費者の生活が圧迫される点は悪影響といえるでしょう。
いつまで続く?
このような円安状態がいつまで続くのか気になる人は多いでしょう。
9月9日に日銀の黒田総裁が岸田総理大臣と会談した際、最近の円安の動きが「急激な変化」にあたるという認識を示しています。(※1)そのため、同日、円を買い戻す動きが広がり、1ドル142円まで円高となりましたが、今後の動きを見通すのは困難です。
2022年10月頃には一度落ち着くという見方(※2)もあれば、長い間続くとみている専門家もおり、見解にはばらつきが生じています。
今回、円安となった背景についてみていきましょう。
今回の円安の背景
今回の円安の一番大きな要因はアメリカの金融政策にあると言われています。アメリカは現在、金利上昇傾向にあります。一方、日本では金融緩和を続ける姿勢を崩しておらず、低金利状態が続いています。
このように金融政策に大きく差があるため、日米の金利差は広がり続けると考えている投資家は少なくありません。そのため、利回りが見込めない円を売り、利回りを見込めるドルを購入する動きが強まっているのです。
円安の今できること
円安時になり、初めて「円資産」だけを持っておくのは不安だと感じた人は多いのではないでしょうか。
日本で暮らしながら、海外の資産を持つことは可能です。特に高利回りが期待できる今、アメリカドル関連のものに目を向けてみてはいかがでしょうか。例えば次のものがあります。
- 外貨預金
- 米国株式
- 投資信託
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
外貨預金
日本円を外国の通貨に変えて預金します。為替変動リスクがあり、多くの場合、為替手数料がかかります。ただし、日本円の金利と比較した場合、高金利に設定されていることが少なくありません。
米国株式
米国株式は、株主還元意識の高い企業が多い傾向にあります。日本株のような株主優待はありませんが、増配に積極的な企業が多いのが特徴です。また、アップル、コカ・コーラ、P&Gなど、日本で生活している人にとっても馴染み深い企業が数多くあります。
投資信託
投資信託で扱う商品の中には、米国株を厳選したファンドや米国株の値動きと連動している商品も数多くあります。米国株式の場合、具体的にどこを選べばよいのかわからずなかなか投資を始められない場合は、投資信託の利用を検討してみましょう。
まとめ
今後いつまで円安が続くのか先が読めないため、不安を感じている人は少なくありません。
円だけの保有では、為替リスクへの対応は困難です。これまで、資産の全額を「円」で保有している人は、この機会に、海外投資にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
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